「コトバを尽くさないこと。」キツツキと雨 みぃさんの映画レビュー(感想・評価)
コトバを尽くさないこと。
本当に大事なことを相手に伝えたい時、言葉を使えば使うほどなぜか自分の思いとは遠く離れてしまうことがある。この作品はあくまで言葉に頼らない。普通はそぎ落としていいか迷うような一見大事に見える筋肉をそぎ落としまくって映画を作っているイメージの沖田監督だからこそできる心に沁みるいい作品だった。
毛布包まれたような、寒々しい部屋で温かいココアを飲んだように、じんわり癒された。
何をやってもうまくいかなかったり、些細なことの積み重ねで「自信」はあっという間になくなるけれど、諦めないで動けば周りも変わるんだな。うまくいかないのは周りのせいだけじゃない。全ては自分次第なのだと。
言葉で言わない頑張れを、作品全体から贈られたようで、素直に「自分も頑張ってみよう」と思える作品だった。
キャストも凄く良かったし、小栗旬が今までみた中で1番良かった気がする。エンディングの星野源は秀逸だった。この作品にまさにぴったりの一曲。
しかし、人生に置いて食事するというのはなんて大事なことなんだろう。その人がどんな状況にあったとしても、たとえコンビニ弁当だろうと豪華な食事だろうと家族と食べようと1人で食べるごはんだとしても、いつなんどきも食事をするというのはその登場人物の人生を語る名シーンだなと思う。
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