劇場公開日 2011年9月23日

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「核テロにおける究極の極限的な捜査を描く」4デイズ k.moriさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5核テロにおける究極の極限的な捜査を描く

2012年4月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

知的

核爆弾を設置したテロリストに対して、設置場所を吐かせようとする、捜査班のさまざまな拷問や説得において、人は極限状況においてどのような選択、行動をとるのが最善であるかを、登場人物達の対話や葛藤を通して、かなり精密に描いてゆく力作。

何が正しいのかという理屈を越えて、何をしなくてはならないのかを優先すべきとする信念。人としての正しさを貫けない状況においても人は普段通りの人間性を保つべきであるという信念。人によりとるべき態度は分かれるであろう。観る者に、このような極限状況において、あなたならどうするか、どう考えるかの選択を迫るような内容になっている。

リアリズムと人道主義、勝利と敗北、善悪と正邪、生と死と愛。こういった言葉の意味するものが、極限状況において、人それぞれにどのような形で表れ、あるいは変質してゆくのかを可能な限り深く掘り下げてゆこうとする、非常に知的なドラマである。

4本目の爆弾がどうなったかが不明のまま終わるのは意図的なものなのか。テーマはそれ以前のところで終了と考えたのか分からないが、個人的には4本目が爆発するというシーンを入れるとさらにシリアスさが増すのでは、とも思われた。

k.mori