「ウッディ・アレンの俺様劇場」ミッドナイト・イン・パリ 小二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
ウッディ・アレンの俺様劇場
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小説家志望の男(もう若くないやや中年)がパリにやってきたら…というお話。
「ボク、夢があるんだ!今の仕事辞めて小説家になるんだ!!」
なんて突然男が言い出したら、たいていの女は
「はあ?何言ってんの?それで成功出来るの?お金になるの?もっと現実見なさいよ」と思うだろう。
それに対して男は「いつだって世間はボクを理解してくれない!ボクって孤独!!」と拗ねる。めんどくさいことこの上ない。
で、拗ねて向かった先はノスタルジー溢れる1920年代のパリ。
タイムスリップした先では、当時の有名人たちと楽しくパーティー。麗しきパリの姐さんとも懇ろになり、さらには有名著作家に自分の小説の添削までお願いしちゃう。
なんて都合の良い話なんだ!!!!!
そう、いつだって男というものは自分に都合のいい夢をみる。
若くなくても夢をみる。
オレの才能、趣味の良さ…いくつになっても信じてたい。
ボギーやジェームスボンドよりオレの方がカッコイイと思ってる。
オレの良さを理解してくれる女性がいつかきっと現れるはず…。
男のそんな愚かさ可愛さを、どうか笑って許してくださいなと、ウッディ・アレンは映画を差し出す。
夢や感傷に浸った監督自身のアイロニー。
嘲笑するもよし、自分の身に置き換えて苦笑するもよし。
ただただ夢の素敵さに浸るもよし。
ウッディ・アレンの俺様劇場…観客にとっても苦くて甘い夢のひとときでした。
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