ロボジーのレビュー・感想・評価
全19件を表示
吉高由里子三十六歳。何がめでたい
監督と脚本は『ひみつの花園(1997)』『アドレナリンドライブ』『ウォーターボーイズ』『パルコフィクション Parco Fiction』『スウィングガールズ』『ハッピーフライト』『WOOD JOB!(ウッジョブ) 神去なあなあ日常』『サバイバルファミリー』『ダンスウィズミー』の矢口史靖
脚本協力は『ハッピーフライト』『WOOD JOB!(ウッジョブ) 神去なあなあ日常』『サバイバルファミリー』『ダンスウィズミー』の矢口純子
2012年公開のコメディー作品
当時吉高由里子24歳
主演は74歳にして映画初主演のミッキー・カーチス
ちなみに五十嵐信次郎はミッキー・カーチスの本名ではない
ミッキー・カーチスの本名は加千須ブライアンであり帰化する前はマイケル・ブライアン・カーチス
日英ハーフの両親との間に生まれた所謂クォーターだ
「五十嵐信次郎」とは彼が子供の頃に非国民として虐めを受け日本人になりたくて自分で考えた名前である
粗筋
中小シロモノ家電メーカー木村電器は木村宗佑社長の思いつきでロボットを開発をすることに
会社の宣伝のためにロボット博覧会に木村電気開発のロボットを発表するために
ロボットの名前はニュー潮風
ロボット開発部に集められた3人の社員はロボット製作にはズブの素人
チビの小林弘樹はエアコンのIC技術者だったもののメガネデブの太田浩次は洗濯機の営業で眼鏡ゲロ男の長井信也は梱包作業員だった
そんな3人に二足歩行のロボットなんて作れるわけがない
しかし太田がうっかりこぼしたドリンクがパソコンにかかることよって奇跡が起こりロボットは歩きはじめたが3階の窓が転落し大破した
博覧会1週間前でロボット開発を諦めた3人は着ぐるみショーの役者オーデションを行い中身が空っぽのニュー潮風に人が入り誤魔化すことを考案
定年を迎え妻に先立たれ孤独な老人の鈴木重光は結婚し離れて暮らす娘のアドバイスでしぶしぶ再就職するため年齢制限がなかったオーディションに参加していた
金属アレルギーがなかった鈴木は見事に合格し鈴木重光入りのニュー潮風はロボットとして博覧会のステージに上がった
台本通りに事は進み無事退場するはずだったが博覧会を見に来ていた大学生佐々木葉子の頭上に手抜き設置の柱が倒れてきてニュー潮風は咄嗟に駆け寄り彼女をすんでのところで救出した
これをきっかけにマスコミが大騒ぎし世間の注目を集め一回限りの苦し紛れを続けるハメになった3人の苦行
ミッキー・カーチスの愛すべき老害ぶりが良い
エンディングテーマを歌うのもミッキー・カーチス
ニュー潮風の説明会が佐々木葉子が通う大学が行われたのだがそこは理工学部で高度な専門知識の質問にタジタジの3人のシーン好き
ニュー潮風の中身が人間だと分かりディレクターの伊丹に怒りをぶちまける葉子の表情はもっと好き
伊丹の台詞「けんもほろろ」って久しぶり聞いた
終盤もロボットが転落する所謂天丼好き
数年後佐々木葉子も社員として木村電器ロボット開発部のメンバーになっていたがまたロボットが壊れて鈴木重光じいさんに頼むオチ大好き
配役
ロボットの中の人を演じる老人の鈴木重光に五十嵐信次郎(ミッキー・カーチス)
『ニュー潮風』に恋をするロボットオタクの大学生の佐々木葉子に吉高由里子
「木村電器」ロボット開発部エンジニアの小林弘樹に濱田岳
「木村電器」ロボット開発部エンジニアの長井信也に川島潤哉
「木村電器」ロボット開発部エンジニアの太田浩次に川合正悟(チャン・カワイ)
「ニュー潮風」の取材を行なうケーブルテレビ局のディレクターの伊丹弥生に田畑智子
重光の娘の斉藤春江に和久井映見
「木村電器」社長の木村宗佑に小野武彦
春江の夫の斉藤亮一に田辺誠一
春江の娘の斉藤美帆に安田聖愛
春江の息子の斉藤義之に星野亜門
デイサービスの理学療法士に西田尚美
白バイの警察官に田中要次
ニュー潮風のコスプレ男の渡辺誠司に森下能幸
佐々木が所属する大学のロボット研究会の清水雅広に古川雄輝
葉子の友人に高橋春留奈
佐々木が所属する大学のロボット研究会のメンバーに大窪人衛
佐々木が所属する大学のロボット研究会のメンバーに今井隆文
佐々木が所属する大学のロボット研究会のメンバーに三浦圭祐
鈴木を診た医師に竹井亮介
経理部社員の野村に藤本静
車に変形するオーディション参加者に野口太
オーディション参加者に細川洋平
コスプレイヤーに大久保綾乃
コスプレイヤーに遊木康剛
ケーブルテレビ局の伊丹の上司に徳井優
ロボットの展示会の司会者に菅原大吉
老人会の大衆演劇で殺陣を披露しおばあちゃんたちにモテモテな原田に大石吾朗
トイレの酔っ払いに竹中直人
馬鹿げてるけどおもしろい
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ある電気会社の社員3人がワンマン社長の指令でロボットを作る事に。
ロボットの出来を競う大会に出場するためだったが、失敗した。
しょうがないから中に入ってもらうために適当な爺をスカウトした。
大会当日、ロボに入った爺が吉高の危機をとっさに助ける。
これがきっかけで人の危険を察知する高性能ロボとして脚光を浴びる。
戸惑う3人だったが、本当の事を言い出せず時の人となる。
吉高はロボットオタクの学生で、この電気会社への就職を希望する。
しかし彼女が入社したら全てが嘘とバレてしまうのは明白。
なので3人は、君は向いてないと突き放した。
それに切れた吉高が、中に人が入ってる疑惑を持ち始める。
そして独自に調査し、爺が入っている事を突き止めた。
そして知り合いのケーブルテレビにこの情報を売る。
ケーブルテレビの取材により、全てが明るみに出るはずだった。
が、機転をきかせた爺が死角に入った時にロボの失敗作を窓から落とす。
さっきまで動いていたロボットが落ちたと誰もが信じた。
これにより疑惑は消え、翌年吉高はこの会社に就職、2号機を作る。
しかしまた直前でトラブって駄目にし、爺に頼みに来る。
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コメディみたいな作品。
まあ取り立てて書く事も特にはないが、おもしろかった。
最後のすりかわりシーンはそんなん無理やろって思ったけど。
ウソから出たマコト
オーディションにて選ばれてしまったのが鈴木老人(五十嵐)。認知症の心配をする娘(和久井映見)夫婦から「趣味もないんだから働いてみたら?」という言葉と、日当3万円というチラシによってフラフラと会場へと向かったのだ。普通のじいちゃんのようだが、五十嵐信次郎はミッキー・カーチスの別名だ。
社名を売るために5分くらい二足歩行しさえすれば良かったのに、ついつい踊ってしまったり、女子学生葉子(吉高)を倒れる柱から助けてしまったことによって観客の目を惹いてしまった。葉子をはじめ、日本中から注目されるようになった“ニュー潮風”。元々白物家電のメーカーだったから洗濯機ぽいネーミングだ(笑)。
その後はあちこちのイベントに駆り出され、子供たちから絶大な人気を得る。引っ込みがつかなくなったダメ社員3人組。わがままな鈴木老人に自腹で支払うバイト代や経費がかさんでも偽物とバレて会社をクビになるよりはいい。やがて葉子の通う大学の理工学部の講演会に勘違いして参加・・・専門的な質問を浴びせられても誤魔化すテクニックも身に付けていくようになった・・・
高度すぎる動きのロボットを専門外のメーカーがどうして作れるのか?という疑問は最初は誰も疑わなかった。これも実際にロボット技術が発達しているためなんだろうけど、嘘が本当になっていく過程をみごとに映像化している。
普通の物語としては、最後に嘘がバレて謝罪をするなり、苦労話を語って平和的に解決すると想像できる。しかし、本作はそんな予想を覆し、嘘がそのまま本当として通ってしまう。真偽を問われる記者会見にて2階から落ちたロボジー。観客はじいちゃんが怪我をする!とショックを受けそうだが、見事なすり替えで機械のつまった潮風が落ちて壊れたのだ。
ロボットオタクの女子学生でもある葉子が木村電器に就職し、今度こそは本当のロボット制作に携わってゆくのだ。だけど、二転三転。またしても発表前に壊れてしまうというオチがついた(笑)
思い出
当時12歳くらいの時におばあちゃんと2人で初めて映画館に行き、観たのがこの作品です。
その日からこの作品は自分の中でずっと1番の映画でした。
映画館に行って実写映画をちゃんと最後まで見たという実感というのも多かったと思います。
しかしあれから年齢を増すごとに何回も何回も見てしまい、19になった今も面白いと感じます。
3人組のメンバーがまるでお笑いトリオのように見えて、そこに加わる自己中のおじいちゃん。
自分にはおじいちゃんがいないのでおじいちゃんの一つ一つの行動に興味があって、それも面白く感じたのだと思います。
12の頃はただのコメディ映画として見ていたのですが、年齢を増すごとに何度見てもあまり好かれないおじいちゃんがロボットの格好をして家に乗り込んで、帰った時に孫がもしかしておじいちゃん?となるあの瞬間、思い出すだけで泣けます笑
おじいちゃんは孫にあのロボットはおじいちゃんなんだよと散々言っていたのにいざ家に上がり込んだときにはネタバラシをせず、まるでマスクをしたヒーローのような、あのシーンは最高ですね。
当時1番驚いたのは記者会見で追い込まれたのですが、おじいちゃんが別のロボットを窓から落として自分はロッカーに入り、なんとかやりすごすというシーンは、おじいちゃんがあの3人のことを考えてした行動の中では1番素晴らしいことで、最後に吉高由里子さん含めた4人でおじいさんの家に押しかけて頼むというのは続きは!?続きは!?と当時思いました。
本当に楽しい、感動もあり、笑いもあるという誰にでもわかりやすく面白い映画です。
私はあれからやりたいことを考えた結果、映像系の学校に進み、今は役者を目指しております。
そうなれたのもこの映画のおかげだと思っています。
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自宅(CS放送)にて鑑賞。矢口史靖脚本・監督。五十嵐信次郎ことミッキー・カーチスが人間味溢れる“鈴木重光”をイキイキと熱演。特に途中何度か登場する無理矢理、厭々乍らと云う表情が佳く、表情の変化はラストシーンで活かされている。“佐々木葉子”の吉高由里子も良さが引き出されている。厭きさせない物語の展開や構成が巧みで、ラストの後味・着地点も良い。よく練られたシナリオだが、ややダレ気味に映る中盤に難があり、モウ少しツマむともっと締まった様にも思える。ただ文句無しの合格点で、充分愉しんだ。70/100点。
・レトロ的な“ロボジー”の造形・デザインも印象深く魅力的。“五十嵐信次郎”名義ミッキー・カーチスによるスティクスの完コピに近いナンバーが流れるスタッフロールも楽しい。
・鑑賞日:2013年5月12日(日)
笑顔
ミッキーさんは髭がないと少し違って見えますね。
冒頭の徹夜明けの作業からのロボットが暴走し窓から落ちていく姿はブラック企業を風刺してるのかと思ってしまったけど、最後のシーンの為だけだったのかな?
オーディションを受けにきていたダンボールでゴミ収集車にトランスフォームした人は普通に欲しいと思ってしまった(笑)
詐欺の片棒を担がされだと怒っていた鈴木さんが工場の皆んなの沈んだ顔を見て、しょうがねえなって感じで助けてあげる姿がなんか好きだった。
落ちもなかなか好きだ、最後の笑顔が素敵。
クスッと笑えるシーンもあったり面白かったです。
コメディの中にヒューマンドラマをみた気がします。
ほっこりする
大好きな濱田君出てるし、私矢口監督の映画好きなのですね。
ブッキー好きになった理由ウォーターボーイズ見てだったし♡
でもこの映画の一番は、
やっぱミッキーカーチスです!
最高でした。
最後どうなるんだろう?
ばれちゃうの?どうなの?
ってソワソワしながら見てたけど
やっぱり矢口監督、終わり方もツボだわー。
何気にエンドロールのイラストがめちゃくちゃかわいかった。おすすめ。
悪くはないけど
特別良くもない。
昔ロボットおじいちゃんのアニメがあってないよう忘れたけど面白かった印象があったので少し引っかかって見てみた。
あんまり印象に残るシーンも無いけど、大学の講義に行って適当に質問をはぐらかしてる内に学生の妄想で設計できそう!な展開はちょっとだけ良かった。
やっぱり、矢口監督好きだなあ
家で1人でDVDをみていたのだが、おもしろくて笑ってしまった(笑)
始めは、ただ楽してる人たちなのか、と思っていたけど、後半は、ちゃんと努力して、実際にロボットの知識をつけて作っていくところがグッときた。個人的に、あの三人組がすごく好き(笑)
矢口監督の作品のおもしろさは毎回期待を裏切らない。
次の作品にも期待!!!
斬新な切り口で高齢化社会を描くイイネ♪d('∀'o)
まずミッキー・カーチスを主役に据えるという快挙を成し遂げたことでもうこの映画は勝ちΣd(゚∀゚d)イカス!
今の最先端技術の象徴であるロボットと、古い時代を生き抜いてきた老人という「水と油」な組み合わせ。
ところがロボットの動きは老人の動きと瓜二つという、正に灯台下暗しな事実を目の当たりにすることで、この両者が見事な形でフュージョンしてる(・∀・)イイ!!
2足歩行のロボットを開発するよう社長から命じられた3人のエンジニアは、一応曲がりなりにもロボット「ニュー潮風」を作るが発表1週間前に大破。
そこで発表に間に合わせるようにロボットの中に入る人を募集して、72才のおじいちゃん鈴木さんが選ばれる。
当然人間が入ってるわけだから、とてもロボットとは思えないような見事な動きをするわけで、それが日本中で評判になるΣ(゚Д゚ノ)ノオオォッ
吉高由里子扮するロボットおたくの女子大生は、その発表会に来てて転倒したことろニュー潮風に助けてもらってニュー潮風に恋をする(;・∀・)
鈴木さんは奥さんに先立たれ、息子夫婦や孫はたまにしか訪ねて来ないし、寂しい老後を送っていたが、この仕事をやるようになって途端に大忙し(゚∀゚)アヒャ
後に引けなくなった3人は、ことあるごとにニュー潮風に入る鈴木さんに依頼をするが、どんどん鈴木さんの要求はエスカレートして、どんどん勝手な行動を取るように・・・
日本中でイベントを行い、ニュー潮風はどんどん有名になってく。
しかしマスコミも怪しいと思い始め、尾行して鈴木さんの家を突き止め、吉高由里子も騙されたと分かって怒り心頭に達する!!!
もう極端から極端に走る狂気染みた演技力はさすが!!Σd(゚∀゚d)イカス!
ニュー潮風に恋をして、ニュー潮風が行くところ全てについて行ってたのが、人間が中に入ってたと分かってからは自分の恋心を弄ばれた復讐に燃えて目を血走らせながら真相を暴こうとするガクガク((( ;゚Д゚)))ブルブル
でもカメラを家の前の道路に仕込んでる際に転倒してしまい、たまたまそこを歩いてた鈴木さんに再度助けてもらって、人間の温かさや優しさを知る。
この流れも正直安直過ぎるとは思うけど、ニュー潮風に手を引っ張られて助けてもらったシーンと対比になってて(・∀・)イイネ!!
あと孫を喜ばせようと思って、鈴木さんはニュー潮風に入ったまま息子夫婦の家に行くけど・・・ちょっとこれは無理があるしやり過ぎじゃないかと(;´∀`)
それでも孫も「ニュー潮風が来た~ワァ──o(。´・∀・`。)o──ィ♪」なんて両手話で喜ぶか????
お母さんだっておかしいと思うだろ~ヾ(゚Д゚ )ォィォィ
馬鹿みたいに一家そろって小躍りして喜んでる工工工エエェェ(゚Д゚)ェェエエ工工工
一方で3人のエンジニアは、学生とロボット技術について話し合ったり色々自分たちなりに研究、勉強していくことでいつまでもこんなの続かないと思い、鈴木さんをイベントに連れて行く傍らでロボット開発に勤しむようになる。
そして鈴木さんもそれに気が付いてて、いつまでもこの生活は続かないと達観している。
そしてマスコミを前にしたニュー潮風のお披露目で、マスコミ側はインチキであることを暴露しようとするが、直前に改心した吉高由里子が邪魔をして間一髪のところでばれずに済む。
鈴木さんは元の生活に戻り、吉高はその木村電器に就職してニュー潮風を作った3人のエンジニアと一緒に新しくロボットを開発する仕事をする。
・・・と思いきや
またもや発表直前にロボットが大破してしまい、再度鈴木さんのところへ(ノ∀`)アチャー
「鈴木さん、助けてください。」
( ̄ー ̄)ニヤリ
(゚д゚)イーヨイイヨー
単なるコメディー映画と侮るなかれ!!!
確かにロボット技術は素晴らしいが、ロボットを作るのも使うのも人間であって、使い方を間違ったら恐ろしい兵器にも成り得るわけで、全ては人間次第であるという教訓があると思う。
鈴木さんは癖のあるじいさんだけど、ロボットの中に入っておいしい思いをすることはいつまでも続けられないことは分かってるし、それにじたばたすることなく流れに任せて現実を受け入れる達観した立場も、どうせならできるうちにたっぷり甘い汁を吸っておこうという老獪さ、狡猾さもあるあたりイイネ♪d('∀'o)
人間年齢を重ねることで、世の中のことや人間同士の思惑なんて予想がつくわけですな。
そして見苦しい姿も見せないのも潔いと思う。
この映画はロボット並びに最先端技術を扱ってはいるけど、その根底には人間あってこそという哲学がある。
最先端技術は素晴らしいが、それは全て人間が人間のために発展させるものだということを忘れてないけない(`・д・´)9m ビシッ!!
エンドロールに流れる「五十嵐信次郎とシルバー人材センター」が歌う『Mr. Robot』、そしてそのエンドロールに映るニュー潮風のイラストも味があって(・∀・)イイネ!!
とにかくミッキー・カーチスの渋さと、そこから語られる人間賛歌は素晴らしいもんですわ(*´・д・)*´。_。)ゥミュ
是非見て欲しい映画(゚∀゚)アヒャ
おじいちゃーん
素直に面白かった!
ほっこりしました。
キャラがそれぞれいい味でてます。
三人組も特徴あっていい。
ばれそうなばれなさそうなドキドキ感も好きです。
コスプレイベントの参加者に間違われたり、
ロボット研究の学生たちがアイデア持ち寄るとこが好き^^
鈴木さんの最後の笑顔が嬉しそうでハッピーになれました(笑)
ゴシュジンサマ・ゴハンガデキマシタ
映画「ロボジー」(矢口史靖監督)から。
久しぶりに声を出して笑ってしまった作品である。
作品冒頭、ロボットの中に入ってもらう人を探すために、
「着ぐるみショー」と偽り、オーディションを開催。
1日3万円の日当目当てなのか、多くの人が集まり、
次々と審査されていくのだが、共通のチェック項目は
「ロボットらしい動きをしてみてください」。
パントマイムよろしく、若い人たちの感性が表現された。
その中で「一人暮らしの頑固老人・鈴木」がみせた演技は
ただチョコチョコ歩き「御主人様、ご飯が出来ました」
(ゴシュジンサマ・ゴハンガデキマシタ)と
直角に固まった2本の腕と手のひらに食事を載せて、
ぎこちなく運ぶ動きだった。(笑)
そうそう、私がオーディションを受けたら、たぶん、
同じような動きをしたんだろうな、と可笑しくなった。
私たち世代がイメージするロボット(鉄人28号等)と、
若い世代がイメージするロボットとの違いは、
大きな開きがあることを実感した。
誰もが「人間が入っているのでは?」と疑っているのに
「このロボット(ニュー潮風)、俺が入っているんだ」と
素直に告白しても誰も信じてくれない。
社会における高齢者の扱いって、こんなものなのかな、
そんな視点で観たら、ちょっぴり寂しくなった。
他には「勇猛精進」と書かれた掛け軸が気になったり、
お酒の自動販売機「サカリカップ」もメモしたが、
倒れて動かなくなった時「故障ですか?」の問いに
「大丈夫です、腰です、腰」と、ロボットが腰を押さえる場面、
何気ないカットなのだろうが、私は笑いのツボにハマってしまった。
最後が
最後のロボットの招待を隠すおじいちゃんのシーンがほんとに安っぽかった。
なんていうか、結局人が入ってるつてばれなかったところは最高なのにめちゃくちゃな入れ替わりかただったからなぁ。
久々に個人プレーで魅せる矢口マジック
『ウォーターボーイズ』
『スウィングガールズ』
『ハッピーフライト』
と、団体芸で笑わせるプレーを十八番とする矢口史靖だが、金属をまとった偏屈爺さんという一人の強烈なキャラクターが周りを振り回す今作は、個人プレーの要素が強い。
スパイスに毒っ気を盛った『ひみつの花園』etc.初期の傑作を思い出し、監督自身の笑いの原点回帰とも云えよう。
西田尚美、田中要次、竹中直人、田畑智子etc.矢口映画の常連が脇を固めているのも長年のファンとして嬉しい仕掛けである。
アシモのぎこちない動きはデビュー当時から気になっていたが、最先端技術の華であるロボットの正体がヨボヨボ爺さんだったというアナログの極みを配置させ、キチンとエンターテイメント化する発想力と実行力の勝利やと思う。
アシモの中身がもし本当にFUJIWARA原西やったら…をストーリーにしたらおもろいやろなって単純なアイデアのそれ以上でも、それ以下でもではない絶妙なバランスに成り立っている。
皮肉の効いたギャグをテンポ良く注ぎ込む一方で、家族と疎遠となった老人の孤独や、嘘を突き通そうとする会社の隠蔽体質etc.洒落にならない深刻なテーマも躊躇なく盛り込み、ビターに仕上げ、笑いながら考えさせる世界観も矢口史靖やからこそ成せる名人芸技であろう。
業務すっぽかし、人を騙す事で頭が一杯なのは、ミートホープや吉兆に通ずる卑劣な行為そのものだが、嫌悪感より
「彼らも大変やな…」って同情が上回ったのは、騙す側も騙される側にも詐欺事件としての罪悪感が存在していないからやと察する。
つまり、みんなイイ人なのだ。
イイ人がイイ人を追い詰めていくのである。
せやから詐欺事件って無くならないんやろね。
苦し紛れの最たる手段ゆえ、誰でもすぐバレるのはわかりきっているため、コスプレショーの時点で物語は破綻してしまっているが、正月明けの疲労が溜まり、気楽に笑いたい今には最適な一本ではなかろうか。
オチのトリックが酷過ぎやけどね。
まあ、そういう有り得ないグダグダな味わいも矢口イリュージョンなのかもしれない。
『エンディングノート』に続いて波瀾万丈の老後を考えながら、最後に短歌を一首
『化けの皮 嘘で固めし カラクリは アタフタ前へ 骨折る未来』
by全竜
老忙爺、万歳!
予告で何度もお目にかかっていたのに(鈴木重光さんに)^^;
まさか彼を演じているのがM・カーチスだとは思わなんだ~!
五十嵐信次郎って誰よ?と思った人が多いと思うが(私もそう)
実はこの芸名、彼がずっと前から自分が俳優として活躍する
その日のために用意していた名前。奇しくも彼は俳優でなく、
ミュージシャンとして活動することを余儀なくされたので、
なかなか陽の目を見ることができなかったのが…ここへきて!
見事に爺ちゃん役をゲット!した彼。コレだから人生は面白い。
だから本作は、ロボットに入って脚光を浴びる鈴木さんと、
その鈴木さんを日本名で演じることが叶った五十嵐さんの、
幸せリンクの上に成り立っているのだ。老忙爺、万歳である。
さて…かなり評価が分かれるだろう本作。
いつも通り矢口監督はダメ人間を真っ当な方向へは導かない。
嘘に嘘を重ね(爆)平然とロボットの中に人間を入れるなんて
大それたことまでやらせる(しかも爺さんに、だ)
嘘をついて皆を騙すことが果たして成功へ繋がるのか…?と
疑問に思う余地をまるで与えず^^;あれよあれよと大人気に。。
困ったのは当人達で、一回のはずがそれで済まなくなってきて
人気に浮かれる鈴木さんをよそに、大学で勉強に勤しむことに。
ロボット工学。あぁそんな難しい分野^^;私にはサッパリだが、
今作に登場する学生さん達の、あの目のキラキラ感ときたら☆
いつも不思議ちゃんの吉高由里子が、かなりチャーミングvな
女子大生を演じる。彼女がいかに「ニュー潮風」に興味を抱き、
3人の社員にやる気を起こさせたかがとても心地良く描かれる。
これぞ嘘から出た誠。
鈴木さん、いいんだわぁ^^;
ホントそこら辺にいる、頑固一徹の、とはいえお気楽者であり、
娘や孫を気にかけつつも、うるせいっ!とっとと帰っちまえ、と
暴言を吐くクソジジイのお手本だ。そんな彼の素敵なところは、
出過ぎない。言い過ぎない。ところだろうか。監督の演出も常に
そんな感じなのだが、ストレートに強調しない部分がとても多い。
起承転結でいえば、起から結までが異様に長く^^;ダラダラする。
結で感動させるのだから、じゃあ承転も力を入れればもっと良い
映画になるかもしれないのに敢えてそうしないところが謎である。
おかしな行動をとる鈴木さんに「ああはなりたくないわね」なんて
老人仲間が陰口を言うのだが、そこら辺はすんなり下がる。
孫に逢うのも自分の偉業は明かさず、あくまで夢に沿い合わせる。
五十嵐さんの嬉々とした表情がロボットに見え隠れするのが愉快。
おそらくはこんな風に描いておいて、ロボット技術における未来や、
老人介護の明日、なんてものをサラリと言っているのだろう。
転んだ人ににサッと手を差し出せる人間が今どれくらいいるだろう。
どんな悪態をついていても、培われた人の良さは絶対に変わらない。
彼女(吉高)は鈴木さんの人間性(その動き)に惹かれちゃったのね。
エンドの「ミスター・ロボット」は私世代にはとっても懐かしい名曲。
1983年のスティクスのヒット曲、歌詞に使われた日本語が流行って
当時の日本のファンが喜んだ。…ドモアリガット、ミスター・ロボット、
ヒミーツを知りた~い♪←こんなこと言ってたわね、確かに^^;
それを今回(もちろんミュージシャンの顔を持つ)五十嵐信次郎が、
シルバー人材センターの皆様と共に高らかに歌い上げるのに感動!
最後のオチでニヤリとさせ、ラストの音楽で嬉しくなる不思議快作。
(ニュー潮風なんていう洗濯機なかったっけ?あれ、うず潮だったか)
なんだかなぁ・・・
えっと…
大体の笑いのポイントは予告編で全てバラしてるのはどうなの?
だから予告で流れる笑い以上のもんがないのよ!
竹中直人のシーンって予告でやる意味あったの?
だってあのシーンって高い金額払って映画見に行く我々の特権ちゅーか
ご褒美的なもんじゃねえのかよ!
予告編以上の事がおきない映画ってなんなんだよ!
せっかく偽ロボットって言う面白い素材があんだからさぁ…
そもそも、監督のロボットに対する愛着の欠片もねぇのよ
吉高由里子が「ロボット馬鹿にしやがって」みたいな台詞を言うが
そっくりそのまま監督にお返しします。
新鮮味が…
ストーリーに新鮮味がなかったかなぁ。役者さんは皆良かったけど…。
お感じの方もいらっしゃると思いますが、クライマックスの記者会見の場面は、アイバン・ライトマンの「デーヴ」の雰囲気ですね。
機会があれば、観比べてみてください。
そこそこ面白かったけど、消化不良。
矢口監督なら、もっと面白くできた気がします。消化不良な印象。点数をつけるなら、
65点くらいでしょうか。
今回の作品の流れなら、「お爺さんと娘家族の関係改善」「城東電気三人組の成長」を通して
最後には「それぞれの再出発」に繋がるものだと思っていました。
だけど、その3つが全部中途半端なまま終わってしまった…。
もっと、グッと心に迫る展開にもできたんじゃないかなぁ。
味わい深い作品
この作品の劇場予告を見たのがちょうど「リアル・スティール」と同時期だったので、その落差に思わず「何で今更“こち亀”ネタなんだよ!」と心の中で叫んでしまった。そのためもあってあまり良い印象は持っていなかったが、映画ファンとしての最低限のモラル「まず自分の目で観てから発言すべし」と思って劇場へ足を運んだ。結果としては自分が思っていたのとは違い、ロボット偽装がテーマの軽いコメディーではなく、なかなか味わい深い内容の作品だった。
中小企業が人工衛星を作った東大阪市の「まいど1号」の例があると言っても、ワンマン社長がいきなりロボット工学もAIも知らない社員に、たった3ヶ月で人型ロボットを開発させると言うあまりに現実離れした設定は、いくら何でも受け入れがたいが、こうしないと老人が中に入るというストーリーが成り立たないので、ここは割り切らないと仕方がないのだろう。
この作品を観て自分が感じた一つは、老人問題がテーマではないかということだ。
ミッキー・カーチス改め五十嵐信次郎さんは、妻に先立たれ娘一家との折り合いも悪く、地域のコミュニティにもなじめない、やや偏屈な独居老人をリアルに演じて実に名演である。この鈴木老人が何もすることがなく、居眠りをしたりテレビを観たり公園で時間をつぶしたりしているのは、定年を数年後に控え、それ以後の居場所や生きがいを考え始めた自分にとって、実に身につまされる場面だった(明日は我が身かも)。
そんな孤独な老人がロボットに入ることで自分が必要とされる居場所を見つけ、共に(褒められるものではないにしても)目的達成に協力する仲間を得、間接的にではあるが娘一家にも自分の存在感を示すことができた。そんな経験の後老人は地域コミュニティにも溶け込む姿勢を見せ、人は人の中でこそ生きることを実感させてくれる。
そしてもう一つ感じたことは、日本のロボット開発に対するその暖かいまなざしと期待感である。ロボット展示会での各社のロボットの描写はもちろんだが、吉高由里子扮する「ロボガール」とも言うべき葉子を筆頭とする、ロボット大好き学生の描写にそれが表れている。自分も若いときはSF・特撮のファンクラブに入って駄文を書いたりしていたので、「好き故に欲得抜きでとことん打ち込む」という心情は理解できるし、多分現実にもこんな人々は存在するだろう。そんな中から実際にロボット開発に携わる人も出てくることも十分あり得る。
ただこのラストにだけは正直違和感がある。ロボット愛溢れる優秀な技術者が作ったのだから、こんな安易な扱いで壊れるようなことをするのは納得できない。
自分の好みとしては①ロボットのお披露目会に鈴木老人(とその娘一家)が招待される②その老人の所へロボットと葉子達4人がやってくる③ロボットがフェースプレートに手をかけ老人が驚く④ロボットがフェースプレートを開けて内部メカを見せ、老人と握手する。⑤その後ろで4人が握り拳に親指を立てたポーズで満面の笑みを浮かべる
みたいな方が好みだったが、所詮これは自分の勝手な思いでしかない。
とにかく自分と同じく「こち亀ネタか?」と思っている人には、是非観て欲しいと思う。一見の価値はある。
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