劇場公開日 2012年7月28日

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「単なるアクション映画なんかではない それだけならばノーラン監督が、ベインが呆気なくやられたりするような、こんな穴ぼこだらけの映画を撮る訳がないのだ」ダークナイト ライジング あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0単なるアクション映画なんかではない それだけならばノーラン監督が、ベインが呆気なくやられたりするような、こんな穴ぼこだらけの映画を撮る訳がないのだ

2021年5月15日
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鑑賞方法:DVD/BD

傑作ダークナイトを挟んで、第三作目
お話はもちろん第二作を踏まえてその8年後
本作の公開は前作から7年後なので、劇中と現実はほぼ同じだけの時間が経過している

前作の公開から本作までの間に何があったか
それは2009年のリーマンショックだ
その経済ショックは3年経過した本作にも影を強く落としていることがわかる

大富豪が文無しになる世の中は映画の中と、現実がリンクしている

ノーラン監督は本作で何をしたかったのか?
リーマンショックで自信喪失した世界

人は何故落ちるのか?
這い上がる為だ

どんなに絶望的であっても諦めるなというのが、本作のメッセージだったのだと思う
ベインの圧倒的な暴力、核融合炉の爆弾化は、金融恐慌への恐怖の暗喩であったのかも知れない

痛んだバランスシート、傷ついた金融資産
それでも無理をおして立ち向かわなければ、ゴッサムシティのようになる

2012年とはリーマンショックからようやく、ふらつきながら回復の兆しが見えて来た頃のこと
本作のラストシーンはその現実とのリンクだったと思う
そしてそれはそのまま、311 の東日本大震災ともリンクしている

バットマン三部作をどう締めくくるのか?
ノーラン監督は第一作に立ち戻り、傷つき死にかけであっても奈落の底から這い昇る物語
恐怖に立ち向かい打ち勝つ物語
それを撮らなければならないと決意したのだと思う

単なるアクション映画なんかではない
それだけならばノーラン監督が、ベインが呆気なくやられたりするような、こんな穴ぼこだらけの映画を撮る訳がないのだ
それには必然があるのだ

あき240