「大人になって思うこと」秒速5センチメートル(2007) そうたんさんの映画レビュー(感想・評価)
大人になって思うこと
大人になって改めて見ると、“そんな本気ならもっとやりようがあったのでは?”と思わないでもないけれど、語られない色々なことがもっとあったのだろうと思うと、本当に切ない作品。
あの時言えなかった言葉とか、あの時渡せなかった手紙とか、あの時の最高の時間とか、そういう積み重ねで、どうにもならなかったこと、どうにかできなかったこと、って経験あるよな。そういうのを含めて、今をどう生きるかとか、人との距離感の取り方とか、素敵な学びになるのが一番理想的なんだろうな。囚われたままでいるよりは。
「その瞬間、永遠とか心とか魂とかいうものがどこにあるのか、わかった気がした。13年間生きてきたことのすべてを分かちあえたように僕は思い、それから次の瞬間、たまらなく悲しくなった。明里のその温もりを、その魂を、どのように扱えばいいのか、どこに持っていけばいいのか、それが僕にはわからなかったからだ」
これは、よく分かるな〜。
人との距離感の取り方が分からない貴樹くんのような男の子の物語だから。
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