秒速5センチメートル(2007)のレビュー・感想・評価
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2話目の鹿児島での話が良かった。温度や匂いが感じられる映像だった。...
2話目の鹿児島での話が良かった。温度や匂いが感じられる映像だった。1話目では豪徳寺駅が出てきたから、あの桜はその近くなのかな。終わり方はなんだか腑に落ちない感じ。でも、そうやって胸を痛める程想う人がいることの幸せというか、そんなものを感じた。
切ないです (涙)
連作3本立てで描く、切ない恋の物語。
情景描写がとにかく綺麗。
日本の、普段の生活が垣間見えます。
その描き方がとにかくいい。
桜が散るスピード、と
いうのがまた切ないですなあ〜。
まるで、日本の小説を読んでいるような感覚がする作品でした☆
絵が綺麗☆
昔、漫画をもらったのを思い出して鑑賞しましたが、やはり絵のタッチが優しく丁寧で見てて和みますね。淡い青、紫を基調とした絵がもの悲しさを連想させます。
ストーリーはハッピーエンドが好みの自分としてはラストを書き足したいような衝動にも駆られましたが、遠く離れた初恋というのはこういうものなのかもしれません。中学生のタカキが雪の中単身電車を乗り継ぎ栃木に向かうシーンは1番印象的です。電車に乗る前のドキドキ感から、雪で時間通りに着かなくなったときの悲しみ、そして手紙を飛ばされたときの……。ふたりの関係はお互いに手紙を渡せなかったときに交わらないと決まってしまったのかもしれません。
見終わった後しばらくしんみりした気持ちに浸っていました。ふたりが幸せに暮らせていたらいいなと思います。
心理描写
切ない、切なすぎる!
誰もが感じたことのあるような喪失、そしてその後に前を向く話。
踏切のシーン、最後に主人公が前を向いたから、それまでの悲しみが昇華された気がした。
大切な相手との心の距離、それを繊細に感じて切なくなる感情が、美しく表現されていた。
思い通りにはいかないことも、だからこそ味がある人生。いやあ、よかったね!
繊細な美しさに惹かれる
切な過ぎ
切なっ‼︎
言えなかった「好き」という言葉
泣ける
泣ける。その一言に尽きる。
これは完全にネタバレだが、最後(見ているとなんとなく予想はつくが、僅かな希望を胸に見続けていると)電車が過ぎ去った後、女の子がいないのは誰もが泣けるだろう。山崎まさよしの曲もそれを助長する。
ただ二人だけの恋愛物語ではなく、その周り(何と言ったらいいのだろう)の恋愛も絡んできて、またそれがどれも切ない
よくみたら思ったより結構深い内容だった。
二年前に見たときは、村上春樹かぶれのナルシスさんが過去の女を回想するオ○ニー映画、でも表現がうまいからそれなりに観れる作品、という印象が最初でした。で、今回仕事場で日本のアニメについての考察という内容の授業に呼ばれて、外国人の学生に対して一日講師をしたときにこの映画について語ってくれと頼まれました。で、あらためてみると、すごくよくできた映画だというのがよくわかります。
大体3点くらい興味深い点があるんですが、まず一つ目は、この作品は望郷や追憶といった古来から日本の芸術の中で繰り返し使われていたテーマを、しっかりとアニメで表現しているところです。なぜ主人公が明里を探して新たな関係を築こうとしないのか、外国人には理解しがたいんですが、実は主人公は彼女と過ごしたその瞬間、体験、感情を愛でているわけなんですね。だから現実に成長した彼女を探すことには興味がない。「ふるさとは遠きにありておもうもの」なんてありますが、日本人は過去の記憶を過去の記憶のまま愛するんですよね。「ただおもってないで、さっさとふるさとに帰れよ」じゃなくて、子供のころに生きた、自分だけのふるさとをおもうこと、それぞれの幸せだったり苦しかったりした過去をありのままに愛して受け入れるというスタンス、それは突き詰めれば、現在を受け入れる姿勢に至るわけです。これは物語のテーマとも合致します。
二つ目は背景描写のリアリティーと人物のアニメ的表現のギャップです。監督本人も言っていますが、これは鑑賞者がより自然に映画の中に入っていけるための仕掛けの一つです。人間、背景は比較的客観に認知しても、己の姿、人と姿はたいてい主観を交えてみるものです。鑑賞者がそれぞれの個人の類似した記憶をたどりながら、登場人物に成り代わり、映画を鑑賞の対照ではなく、映画を「体験」する、という試みがなされています。
三つ目はエンディングテーマに出てくるタイトルです。通常、映画の始まりに出てくるタイトルが最後に出てくるのは、単に芸術的でなんだかかっこいいから、というわけではありません。これは主人公が過去の回想を終え、人生に区切りをつけて、あらたに歩き始まる、ということが表現されていると思います。つまり映画そのものは秒速5センチメートルという物語の前章で、実は映画が終わったところから本当の物語が始まるわけです。それは甘く苦い美しい回想ではなく、面倒くさいこともかっこ悪いことも含めた主人公の現実の人生です。興味深いのが、鑑賞者が登場人物に成り代わり「体験」したあとには、この物語の始まりは登場人物たちの始まりでありながら、鑑賞者自身の現実の人生にまで還元されることです。すなわち鑑賞者それぞれが登場人物たちに自分を重ね、それぞれの過去を回想し、映画の最後には現実の人生を物語に生きることを示唆するわけです。
うまく言葉で表現できていないかもですが、そういった意味でコンセプト自体が非常に新鮮で日本的、しかもちゃんと作品の印象とちゃんとつじつまが合っている、という点で、作品としてのクオリティはコンセプト、アニメとしての表現ともども、非常に高いと思います。
ちょっと演出的にはコテコテすぎてちょっと鼻につくところもありますが、これもコンセプト上必要な要素と考えれば、この作品は世界に自信を持ってお届けできると思います。
心の動きを詩的に描いた
総合:85点
ストーリー: 65
キャスト: 80
演出: 90
ビジュアル: 95
音楽: 85
世間を揺るがす大きな事件などなくても映画は成立する。花びらが落ちる速度の話をするだけでも、それが特別な時期に特別な相手とならば本人にとっては充分な大事件だ。そんな特別な相手との心の触れ合いと揺らめきが、時には人生に大きな影響を与えることがある。
特に最初の話「桜花抄」は極めて素晴らしかった。まだ何の力もない幼い二人の、精一杯の純粋な想いが伝わってきた。満開の桜の花びらが落ちる様子を見て、その速さを話し合う。そんなちょっとしたことの奥のほうにもそれが心に通じるものがあれば、それが実はとてつもなく大切なんだということを理解させる演出が、美しい絵と共に見事に描かれている。
それは想いの丈を詰めた心を書き込んだ一遍の詩を、純粋な気持ちで見た風景の絵に貼り合わせたかのようである。そんな思いを手紙に託して読みあげるあかりのちょっと幼い感じの喋りかたがせつなくて可愛らしい。
その離れ離れになった二人がまた会うことになったちょっとした旅の顛末が期待と焦燥を駆り立ててくれた。電車が遅れるだけ、たったこれだけの話をこの演出によってどうしようもなく不安を広げてくれた。
だがその後の二人がどうなったのかがわからない。第二編「コスモナウト」になると、二人にはまるで接触がなくなるのだ。まだ高校生の二人にとっては、種子島と栃木は絶望的なほどにあまりに遠い距離。別々の生活が二人に別々の人生を歩ませるのは仕方がないとしても、何故そうなったのかを少しくらいは見せてくれないと、その後の話に繋がっていかない。少なくとも東京に住む大学生になれば栃木なんて日帰りだって出来るし、十分に解決できる距離でしょう。
気になったので後で原作の小説を読んでもそのあたりは書かれていませんでした。まるでSF映画のような風景を背景にした遠い孤独な思いを描いた第二編はそれはそれでいい話であったのだが、最初の話との関連という意味で物語には不満が残りました。それが第三編になるとさらに話がぼやけてしまった。
それでも絵の美しさと心理描写の巧さ、特に最初の話を高く評価して高得点です。山崎正義をはじめとする音楽も、町や自然の音を効果音にする演出も上手。特に第一遍だけでもこの映画は十分すぎるほどに見る価値がありました。新海誠という新鋭の偉大な才能に巡り合うことが出来て良かった。
若い頃の忘れられない恋
あるある、若い頃の忘れられない恋愛って・・・
この主人公も相当引きずっていますね、観ていてこっちも辛いです。
映像が綺麗です。鹿児島の空とか海、宇宙みたいな夜の空とか。
何度も観たくなる映画ではないですね、結構面白かったけど。
ココロの「繊細」を感じる
新海誠つながりで「ほしのこえ」の次に観た作品。連作短編だから、3つとも別々の物語なんかな〜と思ってたら、3つで一つの作品になっていて驚いた。
①桜花抄
いきなり冒頭で「桜の花びらの落ちるスピード」が毎秒5センチメートルだと知って、ちょっと面食らった。普通は最後のほうになって、タイトルの意味が分かることが経験上多かったから。
本当にこの二人を見ていて、いいなぁって思った(「羨望」じゃなくて(笑))。明里、4時間以上も待つとは・・・。
手紙で「桜の木を見せたい」と明里が書いていたが、実際には豪雪の真冬。でも、雪もあたかも桜の花びらのようにやさしく降ってくる。
余談だが、栃木出身の身として一言。そんな「遠い」だなんて言わんといてください!上野から宇都宮まで新幹線で40分くらいだし、20年近く住んでいますが、在来線が2時間以上ストップする(しかも何にもないところで!)なんてことは一度もあった記憶がないです・・・。東京から100kmしか離れてないですよ!
②
分かってほしいのに分かってくれない。人は思ってほしいように思ってくれない存在なのかも。結局自分は何もできていないんじゃないか。何も分かっていないんじゃないか。そう考えると自分に腹が立つし、やるせなさを感じるときもあると思う。が、「相手に認めてもらえない」そういう経験をしたことも、きっと価値あることであるはず。
③
短いが、全てを説明しているのは見事。結局、大人の世界は二人を引き離してしまった。これでいいのか、そしてどうすべきだったのか。その答えは誰にも分からないと思う。
余計な知識はいらない。二人の有り様をありのままに感じてあげる、そんな見方もいいかもしれない。
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