ミッドナイト・イン・パリのレビュー・感想・評価
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古き良き時代
黄金時代はいつ?
憧れのパリ。
美しくもグロテスク
ウッディ・アレン監督作品は、本作以外に『アニー・ホール』を観賞しました。独特すぎるほど斬新な演出に目を丸くしましたが、気がついたら夢中になっていました。そんなアレン監督が手がけた美しくもグロテスクな物語(だと私は感じました)。
どう表現すれば良いのか分かりませんが、要は夜になると、主人公はヘミングウェイやピカソが生きていた時代にタイムスリップしてしまうのです。そこである女性に恋をし、婚約者と彼女の間で悩み苦しむという何とも贅沢な話。
こう書くと、本作がラブストーリーのようにみえますが、僕は単なるラブストーリーではないと思っています。むしろ一番に描かれているのは、"過去への憧れと現実"です。過ぎ去ってしまったものへの執着心、これは形を変えながら今でも多くの作品で描かれています。冒頭でグロテスクと表記した理由は、これにあります。ネタバレになるので詳しくは書けませんが、"過去への憧れ"ほど怖いものはありません。最悪の場合、現実を忘れます。現実を忘れるとは、すなわち"死"です。本作は、まさに過去に殺される人物も描いているのです。それをラブストーリーという形でオブラートに包んでいるとでも言いましょうか。そういう面では、とてもグロテスクな作品だと思います。
星月夜
おとぎ話だね
小説家志望の主人公が、婚約者と旅行中のパリで、不思議な体験をするというファンタジー物語。
舞台がパリで、過去の偉人との出会いがあり、なんとなく大人で、おしゃれで、知的なストーリーに思えてしまうが、本質的には現代的おとぎ話ではないかと思われる。
そのため、ストーリーに緻密さや高尚さを求める人には、映像美以外は印象が残らないかもしれない。
しかし、ロマンチストであったり、子供心を残していたりする大人であれば、物語に散りばめられたロマンスや皮肉を感じ取り、なかなか楽しめる映画だと思う。
黄金期を体験してみたいという、ロマンチストの心をくすぐる良作だと思う。
面白いけど、残念。
うーん…ちょっと期待ハズレかな。現代と1920年代のパリを行き来する設定は面白かった。そして小説家の主人公が、20年代の芸術家である、ヘミングウェイやダリらと出会うのもとても面白い。しかし、どうもググッとこないのだ。現代をつまらないものにして過去を楽しいものにしている。だから婚約者との旅行もつまらないし、20年代の女性(アドリアナ)と一緒にいる時間は楽しい。その演出がこっちにまで響き過ぎて、現代のシーンがつまらなくなってしまった。知識人ぶってる男という自分の最も嫌いな人種まで出る。だからこそつまらないのではなく、不思議な…ググッとこないように感じてしまった。オチのつけ方はそれだけの演出があるので上手い。さらに言えば、過去に憧れる人間を上手く説いている。確かに言われてみればそうかもしれないな。
ってか、エイドリアン・ブロディどうしちゃったの?!笑
ウディ大好き
歴史とパリに
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