劇場公開日 2012年5月26日

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「あの頃は良かった」ミッドナイト・イン・パリ セロファンさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0あの頃は良かった

2021年8月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

主人公ギルは憧れの1920年代へ迷い込み、そこで魅力的な女性アドリアナと出会う。1920年代はギルにとっては黄金時代だが、当代のアドリアナは更に昔の1890年代こそが黄金時代だと言う。二人で1890年代へ迷い込むが、アドリアナはこの時代に残ると言い出す。これがきっかけでギルはこれまでの自分の行いが逃避であった事に気付き、きちんと現実を見て前へ進んで行こうとします。
ギルの憧れは逃避でしたが、アドリアナの場合は逃避というよりは自分探しであったように思います。迷い込んだ1890年代で“愛人”としてではなく、“服飾家”としての自分を必要としてくれる事が嬉しく、ようやく自分の居場所を見つけたと思えたのだと思いました。

どの時代の人もそれぞれに悩みを抱えていて、遠い“あの頃”に思いを馳せていたというのが面白かったです。昔の事は美しく見えるのでしょうか?それとも、当代の人はその時代ならではの良さに気付けないものなのでしょうか?コロナ時代の今も、あと100年くらい経てば“あの頃は良かった”と言われるようになるのだろうか...

セロファン