大鹿村騒動記のレビュー・感想・評価
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心電図を整える
「騒動記」と呼ぶにはあまりにも小規模で内輪的な一連の事件。数十年前に蒸発した女がどうだの、落石がどうだの、村の催しがどうだの。 しかし2000メートル級の連峰に阻まれた山間の村落にとっては、それらはどれも「騒動」として記録されるべき一大事なのだ。私はこの大鹿村の隣の隣にある同じくらいの規模の村の出身だ。そこでは平坦に延々と続く農耕生活のあわいに句読点を刻み付けるかのようにいくつかの伝統的な年中行事が行われる。華美で大々的なハレの行事と、粛々と起伏のないケの日常。その反転を契機に人々は季節や時間の感覚を得る。それは心電図に近いのかもしれない。穏やかな線分が一定の間隔で上振れる、戻る、また上振れる、また戻る。ここで重要なのは、その一連の浮沈が永久に同じリズムを刻み続けることだ。そのリズムが乱れてしまえば、村落は共同体として心不全を起こしてしまう。ゆえに日常を異常たらしめようとする作中の出来事の数々は、まさしく「騒動」なのだ。 本作では村の外からやってきた人々、つまり村のリズムを崩しかねない要因を、村が受容し、自らのリズムの内側に組み入れていくまでの過程が丹念に語られる。全体として、また往年の阪本順治作品としては地味な印象は否めないが、それゆえに村落の日常風景をリアリスティックに活写することに成功している。そして村人たちが織り成す群像劇の向こう側には村落の自浄作用ともいうべきダイナミズムがひっそりと顔を覗かせている。なぜこんな小さな村で伝統芸能が生き残り続けているのか、あるいはなぜこんな小さな村がまだ小さな村として機能し続けているのか。そうした都会主義的な問いに対する静かで強かなアンサー。 本作公開時に確か私はまだ小学生で、近所の公民館に本作のポスターが所狭しとベタベタ貼られていたことを思い出した。どうせこの辺でしか上映しない地域映画だろ、と思っていたらまさかの阪本順治だったという。何に対しても失礼なガキだったな。
とはいうものの……。
レビューの高評価をたよりに、なんの予備知識ももたずに観てきました。 実在する長野県の村歌舞伎が舞台です。 ストーリー自体は、ちょっと痛いので、ホントは★★★でも良いと思ったのですが、演者たちの努力(特に本作が遺作となった原田芳雄)に報いる意味で、★★★☆とします。 群像劇っていうのかな? とりたてて太いストーリーがあるわけではなく、道端の野草の花を楽しむように、一つ一つのシーンを楽しむ映画か、と思ったのでした。 ただ、目をひそめる存在が「性・不同一症」の子。 いなくて良いだけでなく積極的に不愉快な存在で、なぜこのような存在を映画に入れねばならないのかと思ったのでありました。 「吉本・ジャニたれ・釜・韓流」抜きで、ちゃんとまともなシナリオが作れないのかねぇ。 日本の映画業界って、ホント情けないと思います。
キャストはしっかりしてる。ベテランばかり。 内容はのんびり系。 昭...
キャストはしっかりしてる。ベテランばかり。 内容はのんびり系。 昭和っぽい映画。 家族はつらいよとか好きな人には観れるかも。 まぁ真剣に観るような映画ではなかった。
よっ!千両役者!!!
大鹿歌舞伎を中心に据えた物語。 江戸時代、非行化したり、江戸に流入するのを止めたりするために、若者に熱中できるもの、村おこしにと、都会から歌舞伎役者を呼んで始めた歌舞伎。巡業の歌舞伎をまねて始めた歌舞伎と結構いろいろなところにあった地方歌舞伎。ほとんどが廃れてしまったが、今も埼玉とか人知れず地道に残っている地方歌舞伎。そんな歌舞伎の一つであろう大鹿歌舞伎。 ゆる~い物語。 「若気の至り」が40代の出来事で、「若くないだろ!」と突っ込まれはするものの、それから18年。すでに”老境”に片足突っ込ん人々が織りなす物語。 緩さが心地よい。 オムツをしているころから一緒にやってきた仲間だから。喧嘩しては仲直りしてきた仲間だから。 しかも、”伝統の歌舞伎”を成功させるために、仲たがいしてもなんとか折り合いをつけてやってきた仲間だから。 憎みたいけれど憎めない。排除できない。そんな絶妙な葛藤がにじみ出てくる。そんな割り切れない心情を見事に表現して見せてくれる原田氏がいい。 憎みたいけれど憎めない男を演じている岸部さんも圧巻。 同じように憎みたいけれど憎めない女を演じていいる大楠さんは、さらに女の業、そして大人の女の責任の取り方もちゃんとわきまえている女を演じきっていらして格好良い。 だから、この三人に感化されて一歩を踏み出す、佐藤氏と松さんが”青二才”にみえるし、とっても自然な流れを醸し出す。 かつ、そんな三人を見守る歌舞伎仲間がいい味を出してくれる。 特に、三國氏の存在感。原田氏演じる善さんが泣き言を漏らしに行く場面で、唐突なロシアでの話。あんな風に切り出されちゃったら、「頑張ります」というしかないよなあ。 実直そのものなんだけれど、古狸の面目、煙に巻くという、ぬらりひょんか?!といいたくなるようでいて、この人のためなら一肌も二肌も脱ぎたくなるような、それでいて有無を言わせない人物も、三國氏が演じると至極自然に見える。稀代の名優だと思う。 そんな芸達者たちが、名優と謳われた歌舞伎役者を演じさせてもきっちり演じ切るであろう役者たちが、地方のボランティア歌舞伎役者をそれらしく演じ切る。ちょっとした調子外れも計算のうちであろう。 大鹿歌舞伎の演目。「恨みも仇もこれまで」と未来に向けて大円団になる物語。 そんな演目をベースに、善さんを取り巻く物語とが相まって展開する。 人生経験を重ねてきたからこその境地。 愛おしくもおかしみのある物語。 こんな風に、私も大円団を迎えたいと思った。 <蛇足> 昭和世代にはこそばゆいネタも満載。 「ディアイーター」って『ディア・ハンター』かいっ?何度か読み直してしまった(笑)。 原田氏が歌う『おら東京さ行っただ』『木綿のハンカチーフ』も感慨深い。 「居残り佐平治」は落語ネタ。フランキー堺氏で『幕末太陽傳』として映画化もされている。 他にも、私が気が付かないだけであるかもしれない。
大鹿歌舞伎のPRが目的か
長野県大鹿村で300年続く歌舞伎の事を知るきっかけになる映画。 まさに軽妙といった感じ。 大楠道代がチャーミング。 原田芳雄に付き物の石橋蓮司もいるが、今作では岸部一徳がパートナー、ぴったりしっくり。
大鹿村の宣伝映画? いいところですね、行きたくなりました。特に映画...
大鹿村の宣伝映画? いいところですね、行きたくなりました。特に映画がきっかけで実際に営業するようになったという劇中のジビエ料理屋、今もやっているのでしょうか。 人生晩年の役者魂を見る映画。これが遺作となった原田芳雄、役者としての集大成、そんな心意気が伝わってきます。 そして三國蓮太郎。せっかくの共演なのに息子佐藤浩市との絡みがないのは残念でしたが、さすがの演技です。 ストーリーは??的な部分ありなのですが、渋い役者陣が勢ぞろい。まるで原田芳雄の集大成を見届けているかのよう。合掌。 劇中の貴子のようになってきた私もそろそろ終活を考えなければ(笑)
馬鹿鍋 @ Deer Eater
派手さはないけど、大ベテラン達の出汁が効いていました。歌舞伎の話と村の人間関係が重なり、面白いし絶妙に良く出来ていると思いました。 残念なのは土砂降りのシーンで要の台詞が聞き取りにくいことくらいでした。
おもしろかった。阪本監督はスターさんの扱いがうまいと思う。
阪本監督は好きだし、価格が1000円と安かったので、見にいきました。 前から思っていたのですが、普通の邦画(お金のかかっているもの以外)は1000円でいいと思う。 「ハリー・ポッターと死の秘宝PART2」(自分は一番初めの作品で脱落したので、今回も見ないけど・・・)と同じ価格では、どう考えてもおかしい。 価格を下げれば、客数が増えるのは小学生でもわかる理屈だし、満足度も上がります。内容や上映館数にもよるけど、興行的にも、そんなに変わらないか、逆によくなると思う。 自分もこの映画が、通常の価格だったら、見なかったと思う。 さて、映画の内容ですが、くわしくは書かないけど、全体的にはよかった。 コメディーなのだろうけど、コメディーというより、感動作かな? 阪本監督のスターさん扱いのうまさに感動しました。 主役は原田さんなのだけれど、出演しているスターさんには、必ず数か所見せ場を入れていて、そこだけは、その人を主役にしている。 元々スターさんで、演技はうまく、ここが見せ場と頑張るから、主演作品をメドレーで見たような気分になりました。 それでいて、バラバラにならず、全体としてもまとまっているところがいい。 音楽のセンスもよくて、挿入されている音楽もよかったし、エンドの清志郎の歌もよかった。 ただ、コメディーだとしたら、笑いのところがちょっと弱いかな? 笑わせなければと、中途半端な演技になっている役者さんもいた。 阪本監督はコメディーじゃない方がいいような気がした。 *週明けに、主演の原田芳雄さんが亡くなられたことを知り、びっくりしました。 原田さんのご冥福を、お祈りいたします。
ほんわか
ベテラン俳優の軽みと監督のくすぐり炸裂の作品。 同窓会的雰囲気が心地よかった。 善さんの「バッカじゃねぇの」返し。「大変じゃねぇ、変だ。」 バスの運転手がひそかに恋する女が男に会いに東京へ行くところ、 「行かせねぇ」と言ってバスをバックさせちまう。 原田芳雄の最後のセリフが「あれっ」ってなに? リニア新幹線、デジタルチューナー、外国人労働者、性同一性障害などの時事ネタ。 なにせ大鹿歌舞伎は300年以上の歴史があるそうだから、時事ネタがないと年代が特定できない。 騒動記なのだから歌舞伎を削ってでも騒動をもっと観たかった。
古き良き人情喜劇
豪華出演陣で、古き良き「人情喜劇」を思わせる作品だけれど、なんといっても「70歳を迎えてどうしても演っておきたかった」という原田芳雄の思い入れが作り上げた滋味深い群像劇です。原田芳雄の映画『父と暮らせば』でも見せた奥深い人間味、岸辺一徳特有の哀感。三國連太郎の飾らない存在感。そして石橋蓮司、小倉一郎などの個性豊かな名わき役が一体となって、久しぶりに日本映画らしいシャシンが完成したことに拍手です。なお、エンドロールで流れる忌野清志郎の「太陽の当たる場所」がまた良いですね~。 原田芳雄さん、忌野清志郎さん、安らかに!そして、ありがとう! 余談ですが、地方紙によると、村役場に大鹿歌舞伎の問い合わせが激増し、村役場はちょっとした「騒動」になっているようです(^o^)
人生を喜劇に変えるのが演劇と役者の力だ!
鹿児島には六月燈(ろくがつどう)という一種の夏祭りのような行事がある。 特に僕の住んでた集落(大鹿村に毛の生えた程度の田舎)では六月燈で、 大人達、子ども達がそれぞれちょっとした劇を演るんですね。 小さな集会所に集落の方々が100人超集まって、その目の前で劇を披露する訳です。 某有名時代劇をモチーフに、時事ネタを絡めたり、 大人の劇ではこの映画みたくチョイと下ネタ交えたり。 だからこの映画を観てやたらと懐かしい気持ちに襲われてですね。 台詞トチって笑いが起きたり、殺陣のシーンじゃ拍手が起きたり、 そりゃこの大鹿村歌舞伎ほど本格的ではないけど、 よおく憶えてるんです。見てても演ってても賑やかで楽しかった事は。 演劇を楽しみにしてくれる人達がいる。だから、演じるのが楽しい。 役者さんが役者を続ける理由ってのは、案外そんな単純な想いからじゃないかしら。 笑いと拍手の止まない大鹿村歌舞伎を楽しみながら、そんな事を考えた。 まあ歌舞伎って正直、何を喋ってるのか僕には半分も分からないんだが(笑)、 演者の迫力と快い雰囲気のお陰で結構楽しめてしまった。 老い・過疎・職業難・その他人生の悲しみ諸々。 この映画、扱っているテーマは深刻なのに、殆ど重さを感じさせない愉快なシーンばかり。 点滴を持って踊る佐藤浩市。 冨浦智嗣と瑛太のロマンス(?)。 塩辛を嬉しそうに抱える大楠道代。 最高に滑稽な岸部一徳。 (世田谷難しいんですッ!) 馬鹿騒ぎを眺めてキュウキュウ鳴く小鹿さえ笑いを誘う。 一方で、三國連太郎の登場シーンでは人生の重さを受け止めてみせる度量も見せて見事。 そして原田芳雄。 なんてカウボーイハットとグラサンが似合うんだ! 歌舞伎のシーンも素晴らしい声と迫力! 時折見せる複雑な表情も印象的だった。 「酸いも甘いも、全部纏めて人生よ」 と言わんばかりに、歌舞伎に全部載っけて笑い飛ばすその気骨がカッコ良い。 しかし…… この駄文をチンタラ書いてる間に、原田芳雄が逝ってしまった。 ずたぼろの身体を押して試写会に参加し、 演者としての役目を最後まで果たした原田芳雄。 きっとお客の笑顔を壇上で、自分の両の眼で観たかったんじゃないかな。 そんなカッコ良すぎる貴方は、湿っぽい別れの挨拶じゃなく、 劇中同様の掛け声で送ってあげたい。 「ィヨッ、大統領ッ!!」 最高の役者魂、見せて頂きました! <2011/7/16鑑賞>
大イベント・歌舞伎はギクシャクした人間関係をも呑み込んでくれる村の浄化剤
女房に逃げられたことも、その女房が帰ってきたことも筒抜けの小さな山村。ここにはプライベートなんてものは存在しない。 女房を連れ出した男を呪ってはみたものの、その男が村に戻ってくれば、なんだかんだいっても受け入れてしまう。ここでの人を量る基準は『村の人間かそうでないか』がいちばんなのだ。 なにはともあれ、住人が助け合っていかないと村は成り立たない。 人の女房を連れ出したバツの悪さがあっても、久しぶりの故郷に溶け込むお調子者の治(岸部一徳)、女房を寝取られても昔のように治に接してしまう善(原田芳雄)、ふたりの掛け合いは漫才のようにおもしろい。 駅ができるはずもないリニアの建設に賛成する権三(石橋蓮司)が実は土木業者で、反対する者と一緒になんか歌舞伎はできないと練習を拒んだりするくだりも、子供っぽい可笑しさとともに、村ののどかさを醸し出す。 喧嘩しても逃げ場のない村、顔を合わせないわけにはいかない小さな村。 年に一回、300年以上続けてきた村の大イベント・歌舞伎はギクシャクした人間関係をも呑み込んでくれる村の浄化剤のようだ。 歌舞伎の本番、舞台の袖で善の妻・貴子(大楠道代)が舞台に立つ善に向かって呟く「許してもらわなくてもいいから」、それに続く原田芳雄のクローズアップは、このふたりだけが共有しうる情愛が滲み出る。 三國連太郎がシベリア抑留時の話をする場面は、間の取り方といいアドリブといい、ほんとに巧い。 抑留中、同郷の友を失った老人の経験は、そのまま村の歴史を物語る。 原田芳雄さん、70年代前半、浅丘ルリ子さんと共演したTVドラマ「冬物語」での煙草を吸うあなたは渋くてカッコよくて、“大人の男”として憧れでした。 ご冥福をお祈りします。
ベテラン俳優陣へ敬意を表します。
忘れられないけど 思い出したくもない女が帰ってきた。 長野県の大鹿村で、300年の歴史がある「大鹿歌舞伎」の上映を数日後に控えたある日、18年前に親友と駆け落ちした女房が帰ってきた!ボケてカケオチしたことも忘れて!! 出演は、原田芳雄、大楠道代、岸部一徳、佐藤浩市、松たか子、冨浦智嗣、瑛太、小野武彦、三國連太郎 という豪華陣が固めます。 豪華な出演陣をおいても、贅沢な映画だと思いました。 キツイ言い方をすると(少なくとも若者に)今、この映画で興行収入を得る需要はないけれど、「演じたい、撮りたい」という夢を形にした映画。そして長く役者人生を歩んできた役者のご褒美映画。 それでも、安心してみれる心地よさ。 年を重ねてきたから出せる雰囲気は、ちょっとやそっとでは真似できません。 評価は3★+アルファ。 それは、年配者への敬意かな。。。
この役者魂を笑い飛ばせ
拙ブログより抜粋で。 -- しかして、原田芳雄である。 筆者がこの映画を観たのは7月19日。そう、彼が永眠された日。 当初よりこの映画は観るつもりで、前日には公式ホームページを見たりしてたんだけど、この日突然の訃報を聞いて日を選ばずすぐさま劇場に駆けつけた。 享年71歳。俳優としてまだまだ活躍盛りでの早すぎる死に、劇場では本編終了後、自然と拍手が湧き起こった。 自分も拍手を贈りながら、改めて本作が原田芳雄最後の映画であることを噛みしめた。 大鹿歌舞伎で映画が撮れないかと持ちかけたのは原田芳雄自身からだそうだ。 この題材に俳優として感じ入る何かがあったんだろう。 地芝居は神に捧げられた各地の奉納芝居に端を発するが、それが都市部で流行する見せ物としての歌舞伎となり、さらに旅芝居として地方を巡り、それを観た農民たちが娯楽として自ら演じ始めたのが今各地に残る地芝居、村歌舞伎なんだそうだ。 原田芳雄は演じる村民の姿に役者としての原体験を見たのであろうか。あるいは長い俳優生活を経て、ここにたどり着く運命だったのか。 俳優・原田芳雄は、くしくもこの遺作の中で“役者”の役を演じている。 昨年秋のこの映画の撮影中、すでに病魔との闘いの真っ只中にあったとの報道もあるが、映画の中での彼の表情は喜々として、とてもそれを感じさせない。 それは役者の役を通して、役者であること、演じることの喜びを最期の力を振り絞って表さんとしているかのようだ。いや、最期まで役者でいられることの喜びを全身全霊で満喫していると言った方がよいか。 かくして「仇も恨も是まで是まで」の決めぜりふ。 日常のいかんともしがたい悲喜交々の中で担う芸能の役割。 いつの世も絶えぬ苦難や哀しみを乗り越えるべく村民が守り続けた地芝居にその答えがあるとこの映画は伝える。 原田芳雄はさらに身をもって、それを体現してしまった。俺のことなんて笑い飛ばせと言わんばかりに。 死の間際まで役者をまっとうし、演じることの原点を見せてこの世を去った名優に、合掌。 -- 全文は『未完の映画評』にて。
名優たちが魅せてくれる!
原田芳雄、大楠道代、岸部一徳、石橋蓮司、でんでん、そして三國連太郎…挙げたらキリがないくらい贅沢過ぎる豪華出演者たち。 普段ならベテランの佐藤浩市が若造に見えるほど。 やっぱり映画は役者の演技を見る為にある。 どんなにCGが発展しても、生身にはかなわない。 そこに、阪本順治の見事な演出、荒井晴彦の優れた脚本が加わり、映画本来の面白さや魅力を堪能させてくれる。 今年の夏は「ハリー・ポッター」や「コクリコ坂から」などが話題を呼ぶだろうが、そんな中で、ひっそりと熱い支持を集めそうな気がする。
きれいな自然が一杯の空気感!
村の人々の熱意がじかに伝わってきました。 伝統ある地方歌舞伎への思い入れがエキサイトし はっちゃけた。 主役の原田さんの、心の入れ方が熱い。 村と映画集団が溶け込んだ「素朴な賑わい」が見え、南アルプスの空気感が澄みきっている。 女優陣の「手がたく、かしこそうな安定した演技」には安らげる。 まるで観客も 撮影キャンプに参加できているような触感だった。
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