「社会をまだ知らない少年と愛情を忘れた父親のSF感動ドラマ」リアル・スティール トーレスさんの映画レビュー(感想・評価)
社会をまだ知らない少年と愛情を忘れた父親のSF感動ドラマ
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親子の絆を描いた作品はいくらでもあるが、この作品は今までにない、近未来ロボットを使ったド派手なSFと連続するアクションシーンで絆を描いた新しい挑戦である。
そして逆に格闘や戦闘アクションを見せ場に観客を魅了する作品もいくらでもあるが、今回は最後の結果を見ればわかる通り親子は似た者同士だといわんばかりのシーンを交えて"親子の絆"というテーマが決定的に裏に配置されている。
同じマシンの主でも大人社会の中にある現実をまだ知らず20万ドルの価値も知らない少年と愛情を輝かしかった過去に置き去りにし、ロボットの闘いを金儲けの手段としてしまう父親ではそのマシンの価値は全く変わってくる。息子は誠実な心で鉄に夢を馳せ、父親は現実社会の中で金儲けの希望を鉄に込める。
廃品置き場にあったあの鉄屑は持ち主によって手段としてのガラクタ、つまり「現実の鉄」(リアル・スティール)にも成り得、「純心な夢」(リアル・スティール)にも成り得るのだ。
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