金子修介監督作品だったので、近くのイオンシネマで上映していたので『DEATH NOTE』見たいな展開を期待して見にいきました。
けれども低予算のアラが全開の駄作ぶりに、本当に途中ででていきたくなったほどでした。
安っぽい学園ドラマが突如として、SFアクションに変位してしまうのは、余りに
唐突過ぎます。たぶんお金をかけられないなかで、世界は北方連合と東連邦に分かれていて、その争いが行われているという設定が、リアルに描けず、劇中のニュース画面の中でさらりとお茶を濁したことが大きいと思います。そのため全然この作品が抱えている世界観が腑に落ちてきませんでした。
『DEATH NOTE』の世界観がもしナレーションで片づけられてしまったら、すごく興ざめすることでしょう。ましてや二つの連合のスパイの一人が舞台となる高校に入り込んで暗躍するという設定なら、二つの連合の対立の背景とか戦闘場面を大迫力のパノラマとして描く必要があったと思います。
SFものとしては第一級の監督、そしてイケメンぞろいのキャスティングを並べても、製作費のチープさはいかんともし難いもの。全て学園のなかのロケでは、いくら金子監督でもやりようはなかったと思います。まぁ、それでもせめて脚本くらいもう少しまともなレベルを用意できなかったものでしょうか。
ストーリーの前半は、そんなスパイアクションなど微塵も感じさせない学園ドラマ。鋭利は、自由闊達な性格で、校則遵守を徹底させようとする生徒会役員たちと対立するという至って既視感たっぷりの展開。クラスメートの文和とは、余りに親密になりすぎて、これは同性愛の物語かと勘違いさせるほどでした。
ところがテロリストとして追われている文和の兄朝和が出現してからは、一気に鋭利はサクラとしての本性を発揮はじめ、学園に巣くう北方連合のスパイと対峙するというもの。特命をうけた政府の警察機関のエリート集団さくらがこの高校へ潜入してきて捜査していると言うわりには、前半の軟派な学園ドラマパートが災いして、嘘っぽさが漂いまくっています。いいところ、レンジャーヒーロー物のノリといったところでしょうか。
アクションも個人技としては各人見せていますが、演出が全然なってません。いったい金子修介の力量はどこに行っちゃったのやら(^^ゞ
サクラが追っていた北方連合のスパイの正体がネタバレされるとき、余りのあり得なさに苦笑してしまいました。