劇場公開日 2012年9月21日

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ロック・オブ・エイジズ : 映画評論・批評

2012年9月11日更新

2012年9月21日より丸の内ピカデリーほかにてロードショー

本筋と主役以外のキャラクターがやたらと面白い

アメリカン・ドリーム。ボーイ・ミーツ・ガール。ロックンロール。物語の本筋はこの3題から誰もが考えつくような陳腐さ。スターを夢みる主役のふたりは実力こそ申し分ないが、まるで垢抜けずテレビスターっぽい。しかし、この映画がつまらないかというと、そんなことはない。なぜって主役はロックだから。1980年代ロサンゼルスという時代の空気が生き生きと描かれているから。しかも、本筋と主役以外のキャラクターがやたらと面白いからだ。

冒頭の長距離バスシーンは同じシャンクマン監督の「ヘアスプレー」の圧倒的な幕開けと違い、ミュージカル特有の違和感を覚えさせるものかもしれない。しかし、ここさえクリアすればやがてロックが弾けだし、ライブ感が違和感を凌駕する。泥臭くて品性には欠けるがパワーがあふれていた時代のアメリカン・ロック・スピリット。そして、トム・クルーズ

落ちぶれかけたカリスマロックスター、ステイシー・ジャックを演じるトムは、脇役を演じた「マグノリア」や「トロピック・サンダー」と同類のアクの強さや狂気をまとっているのだが、違うのは脇役の域を超えほとんどメインと言っていい存在感。歌もうまい。腕の筋肉に浮かび上がった血管が、パフォーマンスの熱さが、おそらく本人の狙い以上に笑える。さらには見栄っ張りの銭ゲバビッチ役でゼタ=ジョーンズが思いっきり本領を発揮するし、ボールドウィンブランド、カメオ出演のスターたちも驚かせてくれる。拳を振り上げる以外にも、いろいろな楽しみ方が見つかるロックミュージカルだ。

若林ゆり

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