「真のボンド・ガールは、M?」007 スカイフォール かつさんの映画レビュー(感想・評価)
真のボンド・ガールは、M?
個人的に、カジノ・ロワイヤル、慰めの報酬とイマイチ好きになれてなかったMに焦点をあてた作品。そんな僕のM嫌いな気持ちを察したかのように、Mの手法に裏切られた過去があり、恨みをもつシルヴァが敵役で、かつMの悪手ともいえるような作戦判断ミスにより責任を問われる展開で進んでいく前半のストーリーは個人的に入り込みやすかったです。
そして、グレイグ・ボンドの代名詞のド迫力のアクションも健在!冒頭のラン、バイク、車、列車を織り交ぜた追跡劇で、ガッチリ心掴まれ、シルヴァの何重にも先読みした作戦行動に感心されられ、翻弄されながらも地道に徐々にシルヴァに迫るボンドとQを応援し、とずっと心動かされる展開が続き、目が離せませんでした。
そして、このQの存在がまたいい!Q役のベンウィショーが絶妙にいい感じですね。あの飄々と淡々とボンドをサポートする感じが見ていて楽しいし、ボンドとの追跡中の会話も小気味よく粋な感じがいいバディ感がありました。今後もこの2人のバディは楽しみです♬
そして、スカイフォール、ボンド生家でのシルヴァとの決戦。銃撃戦、トラップの攻防戦、最後の大炎上と、映像の迫力的にも申し分なかったし、ボンドとMの絡みもよかった。やっぱり、最後まで、ボンドがなぜMを信頼して、慕っているのかという理由は理解はできなかったけど、それでもいいんじゃないかなと感じました。一長一短で理解できるような容易い関係ではないだろうし、この2人の間に確かに信頼、敬慕があることが感じられましただけで十分です。最後の「私は1つ 正しかった。」の答えを明示しなかったのがまた粋ですね。果たしてMはなんと言いたかったのか?「ボンドを復帰させたこと」?「ボンドの作戦に乗ったこと」?はたまた「ボンドを00に採用したこと」?想像が膨らみますね♬
全然関係ないですが、途中から、シルヴァが志茂田景樹さんにしか見えなかったです(笑)
Qがサポートに入り、マニーペニーが秘書、Mが男性に変わり、ザ・007な布陣になって、次回作へのワクワクが募ります。
ところで、前作までの謎めいた黒幕ミスターホワイトはどこ行っちゃったんでしょうか?