「男達の復讐、策略の果てには。」アウトレイジ ビヨンド りりーさんの映画レビュー(感想・評価)
男達の復讐、策略の果てには。
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日本で有名なやくざ映画といえば、「仁義なき戦い」。
その名脚本家は、北野作品のシナリオの弱さを指摘したそうだ。
それに応えるかのように、この「アウトレイジビヨンド」は、脚本をとても丁寧に練ってあると思う。
無駄な脇筋は、極限までそぎ落とし、次から次へと起こる復讐や策略や暴力の連鎖が見事。
でも、警察関係者の登場が、片岡にすべてをもっていかれあまりに少ない。
あれだけ、拳銃をぶっ放して殺人を犯しているのだから、もう少し絡んできても良いのではないか。
下剋上でのし上がった者は、少しの猜疑心で簡単に窮地に陥る。
自分が裏切ったということは、他人も自分を裏切って当たり前なのだ。
その猜疑心が、疑心暗鬼が、次から次へと殺しと報復の連鎖を起こす。
その繋がりが見事。
女性の登場は、たったの二人だけ。
しかも、写真とほんの少しの場面だけ。
あとは、男と男と男たち。
自分の利益と延命にひたすら駆けずり回る加藤と石原には、無様な死が待っている。
良い人に見えてくる木村には、すっきり綺麗な死が。
でも、その顔には、醜い十字の線がくっきりとある。
殺らなきゃ、殺られる。
そんなどん詰まりの世界で繰り広げられる、男達の威信をかけた駆け引き。
でも、これって、拳銃を使わなければ、社会、又は会社の中で起こっても不思議じゃないよね。
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