ミッドナイト・イン・パリのレビュー・感想・評価
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大人のためのお伽話
車に乗ってタイムスリップ
パリに、1週間よりは1ヶ月!
古くはデュヴィヴイエ監督の
「パリの空の下セーヌは流れる」等の
パリ賛歌の映画は多く、
この作品も冒頭からパリ賛歌を
ムンムンさせているような印象だ。
NHKBS放映を機に3回目の鑑賞。
本来はタイムスリップ物は
リアリティ欠如の最たる物語なので
好みの映画は多くはないのだが、
何故かこの作品については
徐々に好きになってきてしまっている。
リアリティ欠如はどこへやら、
ライト感覚で、主人公憧れのパリ世界へ
観客をも魅入らせる見事な脚本に思える。
ウディ・アレン作品も随分観たが、
ストーリー性に重点を置く作家ではないので
正直各作品を詳細に覚えてはいない。
また繰り返して観てみようと思うことも
それ程なく「インテリア」は改めて、
と思っている位だったが、
この作品を契機に、また改めて彼の作品を
再鑑賞しなくてはとの誘惑に駆られた。
この映画では懐古主義の主人公に合わせ、
彼を過去のパリの世界へ連れて行く。
そして、更なる過去への
ノスタルジーの連鎖反応的展開も見せたが、
アレンの確たる想いは時代に限定されない
パリそのものに対してなのだろう。
それにしても、100年以上も前の場面でも、
セットではなく、ロケで撮影出来る
パリの雰囲気は素晴らしいの一言だ。
私も観光旅行で、
パリに1週間滞在したことはあったが、
出来たら1ヶ月程で良いので住んでみたい
との気持をかき立てられた作品でもあった。
2021.10.26追記
NHKの“100分で名著”を見ていて、
ヘミングウェイの「移動祝祭日」の
登場人物に似通っていたので調べると、
そもそもが、
この書籍をもとに製作された映画とのこと。
是非読んでみなくては!
真夜中のパリに魔法がかかる
あの頃は良かった
主人公ギルは憧れの1920年代へ迷い込み、そこで魅力的な女性アドリアナと出会う。1920年代はギルにとっては黄金時代だが、当代のアドリアナは更に昔の1890年代こそが黄金時代だと言う。二人で1890年代へ迷い込むが、アドリアナはこの時代に残ると言い出す。これがきっかけでギルはこれまでの自分の行いが逃避であった事に気付き、きちんと現実を見て前へ進んで行こうとします。
ギルの憧れは逃避でしたが、アドリアナの場合は逃避というよりは自分探しであったように思います。迷い込んだ1890年代で“愛人”としてではなく、“服飾家”としての自分を必要としてくれる事が嬉しく、ようやく自分の居場所を見つけたと思えたのだと思いました。
どの時代の人もそれぞれに悩みを抱えていて、遠い“あの頃”に思いを馳せていたというのが面白かったです。昔の事は美しく見えるのでしょうか?それとも、当代の人はその時代ならではの良さに気付けないものなのでしょうか?コロナ時代の今も、あと100年くらい経てば“あの頃は良かった”と言われるようになるのだろうか...
夢物語
いつの時代でも懐古厨はいるんだね
雨の夜とパリのロマンチックファンタジー
「カイロの紫のバラ」のパリ版のような、ウッディ・アレン監督らしいファンタジー。
恋人の親、特に母親がウザすぎて笑った。結婚するということはあの母親ももれなくついてくる感じなのに、美人の恋人と結婚できるというだけで舞い上がっている主人公。他にも色々と見落としていて、男性だけど夢見る夢子だったw。まあ、だから夢見る時代にも行けたのかな。
ちょっと心寂しい夜に、こんな空想したら楽しいだろうなというような映画。
総じて、軽めでツッコミどころがあっておしゃれで楽しめた。
woody allenの映像って鮮やかで幻想的
ダリとかヘミングウェイとか出てきてうぉ!役者ってわかってるけど熱く世界観語ってる!感激ぃ!ってなった!
やっぱり歴史で語り継がれるのはその時代の良かったこと悪かったことのハイライトだもん。みたことない時代に想いを寄せるのは当然のことなのでは。私も自分の父親が語るバブルの時代を羨ましく思うしみてみたいもの。
ギルがタイムスリップ先でアドリアナに胸を高鳴らせてるのみてフィアンセがいて何しとんねん!とイライラしていたけど終盤にそのフィアンセも浮気してたことにお前はもっとひどいことしてたんかい!とイライラはなくなり。
woody allenの映像って街の明かりとかお洋服の色とか鮮やかで楽しいな。もっと他の作品を掘り下げてみたい。
現在に不満は付きもの。憧れの時代にタイムスリップしたら、その時代を...
フランスは人を開放的な気分にさせるのか
TO LIVE IN THE MOMENT
皆殺しの天使
単なるフランス観光映画かと思っていたら、とんでもない方向に向かってしまう。今まで観なかったことが悔しくてたまらない思いにもなったのですが、最近見た『皆殺しの天使』(1962)のおかげでルイス・ブリュエルにプロットを教えるシーンには大爆笑!ネタ的にはBTTFみたいですが、マニアックな作品でもあるので、その辺りはウディ・アレンらしさが出ていた。
簡単に言ってみればタイムスリップもので、フィッツジェラルド夫妻、ヘミングウェイ、ピカソ、ガートルード・スタイン、コール・ポーターなどなど有名人がいっぱい登場する。深夜12時の鐘とともにクラシックカーが現れ、飛び乗るオーウェン・ウィルソン演ずるギル・ペンダー。彼の書こうとしている小説の主人公も懐古趣味の店を経営するので、雰囲気はぴったりだった。赤みがかった映像も過去にスリップすると古びたフィルムのようにさらに赤みが増すというのもオシャレだ。
ピカソやモディリアーニ、ヘミングウェイとも愛人関係にあったアドリアナ(多分架空の人物:マリアン・コティヤール)に惚れてしまったギル。婚約者イネズ(レイチェル・マクアダムス)のことも愛していたけど、2人とも愛することはできるんじゃないかと楽観的に考えてしまう。時代が違うからどうのこうのと。友人ポールとも親密になっていたイネズのことが心配にならない時点でアウトですけどね。
過去から過去へ。ベル・エポックの時代。懐古主義も度を過ぎると、どんどん過去が良くなって見える。しかし、医療の問題など未来には確実に便利な面がある。ギル以上に懐古趣味だったアドリアナに愕然・・・馬車の登場もgood
笑いの要素と英米文学の歴史、美術史を楽しむ作品。相変わらず政治ネタもあるし、プロットよりも細かなところに笑ってしまう。探偵もブルボン王朝まで行ってしまったみたいだし、オチもしっかりつけているところが凄い!レイニーデイを観てこの作品を思い出すのも致し方ない。
パリは麗しい~
誰かに勧められて借りて観た。
パリの観光案内かと思わせるような、美しく麗しいパリの風景。
芸術の都チックな切り取り方で、映像だけでも見ごたえありそう~
なんて見始めたら、なんかこのセリフの多い映画の感じ、観たことある・・・
そうだ、監督がウディ・アレンなんだよね。
主人公は本人かしらん!?なんて想像しながら観るのも面白いかも。
超シャレオツなバック・ツー・ザ・フューチャーか!?
そして得られたものは・・・
全編美しい映像で音楽がノスタルジックで素晴らしい。
いつかまたパリを訪れたい。
パリに+0.5★
40年前とは変わっているとしても、おおよそ残しているであろうフランス人って、凄いわ。
日本とは文化の違いを感じるわ。
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