「幻想とノスタルジー。」ミッドナイト・イン・パリ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
幻想とノスタルジー。
男というものはまったく夢見がち…なんてよく言うけれど、
いえいえ女だって夢しか見てないようなタイプはいますよ。
ホラここに…^^;などと言ってみる。
だいたい映画好きが夢を見れないでどうする!
絶対起こりそうもない出来事が起こるから映画は楽しいのだ。
自分の人生と比べて云々…という理屈では成り立たない。
女は確かに超現実的(これは生きる上でそうなってくる)だけど
決して夢を見てないワケではないのだ。叶いそうな夢を選んで
実現させている…だけ。そう、小さなことからコツコツとねぇ^^;
初めからドン!とデカい夢を据え置いてしまう男性の威力と
先窄みになっていく儚さを目の当たりにしたおかげで?
ギャーギャー煩く言ってしまうのが女。だけど夢なんて結局、
叶う叶わないことより、抱いているのが楽しいんだけどね~。
で、1920年代のパリ。いいですねぇ~♪
なんかもう出てくる著名人が面白すぎて^^;笑えるのなんの。
呆気にとられつつ会話を楽しもうとする主人公の熱意も素敵、
文化とオシャレとコメディがそつなく混ざり合った極上舞台。
W・アレンお得意の分野という感じですねぇ。
ゲージュツに理解ある相手を選ぶなら、ゲージュツ家の愛人
の方が確かに手っ取り早いかもしれないけど(爆)
同じ部分で笑い合い、涙し、理解し合えるのは本当に大切。
だけど根本的には赤の他人なので多少のズレはあるワケで、
それを補い合える相手でないと、ムリが長じてやがて壊れる。
自分が一番大切に思うものが何であり、それをどうしたいか、
その流れにスッと乗ってきてくれるヒト(爆)が一番お似合い。
劇中で「おっ?」と思う出逢いがあった。
おそらくそうくるんじゃないかと思ったら、本当にそうなった^^;
過去の栄光や栄華に対して、稀代の輝かしさを感じるこの頃。
あの頃は~だったなぁ♪あの頃の映画は良かったのにねぇ~♪
なんていう常套句を最近頻繁に使うようになった。
ノスタルジーに浸るにはもってこいの年齢になってきたってこと?
だから今作も自分にスッと入ってくるんだな…と思える。
しかし過去で生きることはできない(実際には)から、
現実世界で少しでも^^;心地良く生きていこうと思うのが人間。
パリの幻想は(短い上映時間内で)こんなに幸福にさせてくれる。
(やっぱダリ~♪がかなり面白かった。ヘミングウェイ格好良すぎv)