「映画少年スコセッシ」ヒューゴの不思議な発明 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
映画少年スコセッシ
最初、スコセッシが3Dファンタジーを作ると聞いた時、誰もが「!?」と思ったハズ。
しかし、いざ見てみると、スコセッシが終始笑顔で撮影している姿が目に浮かぶ、映画愛溢れる映画だった。
これはファンタジーではない。
勇気と夢と希望に満ちた奇跡の物語だ。
主人公ヒューゴは、紛れもなくスコセッシ自身。
ヒューゴがジョルジュ・メリエスを見つめる眼差しは、往年の数々の名作を愛したスコセッシ少年そのもの。
大監督となった今、手掛けたこの作品は、スコセッシの往年の数々の名作へのラブレター。
その感性と想像力と映画愛は変わらない。
いつまでも瑞々しい映画少年なのだ。
撮影のロバート・リチャードソンの華麗なカメラワーク、それを見事に繋いだ編集のセルマ・スクーンメイカー、細部までこだわった美術のダンテ・フェレッティ、フランチェスカ・ロシャボ、衣装のサンディ・パウエル、映画を彩った音楽のハワード・ショア、スコセッシをサポートした常連組の仕事ぶりは、賞賛せずにはいられない。
映画と永遠の映画少年スコセッシに感謝したい映画。
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