「生きる事は素晴らしい!家族は有り難いを再認識した!」エンディングノート Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
生きる事は素晴らしい!家族は有り難いを再認識した!
ガンの告知を受け、闘病生活を送る患者の臨終真近かな日々の生活を淡々とフィルムに納めたその家族の勇気と、彼らの生き様に感動した。そして、その患者の娘こそがこの映画の監督と言うのにも驚きを憶えた!
人が亡くなると言う事は、誰でも1度は通る事になる人生の大きな節目である。
死んだ後に何処へ行く事になるのかは、本当のところは不明だ。
しかし、この世に生を受けた瞬間からその最後の臨終の日を迎える迄の旅をひたすら命或る者達は黙々と日々続ける事になっているのだけは確かな事である。
何処へ行くかは、解らないのだが、その解らない目的地へと歩み続けるとは、或る意味滑稽と言うか、生きている意味さえ解らなくなっても不思議ではない現象とは言えまいか?鶏と卵では無いが、生きる事が出来るから死ぬ事になるのか、死が約束されているが故に
生が残されているのだろうか?
命ある者にとって自分の生れた瞬間を記憶している人間は少ないので、死を迎えるその瞬間に備えると言う事は、人生の中で最も重要で、意味深いイベントだろう!
それこそ、自分の死をプランニングする事は生きた証を証明する行為であり、死を見つめる事こそは、生きる事、自分の人生、自分の歴史そのものを深く省みることだ。
そして、もの凄くプライベイトな問題でもあるのだが、これを惜しげも無く包み隠さず、家族全員が映画として公開すると言う事を受け入れたと言う、このご遺族の勇気に先ず感謝したい!
この映画を観る事で多くの方々が、自分の就活ならぬ終活についてはっきりと、そしてきっぱりと向き合う事とはどう言う事かを思い知らされる事だろう。
と同時に生きる事に真摯に向き合う事が出来るだろう!
人の一生涯を振り返る事は余りにもドラマ性に満ちて、これを観ているとドキュメントなのか、上手く作られたドラマなのか解らなく成る気さえした。
家族だからこそ言える事、家族だからこそ言えない事が存在するのも事実だ。
定年を迎えてから、亡くなる迄の2年間の変わりゆくその姿は同じ人とは中々信じられないものがあった。人はその死に対して覚悟が出来るのか、覚悟などはしたつもりでも結局は何の意味も役目も果たせないままのものなのだろうか?
就活なら10数年前にリストラを経験し、その後は、転職する機会が増えた自分にとっては、慣れっ子になっているが、平均寿命的に考えれば人生の折り返し地点を経過した私は、そろそろ本気で自己の人生の終活を始めるべき齢を迎えつつある事に気づかされるのだ。
そしてこの映画を観て一人でも大勢の方々が、御家族の方達とより充実した人生を生き直す事が出来る様に只願うのだ!今年最高に泣けました!思わずお孫さんが祝ってくれる誕生日の歌声に合わせて、声を一緒に出してハッピバースディを唄ってしまった!