ヒミズのレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
原作の温度感や繊細さを上手く表現しつつ映画的な表現や園子温らしさが絶妙なバランスに仕上がっているので観てて心地よい。
しかし、震災と紐づける必要はあったのか?個人的には意味がわからない。
大義なければ被災地で撮るべきではないと思います。
それが無ければとても良かった。
変な映画だなぁ〜
今更なのでタイミングを逸してるとは思いますが、あえて書かせてもらうけど…
東日本大震災のエピソード要らなくない?
東日本大震災の内容を入れたせいで、映画全体がとっ散らかってる。何が描きたかったのか、趣旨がボヤけてる。
本筋は、不幸な境遇に育った少年が、道を間違えつつも、前に進もうともがき苦しむ…という話でしょ?
なのに、東日本大震災で家を失った人(渡辺哲)の話を入れたため、しかもその東日本大震災の映像のインパクトが強いため、本来の趣旨がわかりにくくなってる。
更に言うなら、渡辺哲達が染谷の事を「彼は素晴らしい人間だ」と褒め称えるけど、どこがどう素晴らしい人間なのかがちゃんと描かれていないため、納得ができない。そのせいで、染谷に感情移入しづらく、ノレない、という悪循環…
ま、私は原作漫画が好きなので、そちらの雰囲気と違う所に納得が出来ていないだけかもしれませんが…
でも、部分点は高かったですよ。
まず、二階堂ふみが最高!説明不要なので省略。
あと、染谷が親父を殺す場面の長回しが最高!それまでの言い争いで緊張がMAXにまで高まった状態になってからの、あの長回し。頭の糸がプッツンと切れた雰囲気が出ていて最高でした。
園子温監督は暴力シーンはお手の物だね。
主演の二人の演技に☆を
主演の二人の演技がよかったです。引き込まれました。
ただ、「原発サイコー」のセリフはいらなかったよな.....と思います、脈絡もなくぶち込んできたので。
あと茶沢の家庭背景をもう少し丁寧に描写しても良かったのかなと。取って付けたように感じました。
潔い。
染谷将太と園子温にハマってたってことでTSUTAYAでレンタル。
震災から4年が経った頃に観ても少し感じるところがあったから、震災から一年未満であの描写に踏み切った勇気がまず潔い。
父親殺っちゃってからのプッツンするかしないか精神的にギリギリのラインを行き来する主人公の演技は素晴らしかった染谷将太。
二階堂ふみも基本的に染み込んでてここ一番で抜群に存在感放つ感じも見終えてから感心の嵐。
「人間がマイナスの世界に踏み込んでから切り替えようと必死でもがく様は時に愚かだけれど、それでももがかなければならない。生きるとはそういうことだ。」て感じ。
主役二人は最高だった
が、原作のファンとしては完全に別の物語になっていてとても残念だった。
演技力が抜群なだけに本当に残念としか言い様がない。夜野くんは何故かホームレスのおっさんになっているし、茶沢さんのイメージも全く違う。あの部屋中に貼ってあった住田語録はなんなんだ?
そして一番酷いのはオチ。住田くんが自害してこそのヒミズだと思っている自分には受け付けない作品でした。
ふみちゃんの名演技!!
牛乳の中にいる蝿、その白黒はよくわかる
どんな人かは、着ているものでわかる
天気が良いか悪いかもわかる
林檎の木を見ればどんな林檎だかわかる
樹脂を見れば木がわかる
皆がみな同じであれば、よくわかる
働き者か怠け者かもわかる
何だってわかる、自分以外のことなら
このヴィヨン軽口のバラードの一節が響いた。
ふみちゃんは可愛くて名演技だった。
実際いたら鬱陶しそうだけど(笑)
ふみちゃんと染谷くんが殴り合うシーンはリアルすぎと思ったら本当に殴ってるらしいね。
「自首しなよ」のシーンは6時間?OKがかからなかったとか。
泣きっぱなし凄すぎ。
最後の「住田頑張れ」って言って走るシーンも印象的だった。
もぐら…
東日本大震災を背景に現代の社会問題を散りばめた作品。
小さな貸しボート屋を営む家に生まれ、借金まみれの父からはその存在を忌み嫌われ罵倒され、母は父の暴力から逃れる為他の男と夜逃げ。中学生の一人暮らしを始める住田君。
同級生の茶沢さんも又いびつな家庭環境にあり母からの暴力を受けていた。茶沢さんは住田君の自称ストーカーであり住田君にとっての一番の理解者。そんな2人を見守るホームレス達は良心的で緊迫した空気を和ませてくれる。
父の借金を全額返済したホームレスの元社長は震災で何もかも失った被災者だった。自分が罪を犯してまで住田君に未来を託したいと希望を語る。しかし、住田君は度重なる父の暴言に遂にキレてしまった。
自首もせず死にもぜずおまけの人生を人の為になる事に使おうと思い街を彷徨うが思いを遂げることはできなかった。
茶沢さんは住田君の異変に気付き自首し、再生の道を勧める。私達の将来について…
一度は死のうとしたが、茶沢さんと共に自首する事に…
2人の演技力は圧感‼︎
園監督作品には欠かせない俳優さん達がイイ味出してます。
住田ー!がんばれー!
この映画、ホントに好き。
漫画より、優しい雰囲気だけど好き。
園さんの世界観、好き。
染谷将太くんの演技、好き。
二階堂ふみちゃんの演技、好き。
二人のヒミズも原作とは違うけど、好き。
園さんファミリーの役者さん達はホントに素晴らしい。この作品では本当に愛を感じる。
皆でお風呂作るシーンとか愛を感じる。
住田が親父さんを殺して、顔に絵の具塗りたくったあとの街に繰り出すシーンは園子温監督の色が出ている感じでホント良かった。
ラストも愛を感じた。
原作とは違う、希望を感じた。
住田ー!がんばれー!
住田ー!がんばれー!
走るんだね、やっぱり走るんだね。
素敵な映画!!
映画ヒミズは漫画ヒミズを乗り越えた
名作漫画「ヒミズ」以降、似たような漫画、映画などが多くできてきた中で、その「ヒミズ」を原作にしたこの映画「ヒミズ」は、あのラストシーンにおいて、やっと漫画「ヒミズ」の呪縛を乗り越えたのではないかと思う。
震災には勝てなかったか(´∀`)
まず園監督の映画をシネコンで超満員で観るというのが・・・これがもはや事件と言っていいと思う(^_^)
そして『冷たい熱帯魚』『愛のむき出し』『紀子の食卓』とかを観てきた観客にとっては、園監督らしからぬソフトで優しい映画(・∀・)イイ!!
原作の漫画とはかなり違ったタッチで、登場人物も原作を踏襲してる部分もあるけどかなり改変されてる。
全体的に言えるのは、園監督と言えど震災には勝てなかったか・・・ということ。
あれだけの大被害を出して、数えきれないほどの死者を出した被災地を舞台に設定した以上、普段のエクストリームな描写とか設定はさすがに鳴りを潜めざるを得なかったのか(;・∀・)
ラストで住田を死なせずに自首させて、未来に希望を持たせるという作りは監督本人も「優しさに負けた」と言ってるように、自然な流れなのかと(゚∀゚)
むしろ園監督がこういう落ちにすること自体がかなりありえないことだし、かなり取ってつけた感じのラストにしたのも相当な粋な計らいだし、被災地並びに日本全体に対するストレートな応援メッセージだと感じた。
窪塚は相変わらずъ(゚Д゚)グッジョブ!!「脱原発!!」はかなり笑えたヘ(゚∀゚ヘ)アヒャ
茶沢さんも原作と違って少し狂った感じに設定してるのも(・∀・)イイ!!
ただちょっと被災地の映像を5回も映すのは少しくどい(;´Д`)
あと住田の親父をちょっと暴力的に描き過ぎと言うか(;・∀・)
さらに茶沢さんの両親が何で死刑台?だか首吊り台?みたいなのを用意してるのも良く分からない(;´Д`)
そして挙句の果てにはそれをデコレートするのも(´ε`;)ウーン…
そしてお決まりの蝋燭と電飾を見ると、やっぱりこれは園子温映画だと感じてしまいます(^O^)
被災地を応援する意味でも、これからの日本の未来をしっかりさせなければと自覚する意味でも、絶対に観ておくべき映画です(´∀`)
究極の青春ラブストーリーだ!希望と夢を今持ち、自分を信じて生きるのだ!
私は心の底からこんな映画が出来る事を願っていた!!!
この映画のラストを観終わった時、私は心の中で叫んでいた。
「ブラボー!ブラボー!!ブラボー!!!」と拍手喝采でこの映画を迎えたいと・・・
何故もっと早く観なかったのかと後悔した!
私のツタナイ言葉で、この映画を言葉にする事がモッタイナイ!
この映画の素晴らしさを損ねてしまいそうで怖い!
人間は、普通に生きる事程、実はもの凄く困難であり、
そして同時に、普通にしか中々生きられないのも事実なのだ!
そんな無力な、弱い存在である一人一人の普通の人間でも、
人はその短い人生の中で、普通と違う、何か特別な、「そう、ひとりだけの花」
この世界に1つだけの花に憧れて、夢を抱き、トライし、結局は夢半ばにして、挫折して
平凡な、普通の生活へとUターンしてくるのが、大方の庶民の人生である。
しかし、子供の頃から、虐待を受け続けて育った住田少年は、人間のクズを身近に経験しながら育ち、クズから生れても、クズ人間に成らずに、平凡でも人に迷惑をかけずに、ひっそりと静かな人生を送る事をひたすら夢にみる、それこそが、彼の夢であり希望なのだ!
断崖絶壁のギリギリ人生で辛うじて、理性で、踏み止まり、道を外さない様に必死に生きているのだ!
しかし、それも限界がやってくるのだ・・・
教師が言う所の「世界に1つだけの花」など、一般論でしか無く、何の説得力も無ければ、感動も、人を救う力にも、成りはしない!特に311後の日本では!意味を持たない過去の常識だけでは、生きてはいけないのかも知れない。でも、人間は、いつでも生き続けなければならないのだ。
一方、茶沢も地獄の生活に生きているからこそ、誰かを愛し続ける事を知っているのだ。愛の無い不毛の人生を知る者だけが真直ぐに住田を愛し続けられる!!!
これは、究極の青春ラブストーリーだ!!
私は、年間200本程の映画を少なくとも観ているし、多い年には年間400本以上の映画を観てきた年もあった、そんな映画生活をウン重年と重ねてきているので、私は正直心底中々気に入った映画と言うものに出会う事は今では無いのが現実だ。しかしこの作品を私は今迄に観た映画のベスト3に入れても良いと思う。
そして何よりも、この作品が海外でも賞を受賞した事を心より感謝する。
この映画のラストシーンを私は、生涯忘れない! こんなに晴れやかな気持ちになる青春群像劇が出来る日本も、まだまだ捨てたものでは無い!住田が頑張って、罪を償い生きて、再生すると言うこのラスト!これこそ、最も今、私たちが、大切に護り続けなければならない価値観だと信じる!自分に向かい合い己の弱さに立ち向かうのだ!住田頑張れ!
煩く託す希望の光。
ヒミズ、って何だろうと思ったらモグラのことらしい。
この監督の作品はまず私の近場にはやってこない。
名画座にもこない^^;
なので観逃すことしきり、時効警察が面白かったし
観たいなぁと思っていたら、今回はきた(喜!)
まぁ、主演の二人があんなに大きな賞をとっちゃって
その効果なんだろうとは思うけれど…。
前作でも評判の、暴力描写!気にはなったけど(汗)
まぁ~確かに至るところで壊れてはいるけど(人間達が)
この壊れっぷりを大震災後の福島に置き換えたところが
まず、凄い。
被災地をメインにするのなら普通の復興応援作品を、と
思うところが真逆の方向からスタートさせている。
だいたいここまでおかしな親がいるものだろうか?
真っ当に考えればそうなのだが、近い親はいると思う。
そして住田少年ほどではないものの、ああいう鬱積を抱え
苦しみ叫んでいる子供達もおそらくいるはずだと思う。
通り魔的に他人を襲う少年達、口々に言う台詞もリアルで
なぜそんなに腹が立つのか、世の中を壊したいのか、
自暴自棄になるまでの経緯(今回のは震災だとしても)は
おそらく多岐に及び、多分に本人の性格と、生活環境が
要因になっているはずである。
皆で復興に尽力しなければならない時に負けてしまう者。
精神を壊してしまう者。親も教師も友人も助けてはくれない。
ストレートに観せられて、こりゃ辛いぞ…とまずは思った。
しかし住田には茶沢という存在がベッタリ貼りついていた。
この(絶対いなさそうな)煩い存在が、この物語の鍵を握る。
凄惨な事件を、真面目だといわれている子供が起こした時、
真っ先にこの存在を連想する。普通なら親だが普通じゃない。
となると親友とか幼馴染み、たった一人でいいからその子の
総て(とまではいわないが)を把握できる子がいないものかと。
顔も知らない友人を増やすより大切なのはそっちの方である。
何でも話せる(話せなくても相手が理解する)、欠点を晒せる
(晒せなくても見抜かれる)、喧嘩ができる(本音で向き合える)
自分の実体そのものを理解してくれる相手。
どこかにそんな相手がいたなら、おそらく事件は起きない。
親に愛されなかった住田が心の拠り所をなくして、それでも
なんとか平静を保って生きているのは、バカみたいに懸命に
住田に貼りついてる多くの存在があったからだ。茶沢もまた、
おかしな家庭(あれもないだろ)で行き場を失った孤独な存在、
いるはずない、と思う二人の行動が妙に胸をズキズキさせる。
住田のボートハウスに住みつく震災で行き場を失った大人達、
まだ中学生の住田を「さん」付けで呼び、至る所でやたらと煩く
応援する。こんな風に住田の周りは常に煩い。誰にも相手に
されず、かまわれず、もっと常に自分の方だけ見て欲しいのに、
振り向いて欲しいのに、皆が無視するから殺す。などという
バカげた理由で無差別に人を殺した若者がいたが、そういう
彼に煩く付き纏い、その考えそのものがバカだぞ、と意見して
やれるような知り合いや友達が一人もいなかったのが哀しい。
染谷将太、演技してるの?と思えるほどいってしまった演技。
二階堂ふみは、監督に演技でなかなか褒められず、最後には
60点に限りなく近い12点。と言われたそうだが(意味不明^^;)
私が見てもなんとなく、彼女の演技には気恥ずかしさと遠慮が
見えた。完全にいってはいない、そんな感じ。
あんな状況のなかで、叫んだり殴られたり泥だらけになったり
役者も大変だったと思うが、ギリギリ沈まないで残っている
池の中の家が、そんな皆の精神状態を顕わしているようだった。
思えば震災当時、たいへんな被害に遭われた被災地の方々が、
ボランティアの人々に頭を下げ、ありがとう!頑張ります。と
笑顔で話していたのが印象深かった。
自分がギリギリのところで踏ん張っている状態でも、
他人に感謝したり、他人を思いやる心は、持てるものなのだ。
渡辺哲や、でんでんが演じるおっさんが(決して善人でないのに)
妙に説得力のあることを言い、住田に希望を託すのには泣けた。
見た目生意気で冷めている住田だが、本当なら両親に愛されて、
ごく普通に育つはずだった心根の優しい男の子だ。
(父親を殺してしまった後の驚嘆の表情でそれが分かる)
悪党退治したくても、なかなか彼にそれをさせない運もそれだ。
映画そのものが「すごくいい」わけではないが、
人間そのものの「すごくいい」部分が垣間見れてホッとした。
しかしまぁ…変わった作品だったと思う。なるほどねぇ。
(あんな親いないと思っている人ほど危なかったりして^^;反省)
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