「オタク明快。」天地明察 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
オタク明快。
原作はもちろん読んでいない、天文学にも興味がない、疎い、
算術?…いやはや、昔から理数系が大嫌い、ときている自分。
これだけ無知な人間が観ても理解できる作品なんだろうかと
思いつつ、でも主役がジャニーズだし、監督・滝田洋二郎だし、
まぁ大丈夫だろうと踏んだら本当に大丈夫だった(いやはや^^;)
原作はこれほど現代エンターテインメント化してないそうだが、
(そりゃそうだよね)実在した初代天文方の半生と長い道のりを、
楽しく勉強しながら観せてくれたと思う。映画興収も、ご明察。
碁打ちの名家に生まれながら、星と算術にオタク度を発揮する
どうしようもない主人公には冒頭から笑みが零れる。
好きで好きで仕方ない興味には、持って生まれた家系以前に
嵌るだけの要素があるってことなのね。分かるー!とかいって。
しかしそれを基に改暦まで成し遂げてしまう執念には恐れ入る。
彼が存在しなかったら(偉大なる関孝和さんがいましたけれども)
これだけの大事業は成功しなかったかもしれない。何しろ朝廷に
二度も撥ねつけられ(汗)、それでもめげずに上表したんだものね。
元々頭も宜しかったでしょうけれど、オタク精神も負けちゃいない。
こういう不屈の精神モノって、けっこう好きなのだ。
しかしこれだけ長い年月、彼を支えてきた人物達の功績も大きい。
妻・えん(宮崎あおい)は、よく耐えたなぁ~支えたなぁ~と感動し、
関さん、保科さん、建部さん、伊藤さん、そして光圀公、…とまぁ、
演じたキャストもスゴイけど^^;後ろ盾がタダモノではないのよね。
これだけ推してもらったら何が何でも!の心意気は高まるだろう。
失敗して腐っても、またやり直して取り組んでいく春海(算哲)には
観ている方も(長い上映時間にも)頑張れ~!としかいえなかった。
やたら現代風の味付けをしている部分も多いのだろうと思うが、
総じて最後まで楽しめる青春娯楽時代劇だった。
実はあれほど日本中が騒然となった「金環日食」も見ていない私が
(TVでは何度も見たけど)、今作では「食」を何度も見ることができた。
これだけ見れたから由とするか^^;
(しかし正確な暦って確かに大事。そういや実家は毎年買ってるわ)