HOME 愛しの座敷わらしのレビュー・感想・評価
全3件を表示
古民家の相棒。
最近では「相棒」の杉下右京、のイメージが強かった水谷豊が
ごく普通のサラリーマン父を演じている。
彼の演技にはかな~りクセがあるので(昔はチンピラ役とか)
チラリ出演にも関わらず、結構なオーラがあったのを思い出す。
その後爆発的なヒット作で、熱血先生っぽさを醸したと思えば、
刑事、オトボケ記者、と演じる役柄も明るくて楽しいのが多い。
そういう彼らしさがオジサンになって、また^^;戻ってきた感じ。
腰の低~い(爆)営業サラリーマンを嬉々と演じているのがいい。
発端はこの父親の企画開発の失敗?で本社から岩手へ左遷という、
家族にとっては(仕方なくも)甚だ迷惑でストレス満載という冒頭。
ログハウスって言わなかった~?の妻の一言に始まり、
築200年の古民家(でも内装が凝ってて素敵なのよ)で暮らすことに。
娘はイジメに遭い、息子はぜんそく気味、祖母は痴呆が始まり、と
家族それぞれにも問題を抱えたこの高橋一家が、不思議な存在と
出逢うのはほどなくして。始めは怖がっていた一家だが、その存在
=座敷わらしということに安堵し、受け入れることで徐々に幸福が
高橋家に舞い降りてくるのだが…。
まずこの古民家がとっても素敵。でも絶対、冬は寒いはずだぞ!と
疑心暗鬼でいると、冬がくる前に…^^;だった。何?この予定調和。
物語そのものはかなり単純で、心温まるホームドラマに近い。
そんな簡単に物事が纏まるものかとツッコミたくもなる展開だが、
まぁ~そこはホラ、座敷わらし効果。ってことなんでしょう。
あの子が彼らに福をもたらした。という意味では優しいファンタジー
に成功しているし、家族の大切さ(とりわけあの嫁さんはいいよね)
を改めて感じられることには共感する。父母を演じた水谷と安田は
さすがの演技を見せるし、なんだか可哀想な草笛光子演じる祖母の
痴呆が非常に気になるところ…なんだけど、そこはやや中途半端。
子供達は田舎の学校や友達に慣れ、やっと生活が楽しくなり始めた
ところで…ということになるが、いわゆる転勤族(ではないけど)には、
こういった引っ越しは日常茶飯事なんだろう。いつ何時でも父親を
一家の中心に据えて皆で纏まろう、と提案をする妻には、おそらく
団塊サラリーマンの雄叫び(嗚咽か^^;)が聞こえてきそうだと思った。
こんな嫁さんなら(義母の世話もかって出てるし)夫は至れり尽くせり。
なかなかいませんわねぇ^^;しかも安田成美ときてるし(爆)
あまりにいいヒト尽くしで、悪人といえば上司の梅沢富美男くらい^^;
というのが気になるといえば気になるが、そういうドラマと解釈し、
とりわけ座敷わらしのあの子に、福が訪れるといいなと思う次第だ。
(レストランのウェイトレスより、あの子を映した方が良いのにねぇ)
座敷童の由来にほろり
劇中に座敷童の由来が語られているが、ここが一番の泣ける場所?
ロケーションはいいが、コントラストがきついため、せっかくの風景があまりいい画に見えないのが残念。
話としては、都会勤務なのにわざわざ古い家に住む理屈が分からない(後々語られるが)。これを言ってしまうとドラマ自体が成り立たないのだが・・・
それぞれ問題があって、田舎暮らしから解決してゆく話なのだが、予定調和的で底が浅く感ずる。都会から来て結局は冬も過ごさずに都会に帰るというのが、なんともしっくりこない。単なる避暑か?
ちょっと腑に落ちない映画だが、ラストはまぁまぁ良かったと思う。
蛇足ながら・・・
わざわざ田んぼの狭い畦道を自転車で走って田んぼに落っこちる(母親)、なんてのはないんじゃなかろうか。あざとい演出で嫌いだ。
全3件を表示