「探偵どうでしょう。」探偵はBARにいる ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
探偵どうでしょう。
原作は未読、とにかく大泉洋が出るということで、かなり以前から
宣伝しまくられていたこの作品^^;
相棒スタッフが集結し、さらに探偵の相棒には松田龍平。
期待させる面子だけが頭に浮かび、かなり高期待を寄せていたが…
原作の面白さ?を知らないので比べようがないが、なんで初回が
この話だったんだろう…?探偵がバーで電話を待っている。のは
いいとして、実に昭和的でベッタベタなシチュエーション。一瞬、
角川映画か!?と思ってしまったほど。俳優陣の演技で大方救われ、
最後まで観れるが…最後もあの終わり方^^;
どこにも「相棒」らしさが感じられず、非常に残念な感覚が残った。
脚本が悪いのか…?いや、原作がこの通りなのか?分からないけど、
もう少しテンポのある描き方をして欲しかった気がする…。
さて、肝心の探偵役・大泉洋。
彼の俳優としての演技は嫌いではないし、ヘタではないと思うのだが、
今回はムダに「どうでしょう」キャラを出しすぎているように感じた^^;
彼の出世作「水曜どうでしょう」を長年観てきたファンは分かると思うが、
今作は彼の「素」が随所に顕れている。おそらくは、そのコミカルさを
狙って彼を起用したのだろうが、この人は真面目に演技しても笑いを
とれる俳優なので、かえって邪魔に感じる。そのキャラとアクションが
どうにもミスマッチで、かなりのハードボイルドに、流血アダルト系を
プラスした探偵の素顔が、明らかに洋ではない。でも洋が演じている^^;
カッコいい洋、として描かれても問題ないキャラクターに、素の洋、が
ねずみ男の如く、邪魔をしかけているのだ。どうにも安定していない。
例えば龍平の父が演じた「探偵物語」もハードボイルドにコミカル要素を
合わせていたが、あのキャラを優作は完全に自分のものにしていた。
次回作も(アクション要指導で)決まっているそうだが、それまでに洋の
キャラ作りが成功していますように…とただ願う。
相棒・高田の松田龍平。
この人の演技はいつも通り^^;で、特に大差がない(爆)
先日観た「まほろ駅前~」で演じた行天とも、ほぼ大差がない。
ひょうひょうとして頼りなく見えるのに、腕っぷしが強い!っていう、
父親直伝のオーラを引き継いで独特の演技を仕掛けてくる。この人は
多分このまんまのキャラで相棒を通すと思われるので^^;まぁいいとして。
やっぱり探偵のキャラを安定させて欲しい気がする。
他、小雪も西田敏行も高島政伸(怪演!)も悪くないのだが、
どこをとっても予定調和すぎる。何のカラクリも描かれないまま話は進み、
最後の最後までハードボイルド…。とにかくドンパチと流血はハンパない。
ドラマ的で良かったのは、探偵が過去を思い出したところ。
小説とは違うようだが、あのくだりで探偵の人間的な部分が少し描かれ、
彼女への想いが伝わってくる。
それにしても…すぐにケータイ買っちゃう探偵ってどうでしょう?
あくまで黒電話にこだわって欲しかったんだけど…(マスター好きだし)
次回作に期待。
(本はいいけど、映画なので電話の声も分からないようにして欲しかったな)