「監督の悪いところが出てた」ダークナイト ライジング 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
監督の悪いところが出てた
クリックして本文を読む
そんなにややこしくする必要が果たしてあるのかと思わずにいられない。そのややこしさでドラマを盛り上げようとしているんだけど、そもそもそれが必要かどうか検討するとそうでもなさそうなので、結局自分でややこしくして面倒くさくするマッチポンプじゃないかと、見ていてバカにされている気分になる。『インセプション』の夢の攻防の話とか自分で勝手に困難な状況を設定して、たいへんドラマチックですなんて言われてもつきあっていられない。今回もそんな感じがとても出ていた。
また、地味でリアルな方に寄せている分、登場人物のキャラの薄さがつまらなさに傾いていると思った。見ていて面白かったのは執事のアルフレッドで、本当に面白くなかったのは大ボスのマスク男で、キャットウーマンも悪くないんだけど、ミッシェルファイファーと比べるとどうにも薄い。
特撮や撮影など現在進行形で最新の技術の集積による表現、センスのいいところもたくさんあって大変素晴らしかっただけに、そもそもの部分でつまらないのが大変残念だった。
コメントする