六ヶ所村ラプソディー

劇場公開日:

六ヶ所村ラプソディー

解説

青森県の六ヶ所村に建設された使用済み核燃料処理施設の周辺地域で暮らす人々を取材したドキュメンタリー。全国から核廃棄物が集まってくる六ヶ所村で、常に核問題と向きあいながら生きている住民たちにスポットを当て、それぞれの選択と取り組みを見つめていく。監督は、前作「ヒバクシャ 世界の終わりに」で、世界各地の被爆者の真実を描いて高く評価されたドキュメンタリー作家・鎌仲ひとみ。

2006年製作/119分/日本
配給:グループ現代
劇場公開日:2006年10月7日

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映画レビュー

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2021年9月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 青森県六ヶ所村の核廃棄物再処理工場。2007年から運転開始というラストの文字が重くのしかかる。農地を買い上げてもらい、金をもらった農民たち。農地をなくすのだから、働き口を見つけなければならないのですが、結局はこの工場でしか働くことができないという現実。20年前には反対グループの人数も半数を超えていたはずなのに、子供の就職などのことも考えた人が多くて徐々に反対派が減り、ずるずると時が過ぎゆくなかで建設されてしまった。

 孤軍奮闘して反対する人たちはまだまだいる。その一人チューリップ畑で頑張る菊川さんが映画のオープニングとラストで語っているのが印象的でした。しかし、この映画は反対・賛成の両側からの視点を保ち、観客に問うている構成なのです。放射能漏れ事故のことまで考えると、被害は六ヶ所村に限らず、下手すると日本全体にも影響を及ぼすだろうと予測しなければならないし、豊かな自然を破壊することにもなりかねない。一方、電気は空気や水と同じく我々の生活に密着したものであることも事実。運転が開始されるまでは結論を出すことも出来ないのかもしれない。

 『ヒバクシャ』の鎌仲ひとみ監督による第2弾のドキュメンタリー。前作の、恐怖感をも呼び起こす事実をつきつけるといった衝撃的なドキュメンタリーとはスタイルを変え、賛否両サイドの貴重なインタビューを幾分優しいタッチで捉えている映画でした。エンドクレジットの最後に文化庁支援の文字が浮かび上がる。再処理工場反対という立場を強く訴える映画ではないことがここでもわかります。

 2006年からアクティブ運転開始。完成予定は25回も延期されつつ現在(2021年)に至る。建設費は1993年着工当初の7600億円から2.9兆円に膨らんでいる・・・

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kossy

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