劇場公開日 2011年6月25日

アンダルシア 女神の報復のレビュー・感想・評価

全50件中、1~20件目を表示

3.5【79.0】アンダルシア 女神の報復 映画レビュー

2025年8月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

作品の完成度
2011年公開の映画『アンダルシア 女神の報復』は、織田裕二演じる外交官・黒田康作を主人公としたフジテレビの「黒田康作シリーズ」の劇場版第二弾。スペインのアンダルシア地方を舞台に、日本人投資家の死を巡る国際的な陰謀と、それに立ち向かう黒田の姿を描く。
本作は、前作『アマルフィ 女神の報酬』(2009)と同様に、国際的なスケール感とサスペンス要素を兼ね備えた作品。しかし、ストーリーの展開は前作以上に複雑さを増し、様々な登場人物の思惑が絡み合う。脚本は複数の要素を盛り込みすぎた感があり、事件の真相に至る過程がやや難解。特に、国際的な金融犯罪と日本の政治家による汚職という二つの大きなテーマが交錯する点が、物語を冗長にしている。また、黒田のキャラクター造形も前作に比べてややぶれが見られ、本来の外交官としての冷静沈着さよりも、感情的な行動が目立つ場面も散見される。
演出面では、スペインという異国情緒あふれるロケーションを最大限に活かした映像美が特筆すべき点。アンダルシアの美しい街並みや壮大な自然が、物語の雰囲気を一層引き立てている。しかし、アクションシーンの描写は、ハリウッド映画のような派手さには欠け、全体的に抑え気味。そのため、サスペンスとしての緊迫感や、アクション映画としての爽快感は今ひとつ。
全体として、豪華なキャストとロケーションを活かしきれていない印象。ストーリーの複雑さやキャラクターの描き方の不徹底さから、作品の完成度は高いとは言えず、多くの観客が抱いたであろう期待を完全に満たすには至らなかった。
監督・演出・編集
監督は西谷弘。テレビドラマ『ガリレオ』シリーズや『昼顔』など、多くのヒット作を手がけてきたベテラン。本作でも、ヨーロッパの美しい風景を巧みに捉え、ロケ地の魅力を引き出す手腕は健在。しかし、物語の展開が複雑なため、観客をスムーズに物語に引き込むためのテンポ感や緩急のつけ方は今ひとつ。編集も、様々なシーンを細かく繋ぎ合わせているため、全体として散漫な印象を与えている。特に、終盤の真相解明に至るシークエンスは、説明的な台詞が多用され、映像による語りが不足しているため、観客の理解を阻害している。
キャスティング・役者の演技
* 織田裕二(黒田康作)
外務省の外交官。冷静沈着で正義感に溢れるが、時に感情的な行動も辞さない。前作に引き続き、主人公・黒田康作を演じる。織田は、このシリーズを通じて、これまでの熱血漢な役柄とは異なる、クールで知的なキャラクターを体現しようとしている。しかし、本作では、感情的な葛藤や過去の出来事に対するトラウマが強調され、キャラクターが不安定に見える場面も。彼の演技は、時折見せる鋭い眼差しや、緊迫した状況下での冷静な判断力を表現しようと試みるものの、物語の展開に振り回されている印象。特に、感情を爆発させるシーンでは、前作までの彼の演技とは異なる側面を見せているが、キャラクターの一貫性を損なっている感は否めない。
* 伊藤英明(神足誠)
スペインで事件を捜査するインターポール捜査官。黒田と行動を共にする。伊藤は、黒田とは対照的な、情熱的で正義感に燃える役柄を好演。英語とスペイン語を流暢に操り、国際的な捜査官としての説得力を持たせている。彼の演技は、黒田との間に生まれる信頼関係や、事件に対する熱意を丁寧に表現しており、物語に深みを与えている。特に、アクションシーンでの身体能力の高さは、役柄に説得力を持たせている。
* 黒木メイサ(新藤結花)
謎のフリージャーナリスト。事件の鍵を握る人物。黒木は、クールでミステリアスなキャラクターを演じ、物語にサスペンス要素を加えている。彼女の表情は常に読み取ることが難しく、観客を飽きさせない。しかし、彼女の役柄が持つ過去や動機が十分に掘り下げられていないため、物語における存在感が薄くなってしまった感は否めない。
* 福山雅治(佐伯章悟)
日本人の投資家。スペインで遺体として発見される。福山は、回想シーンや写真での出演。彼の存在は物語の出発点であり、その死が物語全体を動かす重要な鍵となる。少ない出演時間ながらも、彼が演じた人物の過去や性格が観客に伝わるような、説得力のある演技を見せている。
脚本・ストーリー
脚本は真保裕一。原作小説は存在せず、映画のためのオリジナル脚本。ストーリーは、スペインで起きた日本人投資家殺害事件を発端に、日本の政界を巻き込む巨大な陰謀へと発展していく。金融犯罪や汚職といった社会派のテーマを扱っている点は評価できるが、複数のプロットが複雑に絡み合い、物語が散漫になっている。特に、結末のどんでん返しは、それまでの伏線が十分に活かされていないため、唐突な印象。登場人物の行動原理や感情の動きも、深掘りされないまま展開が進むため、観客が感情移入しにくい。
映像・美術衣装
スペインのアンダルシア地方でのロケ撮影は、本作最大の魅力。セビリア、ロンダ、グラナダなど、歴史的な街並みや雄大な自然が、まるで観光映画のように美しく切り取られている。映像は、明るい日差しと影のコントラストを活かし、サスペンスの雰囲気を高めている。美術は、スペインの街並みや建物が持つ異国情緒を忠実に再現。衣装も、黒田のスーツスタイルをはじめ、各登場人物の個性を反映したものが選ばれている。
音楽
音楽は、フジテレビのドラマ『昼顔』や『ガリレオ』シリーズなどを手掛ける菅野祐悟が担当。主題歌は存在しない。劇伴は、物語の緊迫感を煽るようなオーケストラサウンドが中心。スペインの民族音楽を想起させるような楽曲も用いられ、ロケーションと物語の世界観を繋いでいる。
受賞・ノミネート
本作は、アカデミー賞や主要な映画祭での受賞・ノミネートは確認されていない。

作品
監督 110.5×0.715 79.0
編集
主演 B8×3
助演 B8
脚本・ストーリー B+7.5×7
撮影・映像 A9
美術・衣装 A9
音楽 B8

コメントする (0件)
共感した! 0件)
honey

1.5福山雅治と戸田恵梨香のギャラ分でもうちょいクオリティー上げれんかったんかな?の印象が一番強かった。

2025年8月15日
Androidアプリから投稿

シリーズだから切れないご縁があるんですね。
ほぼ役割のないキャラにメインキャスト級の役者を起用する意図とは??
ジャケットに写真があることによってマーケティング的に利益のでるという戦略なのかな?
内容だけじゃ収益伸ばせないことを潔く吐露する姿勢の現れなのかな?
外国語喋りがちで洋画補正がかかって少しワクワクしたが、アクションとかはしっかり邦画クオリティーで残念だった。伏線もバカでも分かるようにあからさまに張っていくスタイルでイライラしたし。
黒木メイサのフランス語と表情はよかった。
ポーカーのシーンはクレイジーリッチのようにもうちょとテンポ良くもうちょっと考察しがいのある勝負だったらば心意気を感じれたので見習ってほしい。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ディミトロ

0.5かなりつまらなかった🇪🇸

2025年8月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

海外ロケ×有名キャストですが、全く面白くなくてヤバいです。伊藤英明さんがレッツゴーレッツゴー言っていました。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
𝖒𝖚𝖓𝖆𝖈𝖞

1.0相変わらずでした

2023年12月31日
PCから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
プライア

3.0海外ロケは認めるけど

2023年7月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
Bluetom2020

3.0アマルフィからの

2023年5月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

2023年5月27日
映画 #アンダルシア #女神の報復 (2011年)鑑賞

映画「アマルフィ女神の報酬」及びその続編のドラマ「外交官黒田康作」の完結篇スペインを舞台とした映画第2作。アマルフィのキャストが再登場
福山雅治、伊藤英明、谷原章介、黒木メイサ、戸田恵梨香⋯と豪華出演陣が売りの映画です

コメントする (0件)
共感した! 0件)
とし

3.5金がアマルフィの続編。今度はフランス・スペイン、どんだけ金がアンダ...

2022年7月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

金がアマルフィの続編。今度はフランス・スペイン、どんだけ金がアンダルシア(笑)
前作並みの駄作を期待したが、まあまあ面白くて残念(笑笑)
謎めいた美女を黒木メイサが好演、伊藤英明も頑張っていた。
前作を激賞した評論家が炎上を告白してたのが笑えた。懲りたのか、本作は酷評。ただ織田裕二だけはまたもやの激賞。この人にとってはスーパースターのようだ。評論を鵜呑みにするのはやめましょう。自分が面白いと思えればそれが一番。
興行成績は前作に遠く及ばなかったらしい。「踊る大捜査線」からの織田人気もここらあたりから下降していったのかな。
BSフジ

コメントする (0件)
共感した! 0件)
はむひろみ

3.0ストーリーの構成、展開、ハラハラ感もあり、巻き返しもありと、前作よ...

2022年6月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ストーリーの構成、展開、ハラハラ感もあり、巻き返しもありと、前作より断然こちらの方がおもしろかった。
黒木メイサも良かったし、雰囲気に合っていたと思う。
意外に楽しめました。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
よっしー

2.0盛り上がりに欠ける

2022年1月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

笑える

悲しい

怖い

しっかりした俳優陣を揃えているのに何だか盛り上がりには欠けました。アマルフィよりは、まだ良かったかも。伊藤英明の刑事と織田裕二の黒田のワイン樽付近での連携プレーか?と思わせるところは、ニヤリとしてしまった。アメリカ並みに予算があればストーリーの背景だとしても、スペインの闘牛シーンが本番シーンだっただろうな。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ケイト

3.5地球の歩き方サスペンス

2022年1月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

今度はアンダルシア。なかなか面白い展開でした。
脇を固める戸田恵梨香さんと福山雅治さんがナイスキャラですね。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
光陽

3.5癒されるスペインの風景

2022年1月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

警視総監の子息がアンドラで亡くなった。織田裕二扮する外交官黒田康作は、黒木メイサ扮する第一発見者のビクトル銀行通訳新藤結花と伊藤英明扮するインターポールの神足に物盗りの犯行ではないと言った。得体が知れない黒木メイサが女スパイの役割なのかな? 人騒がせをしながらあまり役柄としてピンと来ないね。蛋白な台詞の言い回しや違和感がちょっと残念だね。でもスペインの素晴らしい風景が癒やしてくれたね。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
重

4.0もう少し予算を掛ければ世界に通用したのに残念。

2020年8月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

私はかつて、日本映画で「全編海外ロケ」を謳うものでマトモな映画に出会った経験がなかったものだから、この映画にもほとんど期待せず、従って観にも行っていなかったんです。

ただ、友人が「なかなかいいよ」と言うものだから、観に行きました。

予想外と言っては失礼だが、かなり良かったです。
原作がしっかりと立っているのが成功の秘訣だったのかも知れません。

予告編だけ見て「こりゃまた例の期待薄系かな」と思っていたので、意外に良くて感心しました。

黒木メイサがすばらしい演技。
宇宙戦艦ヤマトでも好演技を見せた彼女。
相当に頭が良いと思う。
ただ彼女の髪の毛は、漆黒のほうが似合うと思うけど。

戸田恵理香が、この人どこの大根役者って下手ヘタ演技で失笑しましたが、それ以外は良かったと思います。

ただまあ、
「幼い頃にいろいろと抱えてしまいました、だから……」
みたいな因縁話って、私には好きになれないストーリーの組み立てではあるのですが。

それと、せっかくの「豪華別荘への突入」のシーンがまったくなかったのにはガッカリ。
もしかして、予算が尽きたのでしょうか。

ハリウッド映画との差がこういうところに出ていると思ったのでした。

それと、スキー場の、この湿雪、この重さは日本でしょう。
アンドラ公国には興味があったのですが、日本ロケだったのは残念でした。
宣伝文句に偽りあり、って感じ。
やはりこれも予算の制約?

コメントする (0件)
共感した! 0件)
お水汲み当番

2.0どうしてこうなってしまったんだろう?

2019年9月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 3件)
しゅうへい

3.0長距離だと思って大喜び・・・

2018年10月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 3件)
kossy

3.0楽しめたけど、アマルフィのほうがより面白かった。

2015年5月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しめたけど、アマルフィのほうがより面白かった。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
いりぽん

3.0ご都合主義的で雰囲気のみの商業映画。もうちょっと考えてほしいです。

2014年4月12日
PCから投稿

悲しい

楽しい

単純

まるで外国旅行の記念写真のような映像は、なかなかいいと思う。

外国旅行気分が味わえた。

外国人が出演している洋画だと特に感じないけれど、出演者が日本人だと本当に旅行という感じになる。

でも、ストーリーがよくないような気がする。

ご都合主義的(フジテレビ系の作品に特に多いような・・・?)で、十分な伏線や、説明なしに、唐突にいろいろ出てくるので、何で?と考えながら見るのがちょっと疲れた。

見終わった後は、つじつまが合ったような気がするが、最後まで不明のままのところがけっこうあった。

特に新藤結花(黒木メイサ)のキャラ設定がよくわからなかった。

多少無理のあるストーリーに都合よくはめ込まれている感じで、演出も中途半端、いったいどういう人なのか、最後まで不明。

どうしてこんなに若くてきれいな人が、あんなことしたり、こんなことになったりするの・・・?という感じだった。

それに何が言いたいのかもわからなかった。

ヨーロッパで、日本人がからむ事件が起こって、伊藤英明、福山雅治、黒木メイサらが出演、アクションシーンや、ラブシーンぽいところが入っていて、最終的に織田裕二が事件を解決すれば、なかなか面白いだろ、見に来てお金払ってね、と言っているとしか思えない。

もし、そういうことなら、見る方としては、かなりさみしい。

これからも、また同じような映画を作り続けるのだろうけど、作る前に「もしドラ」見て、真摯さとか、イノベーションを勉強してほしいような気がした。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
Push6700

3.0シャンパン準備して見るべし

2014年2月16日
iPhoneアプリから投稿

興奮

知的

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
ジョセフィーヌ

3.5大進歩なのか元の実力なのか

2013年12月28日
PCから投稿

楽しい

知的

突っ込みどころはありつつも、前作のうざったさが嘘のように、普通に楽しく見られました!

黒木メイサを巡るミステリーとしても、伊藤英明と織田裕二のバディムービーとしても楽しい!互いを認め合ってる感じが伝わってきて良いですね。あの2人のやりとり好きです。

次回作に期待!

コメントする (0件)
共感した! 0件)
えら

3.5あんたが組織を裏切ったんじゃない・・

2012年3月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

興奮

難しい

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
shimo

3.0黒木メイサが美しい!!

2012年1月3日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

フジテレビが織田裕二主演で、「踊る大捜査線」以外のヒット作を作ろうシリーズ第2弾。
今回もオール海外ロケで、金使ってます&ゴージャス感たっぷり。
話的には、よくある陰謀もので、さほど新鮮味は無いが、こういう話は嫌いではない。

だが何と言ってもこの作品が魅力的になったのは、黒木メイサの存在!
ミステリアスな雰囲気、時折見せる女性らしさ、儚さ…そのクールビューティーに終始見とれてしまっていた。
美女にはサスペンスが似合う、とよく言うが、なるほど改めて頷けた。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
近大
PR U-NEXTで本編を観る