「幼い、届かない、近づかない、恋心」秒速5センチメートル(2007) リュウシン!!さんの映画レビュー(感想・評価)
幼い、届かない、近づかない、恋心
細田守とえいばの写実的な描写モリッモリ。アニメーションなのにドラマのように入り込めてやっぱりいいですね。
計3パートに分かれた恋物語。それぞれ主役格は変わりますが、通して描かれている人物は2人。
その2人の想いや、そこに関わる人物の想いを小説のように語りながら魅せてくる。
写実的なアニメーションの裏で詩的な語りを常にしていて、満足感は満ち満ち。ずっと喋ってるし、語りは少し遠回しなので頭の回らない夜中に観るのはやめましょう笑。
“誰が語るか”“何を語るか”“何を語り、何を見せるか”で心情や想いを魅せてくる。60分ほぼずっと喋ってるけど、詩的で難しいのとは別にセリフだけで見ても多分ギリ内容は把握できなそう。補足的な意味ではなく、敢えて語らず絵で見せてきてると思う。アニメーションの活かし方が上手いんじゃ。
登場人物の気持ち悪さは、少しわかります。あどけなさとか女たらしだとか思うところは確かにあったけど、この一本で幼い両思い、青春の片想い、叶わなかった恋心を描写していると考えたら気持ち悪さもそこまで感じなくなりました。
あそこまで写実的に描けるのに人物だけ妙に気持ち悪く感じるのは、幼さや未熟さ、恋心の拙さなんかを表していると感じました。
展開があまりに早すぎてラストシーンはイマイチ感情移入できず……。澄田ちゃんパートが一番わかりやすく、自分も経験があるのでウワァァァってなりました。
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