秒速5センチメートル(2007)のレビュー・感想・評価
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【桜の花びらがゆっくりと舞い落ちるように、成長していく少年の姿を軸に、幾つかの繊細な恋愛模様を山崎まさよしの「One more time, One more chance」に乗せて描き出した作品。】
ー今作は、「君の名は。」を鑑賞し、日本のアニメーターにこんな凄い人がいたのかと驚き、慌てて近隣のビデオレンタル店に駆け込んだが、長らく借りられず(ずっと、貸し出し中であった)漸く観て、その世界観と繊細な感情の機微を表現した作風に、彼の作品の原点を見た気がした作品。-
第1話「桜花抄」
小学6年生だった貴樹と明里の仄かなお互いへの恋心。
そして、中学生になった貴樹が、栃木に引っ越しした明里を、雪が降る中訪ねて行く心の不安と、久しぶりに再会した二人の雪が舞う中の接吻と、朝日が差し込む中での二人の姿が、二人の未来を暗示するようなシーンが印象的。
第2話「コスモナウト」
貴樹も中学の半ばで東京から引越し、遠く離れた鹿児島で高校生生活を送っていた。
同級生の花苗は、中学生のころから貴樹をずっと思い続けていたが、彼の心は別のところにあると知っていた・・。
ー花苗自身の心中を自ら語るモノローグの言葉が、切ない・・。-
種子島から発射されたロケットが、”二人のそれぞれの将来に祝福あれ・・”と言うことを暗示していたシーンが印象的。ー
第3話「秒速5センチメートル」)
社会人になり、東京で働く貴樹。だが、明里の事が忘れられず、付き合っていた理沙から”心が私に向かっていない‥””と指摘され、別れ、やがて会社も辞める。
だが、春が訪れると、貴樹は昔から歩きなれた道の踏切である女性とすれ違い・・。
<絵は、未だ粗いが、その後の新海ワールドがこの時点で、既にほぼ出来上がっていたことが分かる短編連作集。醸し出す魅力は十分な作品群である。>
<2016年 DVDにて鑑賞>
<2020年10月11日 別媒体にて再鑑賞>
何か自分の感じているものと近しいものを感じました。
よく親の仕事で引っ越す自分と照らし合わせたのか、何か自分の感じているものと近しいものを感じました。ニューヨークでは孤立している私には恋愛なんぞ程遠いもので、作り物をみて満たされない感情をコントロールしているのですが、最近は非現実的なストーリーに流石に飽きがきていました。このような映画を一番求めていました。
この映画はエンディングからも、途中のメールを書く場面も、遠距離の恋の「遠さ」をうまく描けているなと思いました。だらだらとした今年の夏休みの終わりに見たせいか、高校の最後の年だという現実に引き戻されたように感じます。自分は主人公のように今できることが果たして全力でできているのか、再び考えさせられました。新型コロナでもう5ヶ月近く家族以外の知っている人に会っていない状況で、昨年末の失敗を繰り返さないようまもなく始まる新学期を気合を入れて向き合わないといけないですね…
普通の人にこの映画はどのように映っているのでしょうか?
情熱が失われていくまでの軌跡
主人公のタカキと、ヒロインのアカリが綴る三部作。
第一部で中学生のタカキは、遠方へ引っ越して行ったアカリを求めて会いに行く。
例え列車が運休するような豪雪の中でも諦めない。アカリもそんなタカキを信じて待つ。
純粋な、お互いを思う気持ちが胸を打つ。
しかし第二部(高校生)・第三部(社会人)と移るにつれ、そんなお互いの情熱が失われていく。その様が痛々しい。映像が美しければ美しいほど、逆に痛みを感じる。
「劇」というのは、まさに劇的なものであって、誰かが何かの困難を乗り越えたり、欲求を果たそうとする様を見るもの。そこには当然、人物の成長を伴う。
しかしこの映画では、逆に退行していく人物を目の当たりにする事になる。…ツライっす。
主人公のタカキが感じているであろうツラさに比べれば、微々たるモノであろうが…
切なくて美しくて、新海誠監督の真骨頂ですね
秒速5センチメートルの成長
1話
中学の頃の他県に行く不安感に共感。
電車の開閉ボタン式という地元ネタが嬉しい
中学生男女のロマンティックな話だけど、
卒業&引越し間近で雪の日にその日に帰ってこないって、親がめっちゃ心配するよ。
そっちが気になってしかたなかった。
行ったことのない地へ向かう不安感と
待っててくれた愛しい人の安堵感に
舞い落ちる桜のように、心が激しく揺さぶられた。
2話
好きって言えないもどかしさ。青春だね。
あったね〜
中学から高卒までずっと1人の人を思っていて、結局言えず、、、
相手は自分と同じ位置でなく、
ロケットのように進んでいるように感じる。
恋愛にもサーフィンにも納得いくことができず、
サーフィンを恋愛と重ねるかのように没頭して目標を果たすが、、結局言えず。
わかるな〜切ないな。
3話
小学生からの出会いと中学生という多感な時期に、あんなドラマティックな経験をして、
そりゃ、忘れられなくなるな。
社会人になっても、思いは変わらず。
人と心の距離を縮めることができない。
思春期の思い出が印象的すぎたね。
あれを超える経験はなかなかできないよ。
早熟しすぎたのよ。
結局、秒速5センチしか進んでない主人公と
婚約までしてロケットのように進んでいた初恋相手。
2話では主人公がロケットのような存在だったのに。
人から見える自分と、自分から見えてる自分って、こう差がでるのね。
なんか恋愛したくなくなる。
こんなドギマギとか切ない感とかで、人生送るの嫌よ。
それが人なんだけど。
恋愛という感情でなく、
人と素直に向き合いたいと思った。
美しい映像美と切なさのギャップが、また切ない。
地名がはっきりと出てくるところが好印象。
3部構成の新海誠アニメーション映画。
新海誠監督作は「君の名は。」を途中まで観たことがある程度で、実質初めてでした。
監督の映像美だったり、作風はなんとなく知っていたので、初めてながら新海誠らしいなぁといった感じです。
まあ、映像の美しいこと。
ストーリーも泣ける切ない男女のすれ違いを描いています。
確かに好き嫌いに二極化するのもわかる感じがしました。
桜、雪、星、雨、日差しなどが降る自然美と、少年少女のなんとも言えない心情がとても上手くマッチしており、壮大な自然だけれど、どこか身近に思えます。
個人的には桜花抄>コスモナウト>秒速5センチメートルです。
桜花抄が1番切なく、良かったです。
山崎まさよしさんの歌を、今回まではあまり良いと思ったことはなかったのですが、映像とよく合っていて、One more time, One more chanceの流れるエンディングは凄く良かったと思います。
その時の気分に左右される
青いなぁ~(遠い目)
嫌いじゃない、十代でこの作品を観ていたらハマっていたかも。
言えない、伝えられない、すれ違う・・・
でももうオバサンなんでね(^^;)
後悔しない、引きずらないためには行動しかないよね。
連絡が取れなくなった(メールが来なくなった?)時点で
会いに行くなり(高校生には遠い距離だけど)せめて電話で直接話したりしていれば
ちゃんと別れられて(付き合っていたかも微妙だけど)
もっと早くお互いが前に進めたのに。
そしたら明るくて元気な花苗ちゃんとの恋も始まったのに。
あ、別にそういうことを描きたいんじゃないよね(汗)
まーでも、簡単に付き合って別れて、またすぐ別の人とくっついたり、ちょっと浮気しちゃったり
そんなインスタントでジャンクな恋愛より
一人の人を思い続けるって方が私は好きだけど。
恋の難しさ、儚い物語
桜の花びらは秒速5センチ、ロケットは時速5キロ。
わずかな命を終え、平等な速度で地に向かう植物もあれば果てしない目的に向けて少しずつでも歩みを進める物体もある。
そんな世の中で人間の心は一センチも近寄ることができないこともあるし、恋は実らず散ってしまう。
それでも歩の進む勢いや方向などはそれぞれなのだから人の心と心が縮まらなかったり、失敗したりすることは決して悪いことではなく、普通だと感じることができた。
たかきが最後にみせた笑顔も、まぁ仕方ないだろということだと、考察する。
心が弱ってるときは見ない方がいい…
せつなさに心が耐えきれず捌け口レビュー
アニメしか見てないうえでの想像ですが
貴樹の心情はこうだった?
雪と距離の障害に現実を思い知らされ、明里を守れる力が欲しいと願うが無力なままの第1話
明里の気持ちがわからなくなって…なにがあったか知らないけど、メールを書いては送れずに消して迷う第2話
明里を好きだったという過去+心配だという義務感が心に穴を明けていた第3話
最後、踏み切りで笑ったのは向こうはもう踏ん切ってることへの安心なのか、自分への自嘲か…
ただ、貴樹も前に進もうとしている描写ではあったのでそこは希望なのかな、と。
思うに、貴樹という人は真面目過ぎた…
明里とは親の都合で…なんて理由の別れ方さえしてなければ、
もっとちゃんとお互い時間を使って青春できていれば…
もしくは最初に出会ったのが2話の花苗ちゃんや3話の水野さんって人だったなら…
それなりに彼女ら3人だれでも幸せにできた人材だったのでは、と。
あー、書いたらもやもやが晴れました。
青春…心を誰かと通わせる機会を失った彼の、
残りの人生がちょっとでもマシになりますように!
シンプルに面白かった。共感できないだとか気持ち悪いだとか理解できな...
切ない恋物語!リアルなインサイト!
ロミオ
終わった恋を何度も反芻して、あの時はああだった、あのときああしたのはこんな理由があったからだ、彼女はこんな気持ちだったんだ、あの時の経験が自分を形作っているんだ…と妄想し続ける…
わかる、わかるよ。すごく好きな人と別れたあとってそうだよね。
でもね、自分に酔いすぎ。気持ち悪い。
最後に会ったのが13才で、大学まで出てたと考えると第三部で仕事辞めるまでに軽く10年近く経ってるんだよね?
10年、同じ女の終わった思い出の中でぼんやり生きてるの?ほかの女の子と付き合ってるのに?
何でアカリちゃんのことをそんなに強く思うことになったのかも分からないからこっちも思い入れをもてないのかもなぁ。
第一部が完全に男目線だから、そもそも二人が思い合ってるのかも謎。第二部以降の男の自分に酔った妄想万歳な思考回路を見るにつけ、「彼女と強く惹かれあってる」ってとこから彼の思いこみなのでは?女の子はただちょっといい感じだった男子程度にしか思っていないのでは?と思う。
新海誠の恋愛観って微妙だな…この映画は、気持ち悪くて子供っぽい男が妄想垂れ流しながら特になんのきっかけもないけど立ち直る映画なの?
映画なんだから、せめて何らかのきっかけはほしいよなぁ。起承転結の転がない。
タイトルのセンスと風景描写に★を2つ。最後の山崎まさよしで細かくカットを挟み、途中で曲がタメを作るところで映像も止めるという演出、しつこくてしらけたのでそこで-0.5です。
主人公のあらゆる行動が気持ち悪いけど、もっとも痛々しいのは「宛先のないメールを打ってる」ってとこ。しかもそれをちょっとかっこいいことみたいに言ってるとこ。まぁ高校生だからね…痛めの高校生ってそういうことするよね……と思って許すしかないけど。
桜の花びらが舞い落ちる速度が表すもの☆新海誠監督のアニメ映画
~ポケモントレーナーみゆきは、82点の経験値をもらった!~
2007年に上映された新海誠監督が手掛けるアニメ映画。
上映時間約60分間のコンパクトな物語になっています。
男女2人の学生時代から社会人にいたるまでの関係を描いています。
各コンセプトごとに3つの話に分かれた映画構成は、2人の人生を時間や成長と共に追っていく分かりやすい展開がなされていて、さすがは新海誠監督です。
子供の頃に焦がれた初恋、物理的な別れと心理的な動き、大人になってどう生きていくのか。
ポケモントレーナーみゆきにも初恋がありましたが、残念ながら成就はしませんでした。
この映画ではよくアニメにありそうな順風満帆な恋愛が描かれるのかと思いきや、その展開はもしかしたら身近に感じられるものかもしれません。
新海誠監督の美しい映像と、少し懐かしい雰囲気に浸りながらあの頃感じていた気持ちを60分間で味わってください。
ぜひ観てみてください。
★大好きなポケモンに例えると★
ヒメンカ
桜の花びらが舞い落ちる速度に自分の心が揺れ動く感覚を覚えます。進化することで得るものも失うものもあるのかも。
思い通りにならないのが人生。
貴樹と明里が、あんなにお互いを思っているのに、何で結ばれないのかなって思うけど、思い通りにならないのが人生なのかなって、そう思いました。
うらやましい人も世の中にはたくさんいるけど、大勢の人は、思い通りにならない人生で、つらい思いをしながら生きていくのだと、この映画を通して、感じました。
だから、今、なかなかうまくいかない自分のことも、ある意味、人生では普通のことではないのかと、そう楽に考えることもできました!
けっこうよかった
中学校、高校、社会人でパートが分かれている二人の男女の物語。高校生で鹿児島に行った彼が、誰にも向けないメールを常に打っているのが、あまりに思わせぶりな態度だし、スカしすぎでしゃらくさい。その時点でメールのやりとりしろよ。会社員になるとうつ病みたいになっていて、気の毒だった。最後は山崎まさよしの歌が感動的で涙が出た。
全224件中、81~100件目を表示