「あんまりフライト(恐怖)じゃナイト」フライトナイト 恐怖の夜 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
あんまりフライト(恐怖)じゃナイト
とっくに明けましたが、明けましておめでとうございます。
2012年もヨロシクです。
うーむ、新年最初に観た映画が本作というのは幸先が良いんだか悪いんだか。
重さや湿っ気が無いのでサクッと観られるが、その分ストーリーも人物描写も大味。
携帯からの投稿だと1024字が限度なので書きたい事が書き切れず、
泣く泣く文章を削る事が多い自分だが、
今回のレビューは新年の挨拶を書く余裕があったぜ!(笑)。
さてさて、
一番の不満は人物描写。
主人公がかつての親友に大した躊躇もなく斧を振り落としたり、
なぜヒロインが冴えない主人公を好きになったのかが全く描かれなかったり、
吸血鬼研究家のヴィンセントも重要な過去をサックリ説明しちゃったり、
キャラの魅力をイマイチ引き出し切れてない感じだ。
主人公の母親とヒロインが吸血鬼に惹かれる描写もほぼ無いので、
その辺りのサスペンスが生じないのも残念。
ラストの展開もなんだか強引だしね。
オリジナルは殆ど覚えてないが、あんなご都合展開ではなかった気がする。
そんな主人公らを差し置いて、
コリン・ファレル演じる隣の吸血鬼・ジェリーさんがいろいろ型破りで楽しい。
本編でも笑いの種になってたが、
そもそも恐怖のヴァンパイアの名前が“ジェリー”じゃちょっとねえ。
せめて“ディエゴ”だよねえ。え、違う? ああそう。
タンクトップで筋骨隆々。
表の顔は深夜工事の作業員。
官能的というより野性的な魅力。
なんか妙にアメリカナイズされた吸血鬼だ。
欧風の優雅な吸血鬼のイメージとのギャップが可笑しい
(無論これは狙いだろうね)
行動も奇抜だ。
まずこの人、自分の正体を隠す気があんまり無い。相手をビビらせて楽しんでいる。
きっと、長い長い人生の良い退屈しのぎなのかも。
それと吸血鬼には“招かれないと家に入れない”というルールがあるのだが、
型破りなジェリーさんは「招待されないなら入り口を無くせばいいのさ!」と家を爆破。
なんだね、そのマッチョな一休さんみたいなトンチは……。
後半は派手なアクションも多いし、そこそこ楽しめるB級ホラーだと思いますが、
高い3D料金を払ってまで観る気は、ちょっと起きないか。
もし3Dで観てたらもうちょい評価下げてたかも……。
ド派手なアクションホラーを期待せず、
温(ぬる)めの青春アクションホラーコメディくらいの映画と心構えして観るべし。
<2012/1/7鑑賞>