「メリエスに捧げられた美しいファンタジー」ヒューゴの不思議な発明 ミアさんの映画レビュー(感想・評価)
メリエスに捧げられた美しいファンタジー
駅の時計台から見える宝石のように煌く夜景
悲しみを湛えたような瞳の機械人形
玩具箱のような画面は隅々まで美しい。
『手品のように、壊れた機械を直してしまう
ヒューゴの不思議な物語を見せてあげよう』
『写真を動かすだけの技術から、物語のある映画を生み出した
ジョルジュ・メリエスは、こんな風に映画を撮ったんだよ。』
『映画はどんどん進化している。でも古い映画も今の映画も
みんなの宝物だから、大切に未来へ残さないといけないね!』
マーティン・スコセッシ監督の声が聞こえた人には、
5点満点でも足りない素晴らしい映画だ。
ただ残念な事に、3Dの見せ場を作る事に脚本の主眼が置かれ
登場人物の描き方が平面的で感情移入する事ができない。
もうほんの少し、彼らの心情を描く場面を加えて欲しかった。
たとえば
博物館の片隅で眠っていた壊れた機械人形に、一目惚れした
ヒューゴのお父さんが、大切に彼を家に持ち帰る場面。
たとえば
映画を見たくて堪らないイザベルが、パパ・ジョルジュに厳しく
禁じられ、悲しむ場面など・・。
タイトルは「発明」でなく「修理」だろうという気もするが、
「魔術」とか「魔法」の意味合いで使われた言葉なのかもしれない。
同じ原作をティム・バートン監督か中島哲也監督が撮ったら
どんな映画になっただろうと想像してしまった。
リメイクが許されるとしたらメリエスの母国フランスで映画化される場合だけだろうが。
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