ヒューゴの不思議な発明のレビュー・感想・評価
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「モダン・タイムス」から時は流れて
様々な色や味、食感を持つクリームや生地が重なり、絡まり合って深みを生む繊細な仏蘭西菓子のように、とても丁寧に作られた作品だと思いました。
前評判どおり、飛び出すだけではない3D作品です。広がりある奥行きやふわっとした風の動きを、存分に感じることができました。(ちなみに、隣の女性客からは「3Dは、つくば万博以来だわ。」という会話が…。平日の字幕版でしたし、たまたまかもしれませんが、全般に年齢層が高かったです。)
様々な人や物が行き交う駅の雑踏から物語が幕を開け、シンプルな筋書きが、重層的に、豊かに語られます。中心となる少年と少女、老夫婦に加え、多様な駅の住人たちが登場しますが、誰一人「おまけ」ではなく、物語が前進するために欠かせない存在であることが明らかになっていきます。個人的には、久しぶりに愛らしい役柄だったエミリー・モーティマーの魅力を堪能できたのが特によかったです。彼女のどこか憂いある笑顔を見ていると、「花売りは、水仕事・力仕事の連続で実際大変だろうな」「そもそも、商売として成り立っているのだろうか」「病気の親や幼い弟や妹を抱え苦労しているかもしれない…」等と想像がふくらみました。さらには、警官と忠実な犬、カフェの犬好きマダムと老紳士、貸本屋、映画研究家…それぞれの語られぬ物語への想いも。スリリングに二度も登場したせいか、機関士たちにも隠されたドラマがあるように思われました。
かつてチャップリンは「モダン・タイムス」で、ねじを締め続けるうちに、単なる歯車として組み込まれ、飲み込まれていく現代人の悲哀を描きました。一方本作は、一見地味で個性のないねじ一つ一つに目を向けています。古いねじは再発見され、新しいねじは自分の場所を捜し当て、ぜんまいは動き始める。かけがえのない唯一つのねじとして、あるべき場所に収まり、役割を発揮することで、大きな変化の原動力となる喜びを描き出しているように感じました。
そこでふと思い出されたのは、隣の女性客の「つくば万博以来だわ」という言葉。…つくば万博!当時は、科学と未来への夢が詰まった祭典、というイメージでした。(私事ながら、友からおみやげにもらったコスモ星丸くんの消ゴムは、もったいなくて使わずじまい…。)そもそも、隣の女性はどんな経緯で万博に行ったのでしょう?お子さんにせがまれて?今はお子さんも成長し、お孫さんがいるのかも…等と、客席に集った人々の物語へも、想いはしばしふくらみました。思い出すにつけ、今もなお。
映画の父・メリエスを物語へ織り込んだ映画史へのオマージュ、という巧みさ、魅力は勿論ですが、市井の人へのあたたかなまなざしも、この映画の持ち味だと感じています。
【”夢の発明。それは映画。”今作は、両親を亡くし駅の時計塔で寂しく暮らす少年が”機械人形”と出会い、失意の元映画監督に再び精気を蘇らせる映画愛溢れるヒューマン・ファンタジーである。】
■1930年代の第二次世界大戦が始まる前の華やかなりしパリが舞台。
父親(ジュード・ロウ)が遺した壊れた”機械人形”と共に駅の時計塔に暮らす孤独な少年・ヒューゴ・カプレ(エイサ・バターフィールド)。
機械人形の修理に苦戦していたが、優しい少女イザベル(クロエ・グレース・モレッツ)と仲良くなり、一緒に機械人形の秘密を探っていく。
そして、ヒューゴが直した機械人形が自動で描いたのは、月の目玉にロケットが命中する絵であった。
◆感想
・観ていれば分かるが、今作は映画愛に溢れている作品である。
分かり易い所で言えば、シネマトグラフィイを発明したリュミエール兄弟の「列車の到着」「工場の出口」チャップリンの「モダンタイムス」そして、今作の主役と言っても良いジュルジュ・メリエスの「月世界旅行」である。
初見時には、映画の知識が無かったので気付かなかったが、(流石に、チャップリンの「モダンタイムス」は、分かったが。)今観ると、数々のサイレント映画など映画創成期へのオマージュをふんだんに盛り込んでいる。
・画が、抜群に美しくて、特にパリ駅構内の構図や、人々の衣装などは素晴らしい。又、”機械人形”を初めとし、時計台の中の歯車の作りや、ゼンマイ仕掛けのカラクリの数々も素晴らしい。
・ヒューゴが、パパ・ジョルジュ(ベン・キングズレー)の店から、色々な部品を拝借して修理していた”機械人形”が、ジュルジュの養女、イザベルが首から下げていたペンダントのハート形の鍵を差し込むとカラクリでジュルジュ・メリエスの「月世界旅行」の中の有名なシーンである”月の目玉にロケットが命中する絵”をスラスラと書きあげるシーンも良かったな。そして、最後に”機械人形”が記したサイン”ジョルジュ・メリエス”。
カラクリって、観ていて楽しいモノであるよね。
・イザベルの協力もあり、第一次世界大戦により、人々が映画から離れてしまい、自身の夢が詰まっていた映画会社を失い、心を閉ざしていたパパ・ジョルジュ(=ジョルジュ・メリエス)の心をヒューゴが徐々に解いていく様も、素敵である。
・個人的には、厳めしい鉄道公安官(サシャ・バロン・コーエン)が、花屋の美しい女性リゼット(エミリー・モーティマー)に惹かれて、人間的になって行く姿が好きだな。
<ラスト、大学教授で少年時代にジョルジュ・メリエスの映画製作所を訪れた事が忘れられないルネが、彼の作品の多くを見つけ出し、メリエスが晴れやかな顔で表彰式に臨んだ時のヒューゴに対する感謝のスピーチも、良きシーンでありました。
今作は、両親を亡くし駅の時計塔で寂しく暮らす少年が”機械人形”と出会い、失意の元映画監督に再び精気を蘇らせるヒューマン・ファンタジーなのであります。>
マーティン・スコセッシ監督のファンタジーもの
「ハリー・ポッターシリーズ」は個人的には「賢者の石」どまりだったため、本作にも多少の躊躇はあったが、マーティン・スコセッシ監督のファンタジーものならばと、ずいぶん遅ればせながらではあるが鑑賞。
作品冒頭の、時計のゼンマイからのパリの街並みシーンは、これだけで本当に観て良かったと心から思ったほど素晴らしい。その後も終始映像と音響でファンタジー感に十分浸れた。
しかし、ストーリーはどうだろう。ちょっとポイントが拡散していたような気がする。主役すら行ったり来たりでおぼつかない。映画のルーツは勉強になったが、テーマはそこ?邦題は適切?文語は仏語で口語は英語?なんやかんやと、ツッコミどころ満載。
とは言いつつも、冬にはピッタリの作品だったし、不朽の名作「ニュー・シネマ・パラダイス」を彷彿させる映画に対する想いとノスタルジック感はとても良かったと思う。
ところで、マーティン・スコセッシ感はどこ…?
映像が綺麗なので世界観に惹きつけられる。 ファンタジーだけどファン...
映像が綺麗なので世界観に惹きつけられる。
ファンタジーだけどファンタジーっぽくなく、ストーリーが微妙に盛り上がりに欠けるのが残念だが、ジョルジュ・メリウスの映画とリンクしたストーリー自体はおもしろいと思う。
映画愛にあふれた作品
期待して行ったものの、ちょっとがっかり。
日本語吹き替え版の、セリフのちょっとした表現に違和感を感じまくりでした。
ストーリーの展開がゆるい上に、ポイント毎に偶然の連続で、3D表現もむしろ疲れを助長するものでした。
出演者も良かったし、映像も迫力あったのに、お話が…
映像の美しさが印象的。 駅ナカの店の商品を盗みながら大時計の中で生...
映像の美しさが印象的。
駅ナカの店の商品を盗みながら大時計の中で生活している少年ヒューゴ。
鉄道公安官がやけに高圧的だったり、孤児院がまるで少年院のような言われ方をされていたのは1930年代という時代設定のせいか。
美しすぎる映像ゆえのデメリット
最初から最後まで、どんなシーンを切り取っても美しすぎてファンタジックで最高の映像だと思います。
古いフィルムを現在とつなげるあたりもすばらしかった。
なのに高得点にならないのは物語が美しすぎる映像の影になってしまっているからかもしれないです。
お話運びは決して悪くはないけど特別よくもない、そんな気がしてしまいました。
月世界旅行を観てたどり着きました。
内容は、2007年作ユゴーの不思議な発明を原作とした映画制作の原点とも言える時代の話。主人公のヒューゴが突然孤児となり時計台を管理する叔父に引き取られる所から始まる。そこで時計の保守点検中にモンパルナス駅に集う人々を盗み見て楽しんでいる主人公が駅の一角に興味を持ち駅構内に降りる事で、様々な人達と出会い冒険が始まる。時計の🕰歯車が⚙回り始める様は人の人生を表す様で、喜怒哀楽や途方もない絶望からの希望や救いを表している様でいて感慨深い大人な映画の作りになっている。『月世界旅行』というメリアスの作品をオンデマンドで見た時皆さんのコメントを読みこの作品を知りました。早速拝見したら皆さんの言葉通り違う角度と焦点からメスエスの人となりが読み取れ非常に面白かったです。映画好きな人々にも感謝します。好きな言葉は『悲しみを知るには早すぎる』ママの言葉で言い表せない程の無力感と挫折感と寂寥感を複雑に表現された言葉だと感じた。ミッドポイントの深淵を覗き込んだ絶望『私は壊れた玩具だ』パパの言葉も傷口に塩を塗る🧂様に責めている訳では無いが思い込んで打ち拉がれる様子が痛々しくて良かった。好きな場面は、駅構内に集うゴミの様な人々の動きやハレーションを起こす逆光の映像。埃や空気感がVFXやコンピューター技術を使い巧みに映像化されている所が素晴らしい。元々M.スコセッシに監督依頼される予定の原作だけあり映画脚本寄りに作られた文庫で、題名が疑問視されたりするのも否めないと感じました。色々なキーワードが大人な作品を盛り上げて観ていて世界観に入り込む事が出来て楽しかったです。映画資料館の大きな天井。W W1。浮浪児。蒸気機関車。モンパルナス駅。ミニチュアダックスフンド。リュミエール兄弟。チャップリン。エジソン。シネマトグラフ。映写機。月世界旅行。玩具屋。手品師。映像作家ジョルズ・メリエス。誰にとってもそれは新しい事だったのだ。この物語を通じて伝えたい事は山ほどあると思われますが内容も濃くて子供には分かりづらいので少しやらかしてしまった感覚がありますが予備知識あると非常に興味深く楽しめます。最後にタイトルについての何故ですが『ヒューゴの不思議な発明』は保安官の左足補助装置だと思います。映画最後に僅かに出てくる場面で、それにより過去の呪縛から解かれ自分は人間になったと言っている様にヒューゴの不思議な発明は人の心を安らぎへと導いてくれるモノや目に見えない意志との考えは映画通して難しすぎるのかも?!と同時に映像の美しさの為に目を奪われ評価しづらいのかもと感じました。
スコセッシの映画愛
スピルバーグみたいに子供が楽しめるSF冒険ファンタジー映画を作ったかと思いきや、映画の創世記を中心にジョルジュ・メリエスの晩年を描いたような半自伝的内容にも思われ、邦題の娯楽性をイメージする題名に良くも悪くも騙される。
ロケットが突き刺さった月の奇妙な顔から「月世界旅行」だとジョルジュ・メリエスを知らなくても支障は無いが、何ら知識もないと大人でも戸惑うような物語構成で、単なる子供向けかと思いきやスコセッシが本作を撮った理由や意味は何となく理解出来る。
まぁ単純にデ・ニーロとのコンビ作やギャング物を撮るスコセッシが好きな自分には合わないが、退屈せずに楽しめる内容ではある。
壊れた機械になぞらえて、意味のない人間は誰一人いない、壊れた心は修理できる 映画にはそれができる力があるのだというメッセージなのです
心から感動しました
まことにスコセッシ監督が手がけるに相応しい、いや彼がやるべき仕事であり、彼にしか出来ない作品であり、彼が熱望して取り組んだ仕事です
すべての映画好きは本作を観て、スコセッシ監督のメッセージを受け止めて噛み締めるべき作品です
あなたはマーティン・スコセッシ監督が1990年に立ち上げた非営利の映画保存団体「ザ・フィルム・ファンデーション」の活動をご存知でしょうか?
2006年よりはグッチの支援を得て何本もの映画フィルムを危機から救ってきたのです
例えば溝口健二監督の「雨月物語」、ニコラス・レイ監督の「理由なき反抗」、ヴィスコンティ監督の「若者のすべて」などなど問答無用の映画遺産を4Kデジタル修復版で修復してきたのです
そのことをご存知の方なら本作をスコセッシ監督が撮った意味も意義も、もうよくお分りのことてましょう
ジョルジュ・メリエスが、いかに大きな映画の礎を築いたのかを本作では、メリエスのスタジオをセットで再現して、そこで監督自らがメリエスのつもりで彼の映画撮影の再現までして見せているのです
そのリスペクトぶりは半端ではありません
メリエスが手品師であったことは本作で初めてしりました
彼こそは映画の始祖の一人であり、特撮の創始者であったのです
怪獣映画も、ファンタジー映画も、宇宙SFもみんな彼の映画からはじまり、基礎テクニックもすべて彼がゼロから生み出したものだったのです
改めて驚嘆しました
そしてスコセッシ監督が、本作で初めて3D撮影、デジタルカメラ撮影に挑戦したことの意味が分かりました
単に3D映画が流行しているからだとか、デジタルカメラ撮影の方がコストや編集が楽だとかそんなつまらない理由ではないのです
時代に合わせて新しい技術に挑戦する姿勢
それをメリエスから教えられ、スコセッシ監督自ら、メリエスに負けまいと取り組んだに違いありません
「冒険したくない?」
そんなメリエスの声を監督は原作を読んで聞こえたのかしれません
ヒューゴはスコセッシ監督そのものの投影なのです
本作はそんなことはさて置いても、ジュブナイル映画として見事な出来栄えです
絵を描く機械人形、子役の素晴らしさ、鉄道公安官の造形、モンパルナス駅の人々、プロットの広がり、それでいて何一つ無駄がないないのです
スコセッシ監督の実力の凄さが充満しています
メリエスが映画撮影を止めてしまった原因は、第一次世界大戦で過酷な現実を舐めたことで、お気楽な映画は人気が無くなってしまったことだと劇中で説明されます
平和の大切さもメッセージにあります
何より壊れた機械になぞらえて、意味のない人間は誰一人いない、壊れた心は修理できる
映画にはそれができる力があるのだというメッセージなのです
ヒューゴの不思議な発明
本当の不思議な発明は、それはメリエスの映写機だったのかもしれません
キネマの天地に軍配。
序盤豊潤な映像と良さ気な伏線が、終盤からのテーマへと繋がらぬ。
少年の目的とそれを阻む障害が喰い違う。
脚本に難アリ。
伝説の巨匠夫婦の大味な再評価物語より、活動写真好きの市井の老旅役者とスターの可憐な少女時代を撮ったキネマの天地に軍配。
愛に溢れている
2012年3月劇場鑑賞
スコセッシは私が一番好きな監督で、今回のキービジュを見た当初は「え?」って感じでした。
ゴリゴリと掘下げる苦悩する心の内や、遠慮の無い暴力描写等を常とする監督とは正反対に位置する作風です。本当驚きました。
そういえば「自分の子供に見せたい映画を作りたい」といった記事を見た記憶がうっすらとありましたが、これの事だったんですね。
本作はスコセッシ初の3D作品でもありました。
自分はと言うと3Dはディズニーランドのマイケルのヤツ以来です。
アバターは見そびれてしまった口ですし。
本編の前に色々と3D作品の予告もやってて、「わー、今の3Dは何だか凄ぇなぁ…」とか思いました。技術の進歩って素晴らしいですね。
で、本編が始まったらもっと驚きました。
さっきまで見ていた3Dとは別物の美しさ。舞台となる巴里の街並の俯瞰から、駅の構内の人並みを滑るようにすり抜ける映像は本当素晴らしかった!頭っからやられてしまった感じです!
随所に3Dをいかした色々な演出がありましたが、それを一番気持ち良く感じれたのは「雪」や「漂う埃」でした。
もの凄くその場の空気が感じられて、変な言い方かもしれないですけどとても落ち着くんですよね。
この話は亡くなった父との絆を探す冒険活劇だと思います、世の中的にはファンタジーの枠なんでしょうけど。
狭い世界で展開するロードムービーのようにも感じました。
あと、やたら個人的な気持ちですけど主人公ヒューゴの着ているニットがとても可愛くて、欲しくて欲しくてしょうがありませんでした。自分に似合うかは別な話で。
最初からでしたけど、本作はずっとワクワク感が凄かったです。
子供の頃の夏休みのような感覚が、映画を観ていると胸の奥からぴょこぴょこと顔を出して来ます。何だかやたら体がムズムズしました。
あと、この作品はもの凄く愛に溢れていて、それだけでも充分気持ち良いのに映画そのものに対する愛にも満ち溢れていました。
スコセッシって本当映画が好きなんだなって思いましたね。
ずっとドキドキしてて途中では涙も出て来て、ラストにはふわっとした暖かい気持ちになれる。そんな作品でした。
この日は久しぶりに素晴らしい映画を観れました、それがとてもうれしかったです。
2D を観て、3Dも観たい完璧な作品
邦題の「これはお子様映画ですよん」と言わんばかりの題名は、この作品にはそぐわないと思います。
主人公たちはなるほど子供かも知れないが、大人も唸る感動の名演技を見せてくれているからです。
原作の原題が「ヒューゴ・カブレの発明品」だったのに、映画の題名が「HUGO」となった経緯は、私は知りません。
しかし「HUGO」というのは、映画が好きでたまらない大人のための映画であることを示唆する良い題名だと思います。
なぜ日本でも、ヒューゴという題名で公開しなかったのでしょう。
それはともかく。
駅。
そして圧倒的な人混み。
この二つこそが映画の原点です。
事実、1895年にフランス人のリュミエール兄弟が誕生させた世界初の映画は、工場の正門から労働者がうじゃうじゃと吐き出されてくる映画「工場の出口」でした。
そして初めて有料公開されたのが「シオタ駅への列車の到着」でした。
本作の中ではただひたすら群衆の人混みの中を主人公が駆け回ります。
そして、突っ込んでくる汽車への恐怖という重要なモチーフが2度登場しますが、あきらかに後者へのオマージュです。
7年後、現在の「ドラマとしての映画」の元祖『月世界旅行』がフランスで制作されます。
監督はジョルジュ・メリエス。
そう。本作でも実名で登場し、重要な役回りを演じている人です。
本作を観て、しみじみと再確認させられました。
映画というのは、大成功した作品だけではなく、結果としてどんなクソ映画に終わった作品であっても、制作に関わった人たちはみんな一人残らず、観客の喜ぶ姿を見たくて映画を作って来たんだよなという、ごく当たり前の事実です。
観客の喜ぶ顔を見たいと思って、工夫に工夫を重ね続けて100年。
努力の蓄積によって、映画はついにこの天空の水準にまで到達したのですね。
その歴史を思う時、感動が胸に込み上げる作品でした。
なお、お子さま方からは、イマイチだという反応も耳にしました。
そりゃそうでしょう。
これは歴然とした大人の映画。
お子様には理解できない映画だろうと思うのです。
主人公が子供だから安直に子供映画として宣伝して子供を呼ぼうと思うような、日本の映画業界のスケベ根性こそが日本の映画界をダメにしたのだな、ということも、フと思わされたことでした。
ファンタジーというよりか、現実世界において空想を実現させてくれるの...
ファンタジーというよりか、現実世界において空想を実現させてくれるのは映画という存在であるということを改めて教えてくれる非常に素晴らしい映画だった。映画に対しての愛とイマジネーションをかきたててくれる存在であることを再認識させる。街並みの映像美が非常に素晴らしく、駅にいる役の人々も特徴が一人一人濃く、コミカルでよかった。
思ってたのと(良い意味で)違う
あまり前情報なしに機械人形を巡る冒険ファンタジーだと思って見始めて、途中でこれは物語の力と映画史を通したそれぞれの自分探しの映画なのではないかと思った。
昔は良かったじゃないけども、現在まで脈々と続く映画と物語の歴史に敬意をはらいたくなる一本。
映画の歴史
大学で映画の歴史を勉強していて、たまたま見たこの映画が映画の歴史の詰まった作品だったことに驚き。
作品としてそこまで面白いとは感じなかったが、実際の映画の歴史を詰め込んでいることと、映像の美しさがあるので、興味がある人は見てみるといい。
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