劇場公開日 2012年1月21日

「映画職人達の創作意欲へのチャレンジに観客は何処までついて行けるのだろうか?」ALWAYS 三丁目の夕日’64 Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)

1.5映画職人達の創作意欲へのチャレンジに観客は何処までついて行けるのだろうか?

2012年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

3Dにして、観る意味があるのかなぁぁぁ!!!???
Allways3丁目シリーズは私の好きなシリーズ映画なだけに、今回はあえて点を辛く付けたい。勿論今迄通りに、好きな作品ではあり、決して嫌いと言う事ではない。
前作ファン故に、それだけに自分も知らず知らずの内に勝手に自己の中で期待が膨らみ過ぎて、白紙の状態でこの作品を自分自身観れないでいるのかも知れないが、今回は感動の気持ちが込み上げてくる事はなかったんだよね。その理由は?と言うと以下のようになる。

この映画の主役は一体誰だっけ?主人公は誰だ???みたいな感じが今回特にある。
茶川なのか、鈴木オートファミリーなのか?ロクちゃんなのか?誰が誰だか徐々に解らなくなってきて、その結果として誰にも感情移入が出来難い状態になったのは、自分だけ?
1作目は、茶川を軸に、その彼の恋愛とご近所のおせっかいな人情話しのはずだし、続編では、売れない作家、茶川が賞を受賞出来るかも?との大騒動と茶川のヒロミとの結婚。
鈴木オート一家は、1作目、2作目も茶川の良きご近所さんで、常に茶川に絡んでくるのだが、その茶川の生活の中で大きな存在であるのが、ヒロミとの結婚と血縁関係こそ無いが、茶川と淳之介との親子の物語である。
そして同様に、鈴木一家も今回は、血縁でない六ちゃんの嫁入りに絡んでの親子関係も、茶川と淳之介との関係のパターンの繰り返しを描くのに似ている。主要メンバーが大勢で、それぞれのキャラが個性的で、笑えるのは本当に楽しいのだが、それぞれのキャラを立たせるためには、どれも丁寧に人物像を練り上げる必要が有り、尺がその分長くなるし、時間配分が同じ感じで過ぎて行く。六ちゃんの結婚となれば、相手を巧く描かなくてはならないし、中途半端に出来ないので、言うなれば、メイン料理が4品も有るフルコースでは、お腹が途中で一杯になり過ぎて、次に出て来る料理がいかにも綺麗で、美味しい料理ではあっても、、満腹になってしまった後では、決して豪華で見栄えの良い料理も、美味しさを堪能しきれずにいる事と同様に、この作品は、コースを残さず無理矢理詰め込んで完食させられた様な感じで、観終わった時の爽やかな感動が味わえなかった。とても残念でならない。
前菜も、スープもサラダテンコ盛りと言うのではなく、肉料理か、魚料理か二者択一してじっくりと料理を堪能するコース料理がお薦めな様に、この映画ももっとあっさりとした、詰め込み過ぎずない、シンプルな人情劇して、味わいたかった!!!
続編はもう無いよね???64と言うのを西暦ではなく、昭和64年?って勘違いをしたと言っていた友人がいたけれど、この先は、どうするつもりだろう?
『男はつらいよ』や、『釣りバカ日誌』の様に本格的なシリーズにしていく事も可能なのかも知れないが、これからはどうなっていくのだろうか?
私は、1作目と2作目の良さを大切にして欲しいので、これ以上続編の制作発表は、止めて欲しいと考えるのだが、あなたは、この映画をどう観るのだろうか?この映画で、あなたなりの昭和の旅を楽しんでもらえたらきっと作者は、それだけで幸せになれるだろうな!

ryuu topiann