「俳優オリラジ、なかなかうぃ〜ね〜!」津軽百年食堂 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
俳優オリラジ、なかなかうぃ〜ね〜!
青森県弘前市を舞台に、父の入院をきっかけに実家の老舗食堂を継ぐ事になった若者の奮闘劇を、百年前の初代店主の姿と交互させて描く人情ドラマ。
オリエンタルラジオが映画初主演。
跡を継ぐ現代の4代目店主を藤森慎吾、初代店主を中田敦彦が演じる。
実質主人公の藤森が普段の“チャラ男キャラ”を封印してしっかり役者し、中田も明治男の雰囲気を出している。
これ見よがしに青森の名所が登場し、青森のご当地映画と言ってしまえばそれまでの事だが、根底にあるのが伝統と家族の物語。
父と喧嘩し実家を飛び出して東京でバルーンアートの職に就くも、同居女性に実家仕込みの津軽蕎麦を振る舞ったりと、実家への思いは強い。
戻って来て父と度々衝突しながらも、さくら祭で実家伝統の味を披露する。
その源は、初代店主から受け継いで来た伝統。
戦争の貧しい時代、腹を空かせた人々に振る舞った蕎麦の味。
公開直前にあの未曽有の震災に見舞われ、温かな作風が奇しくも復興エールに繋がった。
美味しい蕎麦が食べたい。
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