劇場公開日 2007年3月3日

「男女の時間と距離感」秒速5センチメートル(2007) ゆり。さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 男女の時間と距離感

2025年10月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

もうちょっとで届くかもしれないのに、あと1歩が踏み出せないって事は人生の中で何度もある。
その時に踏み出せなかった事ってずっと引きずってしまい、忘れたつもりでも何かの折に思い出して微かに心が疼いてしまう。
そして時間の経過と共にその気持ちも変化していく、そんな話。

踏み出す事が必ずしも勇気とは限らないし、考えて踏みとどまるのも自分の選んだ事、と気持ちを切り替えていくんだろうと思います。

勇気を出して冒険した中学生の繊細な心が伝わってきて、この作品に感動する人の気持ちはよく解ります。オバさんにはそこまでハマりませんでしたが。

花苗は可愛いですね。新海監督の理想の女性像ではないでしょうか。
でも、サーフィンやる時も夜遅く帰って泣いてた時も腕輪やアンクレットを付けていて、サーファーの中で流行っているのかもですが、サーフィンやる時チェーンのアンクレットはケガしそうで危なくないのかなと思いました。

10/31追記
新海監督独特の男のこじらせ方、というコメントを頂いて、更に考えてみました。
最初、本作で一番描きたかったのは第1話で、第2、3話はその後日譚のような位置づけかと思いました。でも、貴樹の思い出の中の明里よりも私には花苗の方が魅力的に感じます。そして第3話が短いのは何故か。
そこで、これは男のロマンを具現化した作品なんだろうと思いました。第1話はまるで宝物のようなキラキラした初恋の思い出。第2話では可愛くて健気で理想的な女の子に慕われる。これらは男の願望で妄想のようなものだから第3話で現実に返らなければならないのです。
監督の意図とは違うかもしれませんが、こう解釈する事で、1話のかなり無謀な行動も2話で孤高の男を気取ってるような様子も、まあしょうがないかと思えました。

ゆり。
ひでちゃぴんさんのコメント
2025年11月1日

ゆり。さん、ありがとうございます。追記レビューも拝読し、同感です。一度好きになったらずっと好きという貴樹の気持ちもわからんではないのですが、ある意味トラウマ級の恋愛だったのでしょう。

ひでちゃぴん
ゆり。さんのコメント
2025年10月31日

男のこじらせ方、なるほど、そうですね。こんな宝物みたいな思い出、男子の場合は特に、人に話さないで心の中でずっと温め続けるのだろうから、余計にこじらせる気がします。女子だったら、たぶん友達が、新しい出会いを見つけるようにアドバイスしますね。
この思い出が仮に貴樹の妄想だったとしても(妄想ではなく実際にあった事と認識していますが)、こんな思い出が自分にあればいいなと思う人は多いでしょうね。

ゆり。
ひでちゃぴんさんのコメント
2025年10月30日

新海監督独特の男のこじらせ方があるなぁと感じます。

ひでちゃぴん
またぞうさんのコメント
2025年10月30日

実写版に共感ありがとうございました。原作でも大人貴樹はコミュ障なんだけど描かれていない隙間が多いから色々あるんだろうなと想像させるけど、本作は現在も明里に対する思いをこじらせていることを確定的に描いている、そこがちょっとアレでした。これだけ見たら違う感想だったでしょうね。

またぞう
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