劇場公開日 2013年12月6日

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「本作の失敗こそがショーグンの大成功を産む土台になったのです 本作がなければショーグンの大成功もなかったのです その意味で重要な作品です」47RONIN あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

1.0本作の失敗こそがショーグンの大成功を産む土台になったのです 本作がなければショーグンの大成功もなかったのです その意味で重要な作品です

2025年1月15日
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鑑賞方法:VOD

47RONIN
赤穂浪士のハリウッド版
大スターキアヌ・リーブス主演、豪華なセットや大勢のエキストラやSFX を駆使して経費もかけています
しかし結果としては製作費すら回収出来ないほどの大コケ
評価は海外でも日本でも最低という散々なもの
目も当てられないほどの大失敗作品です
本作は2003 年のラストサムライからちょうど10年後の2013年に公開された米国映画です
そしてそのさらに10年後の2024年にショーグン将軍が製作され
数々の賞を総なめにするほどの大成功と絶賛を浴びているのは皆さんご存知の通り
この3作品に共通することは、ハリウッドが製作した日本を舞台とした時代劇であること
真田広之さん、浅野忠信さんが出演していることです

日本の描写に関しては本作はショーグン以前の噴飯ものの旧態依然とした欧米人のイメージするエキゾチックな描写のままです
ラストサムライよりもさらに後退してしまっています
なんら考証を日本人や日本の本物に当たってみたと見受けられるところは一切ありません
資料として集めた日本風の写真をもとに米国人スタッフが自分たちのイメージに沿って作り上げたチープな美術、衣装に終始してます
たまにマシなものは偶々であると思います

ラストサムライの時点からこのような状況から正しい日本の表現を実現するにはどうしたら可能なのかの試みが真田広之さんをはじめハリウッドに進出した日本人俳優の皆さんの悪戦苦闘努力奮闘が始まったのだと思います
しかし出演俳優にできることは限られます
撮影現場で出来あがってしまったセットや衣装に文句を付けてもどうしょうもないのですから
ラストサムライはトムクルーズの日本好きが発言力の助力となったのでしょうか、本作の10年昔ながらまだ随分マシだったのです
しかし本作の惨状を観て真田広之さんは暗澹たる気持ちだったでしょう
プロデューサーの立場でなければ日本に関する描写の本質的なグレードアップは出来ない
ただの一出演俳優としてではやれることはほとんどないのだと思い知らされたのだと思います
そして日本の時代劇の専門的スタッフをハリウッドに呼び寄せることの必要性も
その鬱憤が10年後のショーグンに発揮されたのだとおもいます
つまり本作の失敗こそがショーグンの大成功産む土台になったのです
本作がなければショーグンの大成功もなかったのです
その意味で重要な作品です

あき240
えーじさんのコメント
2025年1月22日

変わらずの素晴らしい時代考証と洞察力、恐れ入ります。。

えーじ