ゴーストライターのレビュー・感想・評価
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最後までオチが読めへんくて、 え!え!え!え!どういうこと?!と楽...
最後までオチが読めへんくて、
え!え!え!え!どういうこと?!と楽しめた
湿った雰囲気で進む映像も没入感があって淡々と進む前半も意外と退屈せず見れる
解決!正義!って終わりになるのかなと思いきや
普通にやるせない終わりなんだけど、
終わり方の映像が個人的にとても好きで不思議な観了感
爽やかバッドエンドなんて気持ちになったことない
どうするマクレガー
元英国首相の自叙伝のゴーストライターを引き受ける主人公をユアン・マクレガーが演じる。
やがて彼は、前任者の死に疑問を抱き始め … 。
ユアン・マクレガーの台詞や表情がいい。
ロマン・ポランスキー監督のクールな映像、見えない相手と対峙する怖さ、見応えがありました。
BS松竹東急を録画にて鑑賞 (字幕)
ラストの「コナン君展開」は勿体なかった
退任したイギリス首相のゴーストライターを務めた作家が巻き込まれる暗闘を描く物語。
イギリス・フランス・ドイツ三か国共作のサスペンスですね。地味ではありますが、ポリティカル色で味付けされた極めて私好みの作品です。
前任のゴーストライターの死。犯罪なのか?敵は誰なのか?そもそも敵はいるのか?・・・主人公の緊張が、鑑賞者の私にも伝わって来て画面に釘付けになります。
ただ、ラストはやり過ぎです。前任者が原稿に暗号を残した・・・というオチでしたが、そうする理由が分かりません。政敵と通じていたのですから、普通に伝えれば良いだけです。コナン君ではないのですから、
主人公が暗号を解き、その秘密をわざわざそれラスボスに知らせる理由も分かりませんし、知らせた後に慌てて逃げるのも辻褄があいません。
上映時間95%はとても良い印象を持っていただけに、このラストの無茶苦茶は戸惑いと失望を覚えてしまいました。
私的評価は普通にしました。
元首相は妻の秘密を知っていたのか最後まで確信を持てなかったが…
ポランスキー作品鑑賞の一環で、
「水の中のナイフ」「反撥」「袋小路」
の初期作品に続いて鑑賞したが、
やはり若い頃の作品とは一線を画して、
演出力の進歩を感じさせる作品ではあった。
しかも、キネマ旬報では
第一位という高評価だ。
最初の鑑賞では、誰が嘘を重ねているのか
分からず、ラストの衝撃の真実を受け止める
ことが出来なかったが、
2度目の鑑賞でようやく少し整理が
出来たものの、頭は混乱したままだ。
真実の解明とゴーストライターの死の描写が
見事なラストシーンではあるが、
理解出来ない幾つかの設定が気になった。
まず、ラストシーンの、謎の解明と
2人の心理効果的盛り上がりを狙った伏線
だとしても、愛に飢えいるだけかのように
描かれる元首相の妻が、
実はCIA局員であるとの匂わしの振る舞いが
全く無い設定が。
また、主人公が殺されるラストシーンは、
書類の散乱だけで見せる見事な演出ながら、
あまりに素早過ぎて不自然に感じる
タイミングが。
作品手法としてそれらを良しとしても、
私が最後までに解らなかったのが、
果たして元首相は妻がCIA局員であることを
知っていたのか知らなかったのか、
との点だ。
もし知っているのだとしたら、
この映画での彼の言動は全て嘘で
大学演劇部で培った演技力の賜物と思われる
各描写は、妻の振る舞いと共々、
この元首相夫妻について本当のことは
何も描かれていないことになり、
そもそもが知ってる知らないについて
観客が判断のしようが無くなりそうだし、
もし本人が知らなかったとしたら、
そんな中で総理まで登り詰めることなんて
可能なのだろうかとの疑問が残った。
映画の中では、
その両面の可能性が示唆されているが、
元首相は後でそのことを知ったことから、
実は結婚そのものがCIAに利用されている
ことと理解して、
妻との関係が冷えたと想像出来なくも無い。
また、狙撃の腕の良すぎる暗殺者も、
実は用無しになったものの
秘密を握っていた元首相を暗殺すべく
CIAから差し向けられた人物なのか、
私には分からないことだらけだ。
サスペンス的要素から
最後まで集中はさせてくれたが、
私的には幾つかの不明な要素も多く、
2回の鑑賞でも疑問が残ったままだ。
これらの点において、
ポランスキー監督の設定はどうだったのか
知りたいところだ。
プロセスは良いが終わってがっくりのポランスキー流サスペンス
主人公は自叙伝のゴーストライターですがよくある探偵ものと同様、おいしい仕事の筈がとんでも展開という、巻き込まれ型サスペンスです。原作(ゴースト)は当時ブレア首相がモデルではないかと噂され売れたらしい。
この種のミステリー小説は一人称で語られますが映画も同様、主人公の視点での展開なので観客にも誰が敵で味方かも分からず否応なくテンションが続きます、この辺の気持たせの上手さはポランスキー監督お得意の演出ですね。
プロセスには文句はなのですが観終わってレビューを書こうと考えてみると疑問が噴出、脚本の手抜きにも関わらず演出で騙された感がこみ上げます。元側近の告発ならこんな回りくどい方法でなくともマスコミに直接リークすれば済むことなので動機が読めませんし、秘書のアメリアが何故原稿の謎を知っていたのか、ひょっとして彼女はMI6?ネット検索で簡単に機密情報が得られるのも手抜きでしょう。反面、舞台になったアメリカ東海岸のマーサズヴィニヤード島、主人公がタクシーでジョークを言っても無反応な運転手のシーン、実は島は遺伝的難聴者が多いことでも有名らしい。ことほど左様に人物描写にはこだわる反面、国家だのCIAの策略などと大風呂敷を広げてもたたむどころかひらひらさせて終わってしまう、ハッピーエンドが嫌いなところもいつものポランスキー監督らしい。
前半は幾分退屈な展開だったが、後半は俄然面白くなる。
アメリカの孤島という舞台設定が荒涼とした晩秋を余計に引き立て、暗い雰囲気のまま嫌々ながら引き受けた仕事をこなそうとするゴーストライター(マクレガー)。ラング(ブロスナン)はマスコミに叩かれて、ワシントンへと逃げるように赴き、留守となった大邸宅。大勢の記者も押し寄せる中、ゴーストは邸宅へと呼び寄せられ、島を自転車で回っているとき、マカラの死について疑念が生まれる。その晩はラングの妻と関係を持ってしまうゴースト。何だか逃げられない状況に追い込まれる。
マカラが使った車を借り、最後の行動をカーナビが教えてくれて、ある大学教授の自宅へと誘導される。マカラの残した写真などからラングと深い関係がありそうなのだが、本人はすべてを否定。家を後にすると、ゴーストを尾行する車。逃げるようにフェリーから宿へと入り、残されたメモにあった外務大臣ランカートとコンタクトを取る。その後、ラングの自家用ジェットに呼ばれ、島へと戻るが、降りた途端にラングは暗殺される。
教授がCIA局員であり、ラングもCIAに援助されて首相にまで昇りつめたと思っていたが、出版記念パーティで妹からもらったヒントにより、ラングの妻がCIA局員そのものだった!という驚きの展開。この秘密を知ったためにマカラは殺されたのだと確信したゴーストは会場を逃げるように飛び出すが、猛スピードの車にはねられる・・・終わったときの虚しさ。初稿に残されたメッセージなど、サスペンス色満載。前半のひっぱり方が弱かっただけに、あと一歩。
深い
タイトルが暗示しているものは何なのか考えさせられる深い映画だった。始まりの港のシーンといい、最後の原稿が風に舞うシーンといい撮り方が独特で、作品に深みを出していた。サスペンスということで、特に派手なアクションシーンがあるわけでなく、淡々と主人公が謎に迫っていく様子が描かれていて、全体的には地味な画に映っているが、静寂さの中から何か国家や人間が抱える闇のようなものを感じ取れる作品で、シーンが進むにつれてどんどん引き込まれていった。どんよりとしたシーンばかりなので、好き嫌いが分かれるかもしれないが、綿密な構成になっていて、複線からいろいろ推測しながら観て楽しめる映画だった。
(やめておけ)・「構わない?」「もちろん」
映画「ゴーストライター」(ロマン・ポランスキー監督)から。
元英国首相アダム・ラングの自伝執筆を依頼された主人公が、
ラングの滞在する孤島を訪問して、事件が起きる。
そしてラストは、サスペンスらしい結末だなぁ、が感想。(汗)
ただ、気になるシーンは、何度も登場した。
食事のシーンは「箸」を使っていて、ぎこちなかったり、
タクシーは、お客が車を降りてから料金を渡しており、
これまた「えっ?」と思うような場面が続いた。
それでも万国共通だな、と思ったシーンが、気になる一言。
ラングの奥さんが、夜遅く、主人公の部屋に訪ねてくる。
どうみても、SEXを求めているのだが、それを察して
主人公が洗面所へ逃げ込み、鏡の自分に言い聞かす。(やめておけ)
そうだよ、どう考えてもヤバい、と思ったのもつかの間、
ベッドに裸で横たわっている奥さんが呟く。「構わない?」
それに答えて、主人公がためらわずに「もちろん」。
さっきのシーンは何だったんだよ、と観ていて可笑しかった。
据え膳なのかわからないが、女性に求められたら断れない、
いや、断らないのが男性のマナーなのか。
このシーンは、大ドンデン返しとなる結末の伏線なのか、
ちょっと興味深いシーンでもあった。
アメリカ国家は怖い!!
ポランスキ-監督の映画は、いつ見ても面白い。それにしても、国で暗殺を行なっているのですから,アメリカ国家は本当に怖いです。ビン・ラディンしかり、現実味が在りすぎて、本当に怖かった。知りすぎてはダメですね、何も知らない方が幸せですよ。
私も途中で、被害者の元妻が怪しいと気づきましたが、案の定、最後にしてやったりと思った主人公が、ラストあっさり消されましたね。何てバカな主人公だと思った。でも、これがジャ-ナリストの性なんでしょうか。大統領より怖いC.I.Aでした。それにしても、映画を盛り上げるには、悪女はかかせないです。
土曜ワイド劇場的安定感ある見応えの政治サスペンス
『戦場のピアニスト』『チャイナタウン』『ローズマリーの赤ちゃん』etc.で知られる名匠ロマン・ポランスキーが複雑で魑魅魍魎ひしめく根深い政治の裏側をテンポ良くエンターテイメント大作にまとめ上げている。
アルカイダやネットetc.現代の時事ネタを扱いつつ、敷居は決して高くなく、人間の秘密が暴かれた時の狂気を重厚に炙り出しており、いろんな意味においてクラシックな面白さが散りばめられ、落語で云う古典の貫禄を聴くような雰囲気であった。
設定は現代やのに、妙に古臭いとも云える創り方で新鮮味は劣る。
しかし、その分、安心して観られる世界観でも有る。
松本清張サスペンスを土曜ワイド劇場で観る感覚に近い。
『迷走地図』とか『ゼロの焦点』とか。
また、前任者の原稿の中に陰謀を暴く暗号が潜んであり、解いていくミステリー要素は横溝正史の金田一シリーズを思い出す。
んまぁ、命を狙われてる者が、そないダイイング・メッセージに凝ってる余裕なんて無いやろとツッコンだらそれまでやけどね。
そういう懐古的推理劇の趣が古典的な匂いやと察したのだろう。
故に優れたクオリティの割に平均的な印象だったのかもしれない。
そんな欠点を差し引いても、女性陣の充実度は相変わらず上手い。
真相を知ってそうな秘書や首相夫人etc.怪しく立ち込める色気も醍醐味の一つで、翻弄されていくユアン・マクレガーの戸惑う表情が興味深く、悲劇的かつ衝撃的なクライマックスへと繋がっていく。
サゲにおける後味の悪さこそ、ポランスキー節の持ち味なんやろね。
在任中、人気が高くスマートながらも裏に人知れぬ巨大な闇を抱える首相を先代007のピアース・ブロスナンがミステリアスに演じており、日本やったら、小泉純一郎が在任中のゴタゴタを掘り起こす感じなのかな?と思った。
んまぁ、真相究明したところで「人生いろいろ!疑惑もいろいろです!」って一蹴されてオシマイなんやろうけど…。
所詮、日本の政治なんざぁ、せいぜいワイドショー程度なんやなと実感しながらも最後に短歌を一首
『波に散る 筆を拾いし 幽霊船 嵐に灯す 船出の綴り』
by全竜
強迫観念に似た不安。
第60回ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞の作品。
ポランスキー監督は、もう80歳ですか。
クリント・イーストウッド監督といい、素敵ですね。
元英首相の自叙伝の代筆を依頼された”ゴースト”。
その破格の製作費。
前任者がフェリーに残したBMW。
浜にうちあげられる前任者の死体。
後を付けられ奪われる原稿。
アメリカ東海岸の孤島の凍てついた冬景色。
終始降っている雨。
序盤は、洗練された映像と共に謎をまき散らす。
が・・・、中盤から、何でそうなるの?!
そんなことあるんかいな~。
すごく重要なこと言ってたから、あの人が怪しいじゃん!
に、なってしまった。
ちょっと、興醒め。
でも、良かったこともある。
最後までユアン・マクレガー演じるゴーストライターの名前がわからないこと。
国や政治への不信感の表しかた。など。
その中でも、とくにラスト。
そんなことをしたら、どうなるか・・・わかっていそうだけど、やっちゃう違和感はあるものの、見せる映像は素晴らしいと思う。
≪ゴースト≫たる所以か。
配役は、ばっちりだと思った。
そうか、大河ドラマでも。。
鑑賞後に、このタイトルを、なるほどね~と納得した^^;
まぁなんとなく、想像がつく展開ではあるものの、
さすがはポランスキー、抜かりなく語り尽くしてくれる。
とにかく、政治サスペンス?スリラー?テイストの中に
ユーモアを織り交ぜた飽きさせない語り口、不甲斐ない
主人公(似合い過ぎユアン^^;)が、遂に真相に近づく辺り、
よーし、よーし!と期待を持たせてくれるのだが…。
自分の前任者であるゴーストライターが海で不審死、
後を継いだ自分も何かされるんじゃ!?と危機恐々の
ユアンがなぜかドツボに嵌っていくその様子…が面白い。
こういう巻き込まれ型サスペンス、本人がやる気を出して(爆)
調査追及、さらに真相にたどり着く頃には知りすぎていた…^^;
って、あ~なんかまるでヒチコックの世界が垣間見れるのだ。
まぁ誰が犯人で?なぜそういうことに?というのは、
ラストのおぉ!という暗号解読でバンザ~イ!を迎えるので、
そこまでは存分にスクリーンに観入ってもらうとして、
そもそもみんな怪しいもんだから^^;何なんだよ~なおかしさが
初めからつきまとう。とりあえず元首相の過去、謎の写真、
すぐ散歩に出かける妻、全てをおかしいぞ、なんかおかしいぞ、
というスタンスで、ジリジリ観ていくのが正しいのかも。
それにしても運の弱い主人公だが、そもそもゴーストライター
なんて職業を名乗っている自体、表舞台に踊り出られない身分。
でも考えれば、自分がゴーストとして描く自叙伝の本人について、
いちばん肝心なことまで知り得ちゃう立場な訳だから、幾らでも
探りようがあるわけで。。
ヤバい!と思ったらそこで退くか、更にのめり込むか…でしょう。
のめり込めばそれこそ危険が迫るのはお決まり~、とはいえ、
そのくだりが観たいんだもの観客は!突き進んで貰いませんと。
期待通りに推理と謎解きは進み、緊張感もピーク!に達した後の
あのラスト…。
だからこのタイトルなんでしょ?と素直に思えたのは私くらいか。
(怖いですねぇ…組織って。監督は入国審査が堂に入ってたな^^;)
ラストシーンに胸が潰れる思い
2003年 米軍と英国軍がイラクを侵攻して、戦争を仕掛けた時 ジョージWブッシュ大統領は サダム フセインが政権独裁をしているイラクには大量生物化学兵器があり、自由世界が危機下にあると断言した。続くトニー ブレア英国首相も イラクの大量破壊兵器を潰すことなしに平和はない、として足並みを揃えた。
ジョージWブッシュと トニー ブレアの開戦と同時に オーストラリアのジョンハワード首相も開戦に同意して特殊部隊を投入、小泉純一郎首相は 開戦を支持する声明を出した。
国連の決議なしに フランス、ドイツ、ロシア、中国の強硬な反対を押し切っての決断だった。国が戦争を始めるという大事な決断を米国ブッシュが言い出すやいなや 英国もオーストラリアも日本もすぐ同時に、賛成したのは 何故か。
ソースが同じだったからだ。
情報の「もと」が たったひとつ。その「もと」とは 何だったのか。
CIAだ。CIAの作った軍事情報をもとに 各国は兵を送り、イラクに戦争を仕掛けた。そして、それはいまも続いている。
1991年湾岸戦争のとき、停戦決議で イラクの大量破壊兵器の保持が禁止された。しかし兵器はある、として2001年ブッシュが大統領就任するとすぐに 米軍がイラクへの空爆を開始し、2003年、全面的開戦となった。投入された米軍26万3千人、英軍4万5千人、オーストラリア2千人。
サダム フセイン大統領が倒れ、2006年に処刑された後も 米国を中心とする連合軍によるイラク占領政策は続き、戦闘終結宣言以降に、大量の死者が出ている。米軍が36万6千人の兵力で イラクのマリキ政権を擁護しても、治安の悪化とシーア派、スンニ派との対立を抑えきれない。マリキ政権が 米英軍占領軍の繰り人形にすぎないことがわかっているからだ。
第1次湾岸戦争のときブッシュの国防長官だったデイック チェイニーは 第2次湾岸戦争のジョージWブッシュのときには 副大統領を勤めた。彼はハリバートン社の経営者で所有者でもあり、この世界最大の石油掘削機会社をして、イラクの復興事業や軍事関連サービスを提供して 二つの戦争で巨額の利益を得ている。イラクに眠る 油田の権益のためにも米国は何が何でもイラクを占領しなければならなかった。
戦争ほど儲かる商売はないからだ。
米軍兵4000人余り、民間傭兵1000人以上の死者を出してやっと、ブッシュは 選挙で負け去った。2009年1月オバマ大統領は 就任後イラク駐留米軍を5万人に削減、2011年には全面撤退を約束した。
今年に入って、英国議会では イラク参戦に関する独立調査委員会の公聴会で、トニー ブレアを証人喚問した。ブッシュのペット プードル犬と呼ばれた男だ。彼は大量兵器がない とわかって何故 戦争を続けたのか と厳しく追及されている。
CIAの情報をもとに イラクで亡くなったイラク市民15万人、アメリカ人5千人余り、英国人179人、この戦争のために起こったニューヨーク貿易センタービル倒壊で亡くなった2千人余り、州兵がイラクに行ったため救援できずハリケーンカトリーナで亡くなった2000人、ロンドン爆発事件で亡くなった56人、スペイン列車爆発事件で亡くなった191人の人々、、、おびただしい死者の列、、、。
映画「ゴーストライター」を観た。ロマン ポランスキー監督の新作。ロマン ポランスキーは 去年2009年9月に チューリッヒ映画祭に参加した際 スイス当局に逮捕された。30年近く前に彼が起こした13歳のモデルの子への淫行容疑のため ずっとアメリカから逮捕状がでていて、身柄引き渡しを要求されていた。昔のことで 当時のモデルは訴訟を取り下げている。何故、今になってパリに住むポランスキーが突如、スイスで拘束されたのかわからないが、ともかくもスイスは米国への身柄引き渡しは拒否、2010年7月になってやっと、ポランスキーを釈放した。これは 遅れをとりもどすようにして、彼が力を注いで発表した作品だ。
ポランスキーが拘束されたときスイス映画祭に来ていた 映画関係者たちが 口々に「彼は生涯のファイターなのに、、、。」と言っていた言葉が印象的だ。
ユダヤ教徒のポーランド人。母はアウシュビッツで殺され 本人は収容所から逃亡、ドイツ領となったフランスで ユダヤ狩りから隠れ 転々と逃げながら成長した。
1969年には 自分の子供を妊娠中の妻、シャロン テートが惨殺され、その現場の惨状の第一発見者だった。
2002年「戦場のピアニスト」でアカデミー監督賞を受賞。今年、釈放されてやっとこの映画「ゴーストライター」を発表することができた。彼の一生を見ると、文字通りの生涯のファイターなのだ。
ストーリーは
湾岸戦争に兵力を投入した前英国首相アダム ラングは責任を問われて退陣、今は追及を逃れてアメリカ東海岸の孤島で引退している。伝記を出版する予定でそのための ゴーストライターを探している。ラングのために、600枚あまりの伝記を書き下ろした前任者が この島と本島を結ぶフェリーから 酔って転落して 死亡してしまったので その後を継いで 伝記を仕上げて欲しい。一か月で仕上げてくれたら25万ドル報酬を出すという。願ってもない仕事に ゴースト(彼の本当の名前は映画の中で終始出てこない)は喜んで フェリーに乗って孤島に向かう。
しかし着いて すぐラング前首相が、戦争犯罪人としてハーグ国際戦争裁判所で裁かれるかもしれない というニュースが飛び込む。テロリストを違法な方法で拷問した という件が問題になっていた。押しかけてくるマスコミ勢に追求から逃れる為の声明作りまで ゴーストが引き受けることになってしまった。
夫婦仲の良くないラング前首相、事務的で高飛車な秘書、愉快でないラングの家で ラングへのインタビューと執筆が始まる。亡くなった前任者の部屋を片付けていて、ゴーストは引き出しの裏に、テープではりつけてある秘密の封筒を見つける。そこにはラングの大学時代の仲間の写真があり、それらを渡すべき人の電話番号が 走り書きされていた。
ゴーストは 前任者が 酔ってフェリーから転落死したのではないのではないか、と疑い始める。自転車でラング邸から出て、岬に行ってみる。そこでゴーストは人の良い年寄りに出会う。老人は フェリーから転落した死体は 波の関係でこの島に打ち上げられるはずはない、と言う。でも死体を発見した夫人は その後 階段から落ちて昏睡状態に陥ったので、死体がどんな状態だったのか、事実はわからずじまいだ、と言う。
ゴーストは 本島に渡り、写真をもとに調べ始め、写真に写っている男がラングが首相だったときの閣僚の一人で 兵器会社の持ち主であり、CIAに通じる男であることを突き止める。この男は ゴーストに刺客を差し向けてくる。手に汗を握る逃亡、、、。
ゴーストは 前任者が残していった電話番号を回す。現れた男に従って最終的に出会えたのは、現在の英国政府 外務大臣その人だった。判明した段階の事実だけを報告して、ゴーストは島に帰る。
そこで彼を待っていたのは、、、。
スリラーなので この先はいえない。
ラング前首相とは トニー ブレアのことだ。この映画では 伝記を書き残した前任者と、ラングの残した言葉がキーになる。ヒッチコックの映画のように、よくできた映画だ。そして、ヒッチコックの映画のように 素晴らしいラストシーン、、、。 興奮した。
胸が潰れるような 悲愴な思いに陥るラストシーンが忘れられない。
生涯のファイター ポランスキーの描いた湾岸戦争が、そこにある。
キャスト
前首相:ピアース ブロンストン
妻 :オリビア ウィリアムズ
秘書 :キム カトレル
ゴーストライター:エバン マクグレゴール
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