「映画通ほど…!!!!」ミッション:8ミニッツ ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
映画通ほど…!!!!
良い意味であざとい作品です。
小粋な単館系の様相というか、お軽い小品のフリした、かなりの爆発力秘めた大作だけど、それをオクビにも出さず、素晴らしいストーリーテリングをわざわざサプレッサーで消した様な、大人しめなトーンというか。
微妙なさじ加減で観客を満足させてしまう、唸らせてしまう、この作風の妙味というか。
醸しの巧みさ。
要するに、タマランのですよ、この映画。
ダンカン・ジョーンズ監督の長編二作目。
前作「月に囚われた男」で独自の世界観を提示し、世界の映画ファンを唸らせて、しかも親父はデビッド・ボウイという!という!
いやー、いやいや。この人、本物です。
物語の筋書きをここで語っても仕方ないので省きますけど、SFをこうやって語れる人は、今の映画界隈で彼しか居ないんじゃないか?と思ってしまう。
これは自分の場合なんですけど、どの映画も程度の差こそあれ、映画鑑賞中はスクリーン眺めてる自分を俯瞰、客観視してるもんなんですけど、これに関しては中盤辺りから、物語に完全に没入してました。夢中でしたね。
きっちり、ラストの締め括りまで胸踊らせてました。
ま、あのラストがベストか分からないし、「映画通が騙される」って煽りはどうかと思いましたけども。
でも、あのラストは、うん。素敵でした。
ハッピーでも、アンハッピーでもない。けど、相当な満足を得られるのは確実なラストでした。
良かった、マジに。
『映画通ほど“観て欲しい”』―そう思わせる映画でした。
コメントする