「前半は圧倒的迫力。」明日の記憶 とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)
前半は圧倒的迫力。
記憶。昨日までの自分と今日の自分と、これから未来へ続く自分をつなぐもの。自分が自分である証。それが壊れていく…。
余命宣告をされて最後まで死の恐怖と闘うのと、記憶や時間間隔があいまいになって死んでいくのと、どちらが怖いのだろうかと考えたことがある。
けれど、この映画を観て、昨日まで当たり前だった風景や様々なものが、突然異次元に変わってしまう、なんて怖いのだろうと思った。
そんな疑似体験をさせられる前半はものすごい迫力で映画に惹きつけられた。
でも、後半。両俳優の素晴らしい演技。
でも、実際に認知症を抱えた方の様子を見聞きすると、ちょっと綺麗にまとまってしまったかなとも思う。
妻の名前を覚えていても、目の前の実物の妻が妻であることがわからないという過程を経る方もいらっしゃるし…。
認知症と言っても、アルツハイマー以外にもいろいろな病があり、年齢によっても、その方の個性によっても症状の出方は変わるのだろうから、
僅かな知識・経験でこの映画を否定することは相応しくないのだろうけど。
でも、作為的なところがちょっと鼻についてしまった。
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