「ジェイソン・ステイサム、まだまだ落ち着くには早すぎる」ブリッツ マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
ジェイソン・ステイサム、まだまだ落ち着くには早すぎる
ジェイソン・ステイサム主演。一見、いつものアウトローに見える。
だが、この作品はちょっと違う。
ジェイソン・ステイサムがこれまで演ってきたのは、決して“エエもん”ではないのだ。「トランスポーター」の運び屋にしろ、「メカニック」の暗殺屋にしても、“ワルもん”のなかで筋を通す一匹狼が本来の姿だ。
本作でも、上司の忠告を無視し、犯罪者に容赦のない鉄槌を振るうが、ジェイソン演じるブラントは体制派の人間だ。そういうバックボーンは彼に似合わない。
クリント・イーストウッドの「奴らを高く吊せ!」(1968)を思い出す。「荒野の用心棒」や「夕陽のガンマン」などアウトローだったイーストウッドが保安官となって悪いヤツに復讐する話だ。悪くはないが、物足りなかった。
本作も、つまらなくはないが物足りなかった。
イーストウッドは、あの後、「ダーティー・ハリー」シリーズを経て社会派作品を生み出す名監督になった。
まさかジェイソンも方向転換??
もうしばらくは、体制派に属さず、権力にも媚びず、“ワルもん”のなかの“エエもん”でいてほしい。
まだまだ落ち着くには早すぎる。
p.s. [単純]の項目にチェックを入れたが決して単純な作品ではない。ほかに該当する項目がなかったのだ。[物足りない]という項目がほしい。
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