あしたのパスタはアルデンテ
劇場公開日:2011年8月27日
解説
パスタ会社社長の次男トンマーゾは家族には経営学部と偽って文学部を卒業し、小説を執筆していた。兄で長男のアントニオが新社長に就任するパーティで秘密を打ち明けようとしていたところ、兄がさらに驚きの秘密を明かし、父親は卒倒。トンマーゾは何も言い出せないまま会社の経営を任されてしまい……。「ラスト・ハーレム」「向かいの窓」などで知られるイタリアの名匠フェルザン・オズペテク監督が、家族のきずなをユーモアたっぷりに描く。
2010年製作/113分/イタリア
原題:Mine Vaganti
配給:セテラ・インターナショナル
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2022年7月9日
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鑑賞方法:VOD
ラストのおばあさまの行動が理解不能。なんで、あのタイミングで?
あれがなかったら☆4つなんですが。
私がトンマーゾなら自分を責めてしまう。さすが”歩く爆弾”。
私的には、
ジョージ・クルーニ氏似の主人公
クロエ・グレース・モレッツ嬢似のヒロイン
マギー・スミスさん似のおばあさま
目が離せない。
つい、上記の三人に目を奪われ気味になりますが、家族+そこに絡んでくる人一人一人を、ある人は短いエピソードながらも、さりげなく描いている。
いい味出しているお母さんとおばさんには笑った。本人は真剣なんだけど。
そして、ほとんど、者の数には入らない扱いを受けていた長女(トンマーゾ達の姉)が…という展開には拍手を送りたい。
プラス、つい惚れそうになってしまうマルコ。
一人ひとりの表情がそれぞれ印象的。その場面だけでも釘づけになります。
ちょっと、映像がぐるぐる回って、遊園地のコーヒーカップに乗っている感じで酔いそうになったところもあるけれど…。
トンマーゾの友達の個性がはっきりしていて笑わせてくれた反面、アルパはハンサムガールというようなさわやかな女性ですが、立ち位置≒その想いが今一つぼかされていて勿体ない。
予告で期待したよりコメディではないけれど、反対にマルコとの関係、アルパとの関係とか、ちょっとハラハラドキドキ。同情・友情と愛情の狭間とか、奥深い映画です。
家族全員の生きざまにちょっとずつ触れていて、しかも、それぞれの関係が一方通行ではなくて幾方向にも一つではない想いが溢れかえっているので、明確なメッセージはこれかな?という感じで手ごたえが薄い感もあるけど、パスタのソースみたいにいろんな味がそれぞれの味を出してパスタに絡まっている感じ。なので、味わう度に違う味に気づかされそう。
そんな映画です。
(私的には、原題も面白いけど、原題でいくならもう少しパンチが欲しかったかな。邦題もそう悪くはないと思います。だって、パスタって日々の暮らしって言う意味でしょ?予告からするとアルデンテ=理想?でも、ちょうど好みのアルデンテにはなかなか仕上がらない。レシピ通りゆでたとしても…。一人一人、ソース(環境)によっても”理想”の硬さは違って…。と言うところもかけてあるのかな?ラストのダンスパーティみたいに、皆で暮らしていけたらいいのにね)
全体として微妙、主人公の考えも分からない。揺れ動いている意味のラストなのか?!
2021年4月18日
Androidアプリから投稿
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本人たちには深刻だけど、回りは笑えるという状況から、面白くて切なくてジーンと来る話かと思いきや、終わりはなにも始まらない夢で、肩透かし。結局長男は次男に怒りをぶつけたままで、家族の絆がどうとかいう話でもなさそうだし、ただ流れるままではなくて、ちゃんと自分の人生つかもうというのはなんとなく感じるけどよくわからない。
おばあちゃんが最後に大好きな甘いものを食べて自殺するのは、イタリア流ユーモアなのかよくわからなくて、怖い。
ただずっと見飽きないのは、出演者と、背景の古い町並みがそれだけで絵になっていて、これがイタリアの強みだと思う。
2021年3月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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何となく気になるタイトルに惹かれて鑑賞。ところがパスタやイタリア料理の映画でもないし終始ゲイに悩む兄弟のお話でした。
カトリックの本山だからゲイに対する風当たりが強いのも頷ける、もっとも「薔薇の名前」のように司祭の少年愛事件などもあるのだから神を持ち出しても如何わしさが付きまとう、映画では唯一兄弟の秘密を知る理解者の祖母の若き頃の不義密通エピソードや父親の不倫までいれて愛の形に罪など無いのよと諭すのだが微妙。
総じてLGBTへの励まし映画かと思ったら、案の定フェルザン・オズペテク監督自身もカミングアウトしているし、友人の兄弟の実話に触発されて作ったものらしい。
古い世代の父親像なんてまさに典型的、ただ母親の使用人を見下す高慢さやご婦人方の醜聞好きには閉口する、色情ぎみの老婦人や風変りな美人実業家など女性の描き方に癖が強いのも監督の女性観なのだろうか・・。
原題のMine Vaganti(浮遊魚雷から派生して近づくと危ない人物を指すらしい)から転じてのこの邦題、見事に騙されました。ゲイの話としてもせめて「キンキーブーツ」のようにパスタ工場の再生物語であれば楽しめたのですがメッセージ性が強すぎて困惑です。