劇場公開日 2012年10月6日

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「操られ系ヤクザ、大友。」アウトレイジ ビヨンド ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0操られ系ヤクザ、大友。

2012年10月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

興奮

んー、ビートたけし扮する大友の活躍の少なさにちょっと物足りなさを感じましたね。
前作に比べると、物語としての複雑さも構造の入り組み方も明らかにパワーアップしてるんですけどね。
何ていうか、今回は「大友」周囲の暴力事情よりも、組織と組織の潰し合い、水面下で動く警察サイドの描写に重き置いちゃってるというか、罵声とバイオレンスが大人し目の印象でした。
ダイアログが増えたってのは分かるんですけど。何だろう、淡々としてるというか。
そこがちょいと拍子抜けつーか。

いやいや、だからって決してつまらなかった訳じゃないんですがね。
大友の出番がそうまで多くない分は、他で補ってくれたので。
ビートたけしの「バカヤロウコノヤロウ」が減った分、今度はきっちり塩見三省の「なんじゃワレただじゃおかへんぞコラ」で罵声成分補充できたしw

で、出番が多かろうが少なかろうが、このアウトレイジシリーズ(多分三作目あるからシリーズって表現しちゃいますけど)って、前作もそうだけど、結局は大友って不憫なんですよねぇ。
アクも抜けちゃって本当ヤクザやめたがってたのにねぇ。

まその大友にしたって骨の髄まで悪党な訳ですよ、本来は。なのに、この世界だと随分な常識人に見えてくるから不思議というかね。
「山王会」の栄枯盛衰も、結局はまた別の組織「花菱会」の策略、権謀術数で以って『裏切り』『出し抜き』『騙し合い』の連鎖が全く途切れない訳じゃないですか。
そして、その渦中で、大友はいつまでたっても誰かの思惑に振り回されて、手駒の如く操られるっていう。

そこでの、あのラストですよ!最後にキメた大友の意地。

俺は操り人形じゃねえよバカヤロウ!的な強烈な意思表示。アピール。
ここでの暗転。幕。シビれましたねぇ。
前作でのオトシマエ、全てキッチリ付けてくれました。

んー、やっぱ何だかんだで面白かったぞコノヤロウ!

ロロ・トマシ