新少林寺 SHAOLINのレビュー・感想・評価
全36件中、21~36件目を表示
心に響く作品
この作品は多くの人に観てもらうべき作品だ。リメイクした作品ではあるが比較してはいけない。アクションがどうとかではない。この作品で伝えたい事は、誰もが平等だということ。常に慈悲深く考えろということだ。現社会においても自分より仕事が出来ないような人間には見下したような態度をとっている。使えない人間だと考える。人間に上下なんかない、皆が平等であるべきだとこの映画は伝えている。この映画は富と権力をもっていた人間が部下の裏切りにより全てを無くしドン底に落ちてしまう。しかし自分を見つめ直し改心することで人間は皆平等だとたどり着く。裏切った部下は富と権力で全てを自分の支配下に納めようとしているが、その部下を作り上げたのは改心する前の主人公。主人公は部下の心を改心させなければいけないという使命のもと戦う。最後は悲しく終わるがエンディングがまた心に残る。映画館で観ていたら数分は立ち上がれなかっただろう。この映画を観た人は、このレビューに共感して貰えると嬉しい。
アクション映画ではなく神仏の映画
面白かったです。
子供が殺されて悲しみに打ちひしがられるけど復讐に心を向けるのではなく、むしろ慈悲の心で他の人々に尽くしていくところなどは真理が絡んでいて仏教の教えも絡めている。
なんとも真理的な内容だったのでカンフーのアクションよりもそちらのほうに目がいってしまった。最後に主人公が身を持って悪役ボスに教えを説いて、朽ち果てるときに仏様の手の上に落ちるあたりは、もうこれアクション映画ではなくて神仏の映画かと思ってしまいました。
ただこの映画はとにかく重要人物が死んでいくのですがそれも仏のもとに召されたと思えるくらいに神仏映画でしたね。
単純なアクションとか捻りとかいう要素からすると物足りないけど教えがある内容ということで観てよかったのかなとは思います。
映像はいいのに、演技・演出は昔のまま
総合65点 ( ストーリー:70点|キャスト:65点|演出:60点|ビジュアル:90点|音楽:70点 )
蟷螂拳などの具体的な武術が出てくるのではないのが少し残念だが、今回は時代の渦に巻き込まれる少林寺の命運が描かれるのは良かった。美術には相当に金がかかっていて素晴らしい映像になっているし、格闘も過剰なまでに派手で見せてくれる。厳しい訓練をして体を張っているのがよくわかる。
だけど21世紀の作品だというのに、悪いやつがとことん悪くていい人は良くって、特に少林寺の僧はいい人ばかりで白黒はっきりとしているという単純さがそのまま。やたらと力が入った大袈裟な演技がやたらと目立ち、旧態依然のままの中国武術映画を金をかけて洗練させただけで、基本的な部分に40年前から変化があまりない。正義の僧たちが庶民の味方をして戦っているぞ、そこに力を入れて大げさな演技と演出をしているから、これを観て素直に感動するんだぞ、そんなふうに言われているようにも思える。でもそれがやはりくさくて説教ぽくて押し付けがましくて、出演者にも物語にもすっかりと冷めてしまった。
訴えるものは良いが、気になる点が少々
慈悲深くて慕われるような人間が上に立つのではなく、ただ強いものが人々を支配する時代。強いものが弱くなれば退けられ、また強いものが上に立つ、そして部下は従うのみ。その構造は冒頭のシーンでよく理解できたのだが、曹蛮が侯杰を裏切った理由がよく分からなかった。なぜ裏切ったか?の答えは台詞としてあったが、いまいちピンとこなかった。曹蛮をあれほどまでに狂わせた感情は何だったんだろう…と最後まで気になってしまった。
それに棒術メインの拳法に対するのが、拳銃に鉄砲(外国軍はなんと遠方からの大砲攻撃‼︎)…そりゃ勝ち目無いだろう…距離感が違うもの。そういう設定なので仕方無いが、タイトルに少林寺と入っている割に、少林寺らしいアクションがあまり見られなかったのは少し残念。脇役陣の中には本格的な武術家もいたので修行シーンなどで楽しめた部分もあるが、タイトルと内容にいくらかギャップがあるように感じた。
しっかりしたストーリー
カンフーもドラマも見応えある良作!
ジェット・リーの出世作「少林寺」を新たに映画化。
辛亥革命後の中国。傲慢な将軍・コウケツは、部下の曹蛮の裏切りに合い、全てを失う。そんな彼が流れ着いたのは、かつて愚弄した少林寺だった。コウケツは改心し、出家するが、彼を捕らえようと曹蛮が攻め込んで来る…。
主演のアンディ・ラウの、傲慢だったコウケツの時と改心して僧となった浄覚の時の巧みな演じ分けはお見事!
曹蛮を演じるニコラス・ツェーの非道っぷりは逆にアッパレ!
少林寺の料理番役のジャッキー・チェンは出番は少ないながら、作品にユーモアを与える。
“少林寺”と言うと、やはりカンフー・アクションが見所。
本作でも、さすが本場だけあって、ワイヤーを駆使したアクションとキレのあるカンフーは最高のカタルシス。
カンフー映画はストーリーそっちのけの場合が多いが、ストーリーが疎かにされていないのが好感。
特別新鮮味がある訳ではないが、シンプルな分、じっくり見入っていける。
富や権力、強さに固持する愚かさを浮き彫りにし、暴力的なシーンがその浅ましさをさらに訴える。
煩悩を自覚する心、罪を悔い改める勇気こそ、本当の強さ。
コウケツが戦う理由は、民を守る為。そして、曹蛮を改心させる為。
ただ相手を倒す為ではないのがカンフーの極意。真の武術だ。
真摯な心得は作品にも表されている。
良作だった。
改心させるのは、私の役目だ
映画「新少林寺 SHAOLIN」(ベニー・チャン監督)から。
大好きなカンフーアクションだから、
画面に見入ってしまったが、意外と面白い台詞もあった。
権力を手に入れた軍閥の将軍、侯杰(こう・けつ)は、
「我々の邪魔をする者は殺す」と言い切り、
「武術の祖、恐れるに足らず」「銃は撃たねば意味がない」、
そんな考え方をしていた彼が、部下に裏切られ、山中を逃げ惑い、
やっとの思いで辿り着いた「少林寺」の僧たちのお陰で改心。
大事なものは、富や権力でないことを修行によって悟る。
それをいつまでも心に持ち続け、以前の自分の姿を見てるような、
富や権力に溺れている当時の部下を目にして、叫ぶ。
「改心させるのは、私の役目だ」
そんな部下を育ててしまったのは、自分の責任だから、
改心させることが私の役割だ、という気持ちが強く、
彼と戦っているのにも関わらず、自分の命を懸けて助けようとする。
そして、そんな彼の行動を見て、部下は改心した。
アクションばかりが目立ってしまうカンフー映画だが、
「金と泥、どちらが役に立つ?」禅問答みたいな会話もあって、
充分楽しめたと言える作品であった。
今風の作り
どうもましゃです(*^_^*)少林寺の公開から30年、子供の頃に観た、リーリンチェイ(ジェットリー)のカンフーアクションは興奮し憧れの目で観たのを思い出す。そして今回、新少林寺として再び登場した。リメイクではなく、脚本も全く違う少林寺だ。リーリンチェイも出ていない。
少林寺を観て再びあの興奮をと期待すると、がっかりとなるかも知れない。
今回の新少林寺は非常に重く、かなりの人が死ぬ、前回の少林寺に比べ格好いいアクションやコメディはほぼない。勿論アクションは凄いし、少林寺としての技もあるが、重いストーリーゆえ、子供の頃に観た目を輝かして興奮するといった内容ではない。私としては少し残念。
今回のは少林寺の技を問うのではなく、少林寺の教え、心を問う方に重点置いてるため、こういう作品になったのだろう。
しかしながら、ラスト近くの少林寺の大きなセットを惜しみなく、ふんだんに使っている所は素晴らしく、今風のアクション映画の仕上がりになっている。
是非とも続編作るなら、昔観た目を輝かしながら観れる少林寺をお願いしたい。しかし、今回ジャッキーチェンが友情出演してるが、やはり格が違う。
出演シーン少ないが、どのシーンもオーラがあり一流アクション俳優の格を魅せられた。
天何言哉。
少林寺といえば、リー・リンチェイ(J・リー)。
1982年の爆発的ヒットは未だ記録が破られていないそうだ。
当時はそれほど彼に興味はなかったものの^^;
まぁ~美しいことこの上ないあの型!可愛い顔にあのポーズ!
武術チャンピオンばかりを集めた前作とは趣を変えた本作。
なんで少林寺にJ・リーが出ないの??とまず思うんだけど、
(どっかに出てきて欲しかったわね~)
今作は演技派A・ラウを迎えドラマに重点を置いた作品だった。
J・チェンが彼らしい役どころで出てくるんだけど^^;
1911とはまるで違う、いかにもジャッキーという役どころがいい。
もちろん武術系のアクションスターも(あまり知らないんだけど)
ちゃんと登場しているので、そちらの見所も多数ある。
いかにも少林寺系の話(悪から人々を守る)には違いないのだが、
そのドラマ性の素晴らしさに終焉までに何度も泣けてしまった。。
傲慢な将軍から一転、何もかも失って抜け殻になりながらも、
少林寺で修業を積みたい、と申し出てからのラウがとてもいい。
もちろんそこまでのドラマもかなりの白熱アクションが続くが…。
兄に裏切られたかと思いきや、信厚だった部下に裏切られて、
娘の命を失い、妻の信頼を無くし、自身の命も狙われている身と
なった主人公が寺に逃げ込み、そこで心を「無」にすることを学ぶ。
冷酷な仕打ちをした過去を非難する者を嗜める方丈(ユエ・ハイ)
素晴らしい演技と技、師弟愛を見せた浄能(ウー・ジン)をはじめ、
子役に至るまで技も演技も完璧なほど素晴らしく、観応えがある。
善悪をハッキリと描き分けている作品なのに、善悪の境界を超え、
赦すことをテーマにしている趣すらある。
食うものにも困る生活ながら人々への恩恵を忘れず、命を持って
寺を守り通す少林寺の面々に、堪えられない感動を覚えてしまう。
分かっちゃいるんだけど…泣けてしまうのはそこだ。
いかにも武術大会だった前作とはガラリ変わって、ドラマである。
芸術面で見劣りするのは致し方ないが、ストーリーでカバーである。
好き好きはあれど、私的には満足のいくドラマ・少林寺だった。
(天何言哉。今の中国を見ているとこんな作品が必要かもですねぇ)
あの気合が聞きたかった
どうしても気になる
作品全体として楽しかった。
アンディ・ラウの前半と後半(少林寺入門後)の表情の違い、ニコラス・ツェーの冷徹さ、脇役だけど締めるとこ締めてくれるジャッキー・チェン…等、全体的にキャストの演技は良かったと思います。
ストーリーはオリジナル版を知らない自分でも理解出来ました。
まぁ、悪党が改心する話という感じで分かりやすかったです。
ただ、どうしてもニコラス・ツェーの耳のピアス穴が気になってしまった。
意図的か分からないが右側から撮ってる方が多かった様に感じたが、たまに左側からのショットでピアス穴が映るとちょっと残念な気がした。
演技が良かった分、逆に目立ってしまった。
設定が現代では無いと思うので、メイクなりCGなりで消して欲しかった…細かい事だけど。
二元論だけか?
よくできた映画だと思う。(ストーリー展開が丁寧でないという意味では、アジア映画ですが、ジャッキーとか、アンディーが出てる映画にしては、がんばってる)
主演女優の演技はCCC-くらいのクラスです。
シナリオに小乗仏教の思想がふんだんに練りこまれているので
そこは
念仏、真言宗派の思想に洗脳されている人には
身に染みて感動できると思う。
いずれにしても
西洋の唯物思想の対比として
徹底的に
精神論、観念論を展開した点が特徴です。
現代の日本の10代には
カルチャーショック並みの内容かもしれません。
観る価値はあると思います。
ただし、精神と物質を極端に捉えすぎると未来を見失うかも・・・
第三の道を見出していけると
この映画を本当の意味で観たということになるでしょう。
想像以上の出来。観てよかったと嬉しくなる。
アンディ・ラウが2つの顔を見せる。
ひとつは戦に明け暮れ、誰も信じない冷血漢・侯杰(こうけつ)。長引く内乱と、そこに付け込もうとする海外勢力。人を迂闊に信じると、いつやられるかもしれない日々。侯杰が安らげるのは、美しい妻・顔夕(がんせき)と愛娘・勝男(しえんなん)と共にいるときだけだ。
権力こそが家族を守れると信じる男の果てしない私利私欲が、力の限りを尽くして争いを繰り広げる。
力の誇示は、“恐れ”に対する人間の弱さの裏返しであることに気づいていない。
もうひとつの顔が浄覚(じょうかく)だ。
富も地位も家族までも失った侯杰がたどり着いた少林寺。かつては愚弄してはばからなかった少林寺の門を叩き、人としてどうあるべきか、徐々に心穏やかな生き方を学ぶ浄覚。その顔は、侯杰の疑心暗鬼に満ちた顔とは正反対だ。
いい顔になる。きれいな顔になる。
悪役の曹蛮(そう・ばん)をはじめ、少林寺の面々の配役もいい。
この作品でのジャッキー・チェンは、いわば安息所だ。息抜きにいい味を出す俳優になってきた。
物語自体は単純だ。カンフー映画らしい、しつこいほどの格闘場面もありきたりだ。
それでも、やるかやられるかの激動の時代を背景に、静の象徴・少林寺を舞台に据え、ひとりの男の改心を丁寧に描いた人間ドラマとして、しっかり肉付けすると、こうもいい映画になるものかと嬉しくなってしまう。観てよかったと思う。
音楽がやや平凡なのが残念だが、想像以上の出来だ。
前の「少林寺」とは別物。
私がカンフーアクション作品にはまったのは、ジェット・リーの「ワンチャイ」シリーズから。
「ワンチャイ・天地大乱」での、ドニー・イェンとの一騎討ちは凄かった。
少林拳法って、こんなに凄いんだ!と思った。
それから沢山の作品を見た。
その中には、ジェット・リーが、まだ李 連杰、という本名で出ていた「少林寺」「阿羅漢」もあった。
これらの「演武披露」的作品も良かった。
けれど、時代が変わり、人の生活も変わった今、「少林寺」と「新少林寺」は、全く別の作品と思った。
ストーリーは、仏教の教えを基にしているが、誰にでも言えることを身を持って教えてくれる。
≪人は、変われるのだよ≫
アクションシーンは、さすが拳法の修業を積んだ俳優さん達。
観る者を惹きつけて離さない。
ベニー・チャン監督の手腕はさすが!!
見応えのある怒涛のアクションは、久しぶりに手に汗を握った。
それとともに良かったのが、配役。
「ハムナプトラ3」にも出ていた、浄能役のウー・ジン。
師兄役を、見事に、しっかり演じていた。
とても好感を持てた。
方丈役のユエ・ハイさん、とても懐かしかった。
浄空さんも、浄海さんも、とても素敵だった。
久しぶりにスクリーンで見たション・シンシン。
ジェット・リーが骨折した時に代役をした人。
大地争覇での鬼脚役は、記憶に残っている。
嬉しくって、懐かしくて・・・。
アンディ・ラウの悪役。
これでもかというほどの悪人顔。
それが後半になると、善人の顔になる。
イヤミがないのは、さすがの演技力。
もっと凄かったのが、ニコラス・ツェー。
彼の持ち味である「照れたはにかみ笑い」は封印(そんな役ではなかったけれど)。
「孫文の騎士団」での純粋な車夫役の時とうって変わって、突き抜けた悪顔。
髪が左目にかかり、右目だけの表情の時が多かったが、その目が素晴らしい。
≪突き抜けた≫悪の表情に、目に、惹きつけられた。
脅えた表情も良かった。
≪門前の小僧≫的、ジャッキー・チェン。
彼らしいコミカルな演技は、やっぱり大好き。
エンドロールでの、アンディ・ラウの歌と共に見逃して欲しくないのが、雪景色の中での演武。
冒頭からクライマックスまで、ダレルことなく、悲しみながらも、エンタメを楽しむことができて、心に残る素晴らしい作品。
全36件中、21~36件目を表示