劇場公開日 2011年7月2日

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「正に不朽の名作、感動!」赤い靴 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0正に不朽の名作、感動!

2018年10月22日
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鑑賞方法:DVD/BD

アンデルセン童話の物語が、劇中のバレエとしてだけで無く、映画全体で入れ子構造となっている脚本が見事
終盤の赤い靴を脱がすシーンは、劇中のバレエでの同じシーンに似たポーズでつながります
ルモントフ団長が赤い靴自体であり、ビッキーのダンスへの情熱がそれを脱がせない
本作を観る前に童話の詳しいあらすじを読んでおくと、この見事さ、バレエシーンの各場面の意味が良くわかると思います
というか、それは当然観客の頭に入っていることを前提に作られていると思われます
これが分かっていないと面白さも半減してしまうのでは無いでしょうか?

昔の映画とは思えない程スピーディーなテンポある展開
撮影も美しく、テクニカラーの鮮やかな色彩が赤い靴の鮮烈なイメージを高めている効果がはっきりと見て取れます
ショービズの裏側の世界の厳しさや雰囲気も楽しめます

何よりバレエシーンの素晴らしさ!
単なるバレエの舞台を撮影したものではなく、合成等を駆使した映画ならではの映像を展開されます
これがまた美しく正に芸術です
特に赤い靴にジャンプした次の瞬間すっぽり入って踊りだしたり、風にくるくる舞う新聞紙がヘルプマンに変わるシーンは印象的で心に残ります

ミュージカルはオペラとバレエを父母に持って生まれた事がはっきりと理解できる映画でもありました

キャリアをとるのか?、結婚をとるのか?
その両立はできないのか?
それは女性だけにではなく、男性にも突きつけられている問題です

あなたはクラスターのように女性に有望なキャリアを捨てさせる男性であるのか?
それとも彼女のキャリアを伸ばすことを優先して身を引くことを選択する男性であるのかを

ビッキーはその狭間で悲惨な運命となりました
正しい答えは 何かを男性としても考えさせられる映画でも有りました

その意味でも、女性活躍社会が叫ばれる今日、本作は重要な意味性を持っていると言えると思います

あき240