劇場公開日 2011年10月1日

  • 予告編を見る

「【耽美的で、蠱惑的で自己献身な老楽の恋を描いた作品。当時15歳のビョルン・アンドレセンの魅惑的な微笑みと流し目にヤラレタ作品。】」ベニスに死す NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【耽美的で、蠱惑的で自己献身な老楽の恋を描いた作品。当時15歳のビョルン・アンドレセンの魅惑的な微笑みと流し目にヤラレタ作品。】

2021年12月29日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、VOD

悲しい

知的

幸せ

ー 久方振りに鑑賞した。そして、内容を殆ど覚えていない事に驚愕した。
  故に、初鑑賞の様に新鮮な気持ちで鑑賞した。
  再鑑賞した理由は分かり易く、先日鑑賞した「世界で一番美しい少年」を見たからである。
  当時15歳のビョルン・アンドレセンは、矢張り美しかった。-

◆感想

 ・今作の老作曲家アッシェンバッハ(ダーク・ボガード)が当時50歳であった事に驚く。
 - 私も、あと数年すると”老”が付くのか・・。
   嫌々、時代の流れであろう。
   今観ても、ダーク・ボガードは十二分に若々しい。-

 ・ルキーノ・ビスコンティ監督が、血眼になってタージオ役(先日の映画の翻訳ではタジオとなっていたが、今作では”タジョ”と聞こえた。)を探した理由が良く分かる。
 今作品は、ビョルン・アンドレセンの耽美的で、蠱惑的な美しさ無くしては製作しえなかった事が良く分かるからである。
 - 日本で言えば、赤江瀑の小説群に登場する美青年達を想起させる。-

 ・老作曲家が静養に来ていたベニスから荷物の発送間違えで、足止めされるシーン。
 - 抗議をしつつも、明らかに嬉しそうである・・。理由は明白。
   自分の命が短くなることも知らずに・・。-

 ・そして、老作曲家アッシェンバッハは流行していたアジア・コレラに感染しつつも、床屋に行き身なりを整え、タジオの母に、この地を離れた方が良いとアドバイスをするシーン。
 ー 老作曲家の不自然な顔色。音楽会での散々の出来。
  それでも、彼は息絶えるまで、リドの海岸で戯れるタージオの姿を目で追っているのである。ー

<今作は、間違いなく先日鑑賞した「世界で一番美しい少年」を見ていなければ、印象は変わったであろうと思う。
 初見時の記憶が無いのであるから・・。
 今作の陰の主演であり、デビュー作でもあったビョルン・アンドレセンが今作出演後、どの様な人生を送ったのかは、「世界で一番美しい少年」で綴られている。
 併せて、観賞したいモノである。>

NOBU