メタルヘッド
劇場公開日:2011年6月25日
解説
自動車事故で母を失った13歳の少年TJと、TJの父で妻の死から立ち直れないポール、人生に意味を見出せずにいる女性ニコールらの前に、長髪に半裸のナゾの男ヘッシャーが現れる。大音量でヘビーメタルを流し、粗野な言動でさまざまなトラブルを起こすヘッシャーだったが……。心に傷を負った人々を、ヘビーメタルの音楽とワイルドな行動で再生させていくナゾの男ヘッシャーの姿を描く。CMやMTVの分野で活躍するスペンサー・サッサーの初監督作。ジョセフ・ゴードン=レビット、ナタリー・ポートマンらが出演。
2010年製作/106分/R15+/アメリカ
原題:Hesher
配給:フェイス・トゥ・フェイス、ポニーキャニオン
スタッフ・キャスト
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2022年8月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
■事故で母を失い、心に傷を負った少年・TJ(、デヴィン・ブロシュー)。
妻の死から立ち直れないその父・ポール(レイン・ウィルソン)。
そしてスーパーで働く人生を見失った女性・ニコール(ナタリー・ポートマン:ちょっと見ただけではナカナカ気付きません・・。私だけかな?)。
彼らの前に突然現れた男で、パワフルなヘビーメタルサウンドを愛するヘッシャー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、TJの祖母の家に勝手に住みつき、さまざまなトラブルに彼らを巻き込んでいくが、徐々に彼のストレートな生き方が、閉塞感、諦観を持って生きている人たちに、不思議なパワーを与えて行く物語である。
◆感想
・個人的に今作は、好きな作風の映画である。
所謂、世間の柵の中で生きるが故に、閉塞感を抱きながら生きる人たちの前に、”スーパー・ヒーロー”の如く、世間の常識を打ち破りつつ、善性の欠片があるが、無茶苦茶な男ヘッシャー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)が、彼らに意図せず、喝を入れていく様が、観ていて気持ち良い。
・ヘッシャーの行いは、法的には許されざる部分はあるのだが、彼のTJの祖母に対してのストレートなTJに対しての発言。
”学校に行くよりも、祖母の散歩に付き合え!、早起きすれば良いだろう!”
・スーパーで働く人生を見失った女性・ニコールが、事故った時にも、今までのジョセフ・ゴードン=レヴィットのイメージを完全に覆すヘッシャーが、相手に言い放った言葉。
ー 無茶苦茶であるのだが、何故かスカッとするのである。-
・勿論、ヘッシャーは完全なる善人ではなく、本能の元に生きる男である事が、助けたニコールとベッドを共にするシーンで描かれるのであるが、それが観ていて嫌な感じを感じさせないのである。
ー この辺りは、ジョセフ・ゴードン=レヴィットの清廉な風合が効いていると思う。-
<彼が、TJの祖母の葬儀に、突然現れるシーンでも、誰も彼を咎めない。世間の常識を超えつつも、結果的に正しき行ないをして来たヘッシャーを、皆が受け入れているのである。
今作は、ヘッシャーを演じた、ジョセフ・ゴードン=レヴィットのパワフルなヘビーメタルサウンドに身を纏いつつも、ブラックなユーモアに不思議と癒やされる作品なのである。>
2021年12月1日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
主人公を少年と捉えるか、同居人と捉えるか、その違いによって
評価が分かれそうな気がします。あと、見る人の年齢によっても。
若い人だと、同居人視点で見るのかな。このストーリにも
共感する部分があるんでしょうね。
私のような思春期初期の子を持つ親から言わせれば、
迷惑なクズ男が突然家に侵入して同居をはじめる、という
とんでもない話。どういう事情でこんな人間になったのかは
知らないけれど、腹が立って腹が立ってw
役者さんは、いいですね。
ニコール・キッドマン、美しい。
あと、カメラワークも好きです。
機能不全の家庭に異色の他者が介入し再生して去る映画は東京物語、家族ゲームからドラえもんまで在るが、本作も良し。
JGレビットが終盤で少しマトモに成り破天荒が失速するのが惜しいが。
快作「アニマルキングダム (同年マイワン)」の監督、上手い、期待。
2020年11月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ネタバレ! クリックして本文を読む
事故車を牽引するレッカー車を追う自転車の少年TJ(『E.T.』みたい)。なぜポンコツの車を追いかけ、しかも買い戻そうとしてるのか?後半になってわかるのだが、その車の助手席に座っていた母親は側面に追突され、彼女だけ死んでしまったのだ。そんな事故車をなぜ欲しがるのかも理解不能だが、それよりもヘッシャーの行動がすべて理解不能だ(笑)。
きっかけはTJが廃屋の窓ガラスを壊したときに、中にいたヘッシャーが偶然通りかかったパトカーに爆弾を投げつけたとき。学校の中にも現れ、なにかとTJにつきまとうヘッシャー。イジメっ子でもあるダスティン(ブレンダン・ヒル)にいじめられていたときも助けようとしない(笑)。なぜかおばあちゃんマデリン(パイパー・ローリー)と気が合っていたヘッシャー。深夜に他人の家の車を燃やしたり、TJの憧れるレジ係のニコール(ポートマン)とともに売家に侵入し暴れまくったりと、とにかく常にラリった状態のようなヘッシャーだった。
やがてマデリンが死に、傷心状態のTJはニコールのアパートへと向かうが、そこで目撃したのは、ニコールがヘッシャーとセックスしていた光景・・・粗暴ながらも嫌いにならなかった彼だが、今回だけは許せなかった(俺も許せないぞ!)。ひとりスクラップ工場へと向かい、事故車の中で眠ったりしたのだ。
マデリンの告別式。ヘッシャーは現れる。「俺は車を爆破したとき、キンタマをひとつ失った。君は妻を、君は母親を亡くした・・・」。だから何だってんだよ!(笑)。それでも祖母との約束した散歩を忘れなかった。棺とともに散歩へ・・・
結局はヘッシャーのおかげで家族の絆を取り戻した?許せない行動も多いが、なぜだか憎めない男なんだよなぁ。ギターを持ってて、メタルが好きというところも・・・