「みーんな夜更かし!」ミッドナイト・イン・パリ MAPLEさんの映画レビュー(感想・評価)
みーんな夜更かし!
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まず、婚約者が冷たすぎて、なぜ婚約まで至れたのか不思議。
絵画の全盛期だった頃は、サロンでの芸術家同士の交流が盛んだったってよく聞くし、美術館の説明では芸術家の交友関係がよく示されているけれど、それを映像化したらこうなるんだなぁ〜という内容。
パリを背景に、友達どうしが集まって仲良くしながら、それぞれが好きな物を描いたり書いたり作ったり弾いたりしていて、とっても楽しそう!
主人公はそこに古いプジョーで迷い込んでは、ヘミングウェイやピカソに出会って、アドリアナからモディリアーニの話を聞いたり、フィッツジェラルド夫婦の妻の気まぐれに驚いたり、コールポーターのピアノを聞いたり、ブニュエルに皆殺しの天使の助言をしたり、ガートルードスタインに小説の助言を受けたり、サイの話をするダリやマンレイに会ったり。
でも、アドリアナは更に昔に憧れている。ロートレックやドガやゴーギャンや。ピカソはゴーギャンと交友があったとは聞くけれど、ロートレックを尊敬していたなんて色使いや画風が違いすぎるから面白い。でも、彼らは更にミケランジェロの頃に憧れていて。
懐古主義はいつの時代もあるけれど、結局は今だねとなる。
その現代では、当時の芸術について知ったかぶりの批評をインテリ教授でもしていて、それをお金持ちの上流層が信じていて、でも実は違うことってたくさんあるんだろうなと思った。
パッケージからゴッホをイメージしていたけれどゴッホはなかった。モネは出てきた。
観光とはまた違う、歴史と芸術が積み重なってできあがった文字通り、絵になるパリの街を存分に味わえた主人公が羨ましい。
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