東京家族のレビュー・感想・評価
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この作品を観る人も観た人も、『東京物語』をレンタルしてください。
最後の最後に「この作品を小津安二郎に捧げる」というようなクレジットが入ったけど、どうかなぁと思った。
この作品「東京物語」(1953年・松竹)の不完全なリメイク版なのだが、それでいて146分破綻なく観せきらせてしまうのが凄い。職人技だ。
この時期に公開するというなら3.11を風化させない為にも、二男昌次は津波で行方不明という設定にしたらどうだったろうか?(『東京物語』では戦後8年未帰還兵という設定)
その妻紀子の心の葛藤と義父母への愛情を描けば、たとえリメイクとしても作品としての完成度は高まったはずだ。原節子と蒼井優の「紀子」の比較も味わいたかった。
『東京物語』のラストに近いシーンで義父(笠智衆)が紀子に
「言わば他人のあんたが、わしらに一番ようしてくれた」
というシーンが印象的だった。
ちなみに、『東京物語』は本作を観るための予習として7泊8日100円レンタルで初めて観た。5回観たけど、まだ小津信者じゃありません。
山田監督は結局自身の80作品(ギネス・レコード?)へのオマージュなりリスペクトを捧げたかったのではないかと勘ぐってみたくなる。
蒼井優フォロワーとしては、出番は少ないし肌のコンディションも悪かったりして残念。でも、妻夫木聡をようやく見つけたのでフォロワーになってみようかな。
ターゲットは若年層?
「東京物語」が非常に忠実にリメイクされている.冒頭の電車(原作は汽車だが)が走っているシーンや,家の中の撮影アングルなどは白黒の映像がだぶって見えるほどだった.山田洋次監督の深い深いリスペクトが感じられる.
ただ,見終わった直後はリメイクした理由がよくわからなかった.あれだけの名作ならよほどの理由がない限り原作を見れば良いと思ったからだ.名作だけに設定から撮影方法,果ては「ありがとう」のイントネーションに至るまで執拗に原作と比較してしまい,素直に楽しめなかった.もちろんそんなことは山田洋次監督は分かった上で作っているのだとは思ったが.
それでもよくよく考えてみれば,笠智衆も原節子も杉村春子も知らない人には1953年の白黒映画を見ようというきっかけなどほぼ皆無なのはたしか.「東京家族」を通して間接的にせよ「東京物語」にふれ,豊かさの中で失われていく家族の絆に思いを馳せる機会を得た人も多いとすれば,リメイクにも意味があったのかもしれない.
PS.ロケ地が東京やその周辺の風景を写しているので,東京の西部から川崎辺りに済んでいる人には「ここどこだろう?」と推測しながら見る楽しみもあると思います
家族愛の幸福度の基準を客に問い、戸惑わせるのが今作の価値やと思う
モチーフは云わずもがな小津安二郎がこしらえた古典派邦画の頂点『東京物語』
家族愛の微笑ましさと残酷さを入り交えた哀愁を踏襲しつつ、山田洋次が生涯掲げ続けてきた現代の家族の在り方を問うカラーが浸透しており、2時間越えでも最後まで感情移入してしまった。
お互いが想っているのに、どうしても遠慮し合い擦れ違うぎこちなさが、クラシックに展開する人情噺の味わいを引き締めていく。
立川談志のDNAを純粋に継承する一方で、独自の世界を確立する立川志らくの落語に通ずる。
生の独演会で効いた『らくだ』の雨宿りの件を思い出した。
解らん輩には、ダシと酢の効いたシメサバを嗜むような満足感に近いと申しておく。
両親が最も心配していた末っ子の妻夫木聡のだらしなさと愛嬌を兼備したキャラクターは、『男はつらいよ』の満男(吉岡秀隆)を彷彿とさせていて、山田洋次ファンの性分をくすぐらせる点もニクい。
ただ、舞台美術のスタッフってどれぐらいの収入・環境なのかピンと来ないので、苦悩を共感しにくかった。
れっきとした職人なんやから、心配し過ぎやろと両親に対し、ついつい思ってしまうのは、私も負けず劣らずだらしない息子やからだろう。
不器用ながらも最後に親孝行できた妻夫木が素直に羨ましい。
母親が妻夫木の彼女・蒼井優を紹介された際、初対面にもかかわらず、
「感じの良い人ね」とアッサリ肯定し過ぎる場面に当初、違和感を覚えた。
しかし、「良い人ね」ではなく
「感じの良い人ね」って声掛けするニュアンスが、今作のミソなのではなかろうか
我が家に着いてから、ふと想う春の入り口である。
では最後に短歌を一首
『旅の果て 居場所尋ねし 老いた雲 一対の輪の中 ぎこちない空』
by全竜
自分の今と照らし合わせグっとした。
家族のありがちな光景
時々こんな敬語?な会話に??だったり
緩やかな中盤までの展開に疲れ気味の鑑賞もあり
うとつくも
子育てを少なからず経験し
老いていく父母に感謝したり、疎ましかったりな
今ある自分が胸をつまされる。
橋爪さんは上手すぎて、天邪鬼な自分が
負けまいとしてしまうが
吉行さん・妻夫木君に泣かされました。
日々何気なく過ぎ行く幸せ
最近の名匠・名優の作品の中で一番の秀作です。
是非雑念の入らない劇場での鑑賞をお勧めします。
切なくも温かい後味。
互いを労りながら暮らす老夫婦の命を丁寧に描写。
もっと全編を通して優しさ満載にしてほしかった思いは残るが、
観賞後に広がる後味は慈愛に満ちていて満足。
周吉(橋爪功)、とみこ(吉行和子)に、
昌次(妻夫木聡)と紀子(蒼井優)。
彼らの幸せが胸を充たした瞬間描写が、
仄かな嬉しさの持続こそ生きる希望だと伝えるメッセージとなり響いてくる。
大きな仏壇
時に家族は他人よりも残酷だ。
実の息子や娘よりも
他人の文子や紀子の振る舞いのほうがよっぽど甲斐甲斐しい。
でも。。。それが、家族なのだ。血の繫がりなのだ。
どこにでも嫌みな親戚のおばちゃんがいる。
どこにでも頼りない従兄弟のお父さんがいる。
そんな他人からすれば、関係を遠慮したいような人々の言動も行動もすべて
血縁であれば受け入れるしかないし、許せてしまう。。。
所々に現代への風刺を交えつつ、現実に有りえるであろう家族像を見事に表現している映画でした。
東京で暮らす息子の家を訪ね、息子の彼女と三人で楽しい時を過ごし、息子から彼女との成り初めの話を枕話にできた
お母さんの人生はその一瞬で昇華され、喜びも嬉しさも感謝の念もお母さんのすべての想いが自分の感情と同化され、涙が止まらなかった。
最後に田舎で独りになるお父さん。
でも、お父さんには町の人々が居て、隣のユキちゃんも居るのだ。
「たしかに豊かになって、便利な世の中になったけど、お前らにこういう世界はないだろ」と山田監督に言われているようだった
昔は田舎のどこの家にもあった大きくて立派な仏壇
もちろん、平山家の実家にもある訳で。。。
大切にしなきゃいけないなぁ。
林家正蔵は落語より、いい
以前、小津安二郎のインタビュー映像をみた。「こんなのをつくる者がひとりくらいいてもいいだろう」と言っていた。続けて「いやならみなきゃいいんだから」えっ小津ってこんなこと言うの。でも、そんな気概があったから、あの作風はできたのだろう。黒沢明は「蝦蟇の油」に書いている。「彼等は、昔ヒットした作品を永遠に追いつづける。新しい夢は見ようとしないで、古い夢ばかり見たがる。再映画化は、絶対に前の作品には及ばない、という事が実証されているにかかわらず、未だにこの愚行をくり返している。これこそ正真正銘の愚行である」
新藤兼人は100歳にして傑作を創造した。山田監督には傑作を創る時間がたっぷり残されている。
橋爪功は凄い。
山田洋次監督による、普遍的な家族の物語。
橋爪功と吉行和子の些細な言動が時の流れを静かに感じさせる。
本当にみんなの演技が今そこにあるみたいに自然で、役柄も多彩。何かははっきり分からないけど、家族の核みたいなものを捉えているから誰でも感情移入できる。
他の観客はお年寄りが殆どだった事もあり、鑑賞後にはおばあちゃんの事を思い出した。偶然にも良くおばあちゃんと2人できた映画館でもあった。この作品も一緒に見たかったな。もっと大切にしてあげたら良かったな。
某有名シネコンで観たが、前途の通りお年寄りが多かった。マナーに関して、上映中の会話やおかきのようなものも食べるし、幾度も携帯は鳴る。だが、この光景も許せてしまう不思議な映画。
素晴らしい作品。
『東京家族』 優しいひかりに満たされました!!
“「事実」はそのままの形では単なる日常経験の範囲を出ない一時的な現象であり、普遍性もなく、従つて形而下的な経験たるにすぎないものだが、「真実」は普遍的であり、現実の圏内を越えた形而上の真理の世界に属するものである。簡単に云えば「事実」は経験するものであり、「真実」は直観するものだとも云えよう。(中略)従つてその印象性においては「事実」の方が強く、その浸透性においては「真実」の方が強いと云えるかも知れない。” 『シナリオ構造論』 野田高梧
映画館へ行くと、本編が始まる前に、いろいろな映画の予告編や、携帯電話の電源を切るようになどと注意する映像が流れる。これらの映像のあとの『東京家族』の最初の風景、東京郊外の住宅地の坂道が、なんとやわらかく優しいことか!この場所は確かに、2012年5月の「東京」であるけれど、「虚構の真実」に包まれ、満たされる思いがするのは、この映画がfilmで撮られたことに、はっきり関係するのだろう。
『東京家族』は、小津安二郎監督に捧げられた映画だが、ここでひとつ想起されるのは、2003年に「小津安二郎生誕100年記念」として制作された、侯孝賢監督の『珈琲時光』である。『珈琲時光』は、台湾の侯監督が、小津監督を敬愛する幾人もの日本の監督の作品を引用する事によって、間接的に「小津安二郎」を照射するという構造をもった作品だったが、その日本人監督たちの筆頭にくるのが、山田洋次監督である。
今回、山田監督は、あの時の侯監督の映画に呼応して、更に、真正面から小津安二郎監督に向かい合ったのが、この『東京家族』だと、私は思っている。
“兄妹”の配役で、驚いたのは、中嶋朋子が杉村春子だったことだ(笑)。
そして、現代の「原節子」の山田監督の答えが、蒼井優。おふたりとも、ほんとうに、素敵だった!
横尾忠則氏の原色が輝かしい鳥と男のポスターを、いつか私も部屋に貼っていた事を思い出したように、山田監督の映画には、細部にたくさんの想いや物語が織り込まれているので、私も今回、そのいくつかに気付いたし、たくさんの他の細部には、気付けなかった。なぜなら、涙でスクリーンが見えない場面も多かったから。
それは、もういちどこの映画を観に行ってから、別の場所に書くとして、最後に、『東京家族』に関わったすべてのみなさま、すばらしい映画を、ほんとうにありがとう!!
生き会えて良かった
父母が上京し、久しぶりに顔を揃えた家族。喜びながらも子ども達にもそれぞれの生活があり…。
「東京物語」を下敷きにしながら、山田洋次監督が描いたのは平成の今を生きる家族。
先のさっぱり見えない時代の家族を優しく描いていました。温かい余韻でした。
長女の台詞が「東京物語」を強く意識した感じで違和感があったけど、お国訛りの笑顔でストンとおちた気がしました。バブル景気の頃意気揚々と東京に出た明るい女性像に中嶋朋子はぴったりで、急に同年代の妹や従姉妹と重なりました。
次男と彼女の存在が、みずみずしい印象でとても良かったです。蒼井優演じる紀子さんの芯のある優しさに泣けました。30代になってからの妻夫木聡はなかなか見応えあるなと思いました。
生前、明治生まれの祖母を訪ねるといつも「生き会えて良かった」と喜んでくれたものですが、歳を重ねるごとに言葉の意味が身にしみます。
広島県内のロケ地をよくご存知で、それを楽しみに鑑賞される方も多かったからか、特に後半は場内が騒然としてちょっとビックリ。
瀬戸内の穏やかな情景は優しく美しかったです。
東京砂漠。
山田洋次が、名匠・小津安二郎の「東京物語」をモチーフに、
現代の東京に生きるある家族の姿を描いた感動ドラマ…という
ふれ込みなのだが、モチーフ・オマージュというより、もう
ほとんどが東京物語を踏襲リメイクしているかのような作品。
舞台設定や背景は現代としても、その台詞回しも行間もカメラ
の配置までも揃えているのは凄いと思った。が、逆にそれが
おかしな平成を見せているような感覚にも繋がり、今時こんな
喋り方をする家族はいないぞ(爆)という、小津映画を念頭に
置かないと、かなり時代錯誤的な感覚に陥ってしまう気がする。
それだけ山田監督は「東京物語」を大切に思っているのだろう。
ただ絶対的に、小津映画と山田映画は違う。
その違いを楽しめるか、残念に思うかで、評価の変わる作品。
若い映画ファンにも(人気がある)小津作品は知られているので
原版と比べるとその類似性がハッキリと分かると思う。
ただ、当時の戦後間もない日本と、大震災後間もない日本との
対比は本作では分かり辛い^^;
設定を変え、戦死した次男をフリーター(って訳じゃないけど)
として登場させ、その恋人を未亡人の原節子に見立てた。
言いたいところは、遠くの親戚より近くの他人。じゃないけど、
せっかく逢いにきた子供達は皆それぞれの生活で多忙な現代、
両親の面倒もぞんざいな中、唯一親切にしてくれたのが他人
(っていういい方もおかしいけど)の嫁や恋人だった。という、
当時では画期的な(核家族の)描かれ方だったんだろうと思う。
心の拠り所。とはどこを指すのか。
両親に親切にしてくれた未亡人である嫁が、再婚を勧められる
中で、やっと本音を吐露する後半シーンが秀逸な「東京物語」。
今作では、まさかと思う息子の恋人の出現に戸惑いながらも、
大喜びして亡くなっていく母と、最後にやっと受け容れる父親。
子供達の成長と躍進は嬉しいものの、年老いて侘しさがつのる
老親世代にとって、相も変わらぬ人情というか、ささやかな一時が、
どれだけ冥土の土産(まだ早いですか)になるものかを示している。
自分が原版(もちろんビデオで)を観た頃はまだ若くて、
どうしてこの子供達は両親に冷たいんだろうと不思議に思った。
熱海(今回は横浜)の海辺で
「お父さん、帰りましょうか」という母親の一言がずっと忘れられず、
何か哀れで堪らなかったのを覚えている(その後のあの扱いもねぇ)
だけど、自分がこの長男やら長女やらの歳になってみると、
中年世代の悩みや気苦労など大変さが段々身に沁みてくるもの。
家族それぞれが、それぞれの悩みを抱えている。
年代によってそれが多岐にわたることが、物語からもよく分かる。
でもやはり。
行き着くところが家族の愛情であるのは、決して疎かにはできない。
やがて自分が親の立場になった時、その頃の双方の気持ちがグッと
迫ってくるんだろうな、と思う。
いつか息子の嫁(くるのか?)に、いろいろ言われたりする近未来を
想像しただけで、すでに背筋が凍りつきそうだが。。。
ともあれ、独りになるのは寂しいものだろうけど(仕方ない)、
自分の子供達が無事に成長し元気でいてくれるだけでも幸せだと、
戦争や震災で家族を失った方々には申し訳ないくらいだと思う。
山田映画の温かさはラストの光景に感じられる。
あのお父さんは、決して不幸ではないぞ。むしろ幸せな老後である。
(頑固で扱い辛い父親^^;私的に通じるこのテーマには考えさせられる)
気負いなく見れる日本の映画、
どこにでもありそうな日本の家族を淡々と描いて良い作品です。さすが山田監督の作品ですね。両親が東京にいる三人の子供を訪ねて来ることで、3・11の事も組み込んで今の日本の事情をさりげなく表現しています。やさしい母親、厳格な父親、悪気はないけど、生活に追われる子供たち。末っ子の結婚に喜ぶ母親が急死するのは、故郷に帰らせる為?父親と向かい合えなかった末っ子が彼女と故郷に行く事により和解できた。この映画は母親役の吉行さんメインパーソナリテイの気がします。演技もほのぼのします。
ノックアウトされました
いい映画です。前半でジャブ、中盤にボディブローをくらって、最後にはストレートでノックアウトされた感じでした。
上京して生業や家庭を築きながらも様々な事情で親を地方に残したままといった方には特に、地域で生活するお年寄りを見守っていかなければならない若い世代の方たちにも、ぜひ観ていただきたい。今の現実はもっと厳しいでしょうが、精一杯の希望を持った作者からのメッセージを感じられるはずです。
減点は、演者の台詞が全般的に少しぎこちなく感じられたためです。それでも、主演の老夫妻と準主演の若いカップルは、さすがに良い演技をされていたと思います。
日常の営みを描いた松竹らしい家族映画
物語は小津安二郎の「東京物語」(1953)にほぼ準じた内容で進められる。大きく違うのは、戦後まもなかった世の中と平成という60年もの時差で、「東京物語」では戦死していた次男がここでは定職に就かない若者として生きて登場する。
とっくに教師という職業をまっとうした老父・周吉にとって、将来の展望がない次男・晶次の生き方は理解しがたく憂いをいだく。母親・とみこのほうは次男の優しい性格と思考に一定の理解を示す。
今回の作品では、この老父母と次男の関わりに焦点が当てられる。決していい加減に生きているのではなく、優しいが周りに流されない芯の強さを持つ晶次を妻夫木聡が自然で気張らない仕草で演じる。この作品が、最近の山田洋次作品の中で好きだと感じだ理由はそこにある。
せっかく上京しても子どもたちは仕事に追われ、中々ゆっくり共に時間を過ごせない老父母の心に明かりを灯すのが次男の恋人・紀子だ。「東京物語」での紀子は戦死した次男の嫁で義理の父母に気遣いを見せるが、ここでも寂しい思いをする父母と子どもたちが住む無機質な都会との間に入って潤滑油的役割を果たす。
とみこが東京に来てよかったと思ったのは、東京の名所巡りなどではない。東京にも心を通わせることができる相手が見つかって嬉しかったのだ。
とみこと紀子、周吉と紀子の気持ちが通い合うシーンはどちらも泣ける。
家族の喪失という局面では、同じ家族でも喪失感はそれぞれに違いを見せる。そして雲が流れるように人の営みは止まらない。そうしたなかで周吉は、場当たり的な生き方にしか見えなかった晶次の心根の優しさに改めて気づく。家族にとって大事なのは、家族にしかわからない長所を称え合うことかも知れない。
気になったのが言葉遣い。
家族どうしがよそよそしく敬語を混じえ、初対面の相手なのに常語だったりとちぐはぐで、言い回しが当事者の口から出た生きた言葉として聞こえない。どこか第三者が言わせているようで違和感がある。
これぞ、日本映画
これこそが日本映画!本当にびっくりしました。こんなにいい映画だったんですね。ひとつひとつのシナリオが丁寧で、いまの日本映画に多い回想シーンがはいっていない。これだけで全然違う。同じシーンはほとんどないからでしょうか。ずっと画面に釘付けでした。感動して泣きました。若いひとにもみてもらいたい。こういう映画が増えてほしい。もっと人気がでてほしい。
『東京家族』あなたの物語映画です。日常生活です。
父親と母親が、老いていく 残った子供は、田舎から都会生活に家族を作り離れ離れ、ごく当たり前の日常生活
久しぶり老夫婦が(橋爪さん、吉行和子さん)東京の子供の家に・・
狭い都会で、行き場のない年寄り。・・
一番気にかけている息子が、(妻夫木聡)(恋人の蒼井優さん)
の存在で、家族が和やかになっていく『親子の絆』と母親は、いくつになっても、最後まで子供の将来案じて陰の応援ですね
母親の偉大な存在亡くなってはじめて知り老いていく父親の寂しさ『愛情』を思い起こさせられます。
日本から消えていく『情け』
心温かい気持ちを、わかっているが、山田洋次監督の映画で、教えられました。
大変綺麗な日本の景色の中では瀬戸内海の絶景が、舞台だし、【平成大震災】で、撮影1年遅れたことがありと・・
エピソードをいろいろ拝見拝聴すると、涙が頬つたい止まらない映画です。是非とも観る価値あります。
『賞』も取られました。
山田洋次監督の監督50年の素晴らしい映画です。
観る人の世代によって評価が分かれる?
予想通り、観客はシニア世代が圧倒的でした。
寅さんを青春時代に観て過ごした世代には、面白く感じる作品なんだろうなぁ…と。
若輩者の私には、観る時期が早かった…そんな印象です。
時代背景は現代ですが、昭和の古き良き時代を感じました。
「東京物語」がベースだから仕方ないのかな…
私はちなみに東京物語は観ていません。
観ていたら、もっと違う感じ方をしていたかもしれません。
味の素のような、、、、、
情緒ある良い作品だと思います!! ^-^
刺激はないのだけれど、
深い ところから、
日本に隠されていたはずの、
味わいのようなものが 流れます。。
山田監督の作品は、「学校」など大好きだけれど、
今回は、小津テイスト が 良い意味での渋みを出していました。
さすがに、大人向けの作品だけれど、
映画館で見たい1本だと 思います ♪♪ m--m
小春日和の夕暮れ気分
最後までダレずに感情移入できました…
小津作品と比較するのは野暮かな、これはこれですごくいい!
震災と絡む2つの設定はさりげない自然な挿入感、
そんなに浮いていないと思う…
全編を通じて、
平凡な家族のさりげない言葉が練りに練られて配置されていると実感します…もちろんそのベースには「思いやり」がある…
ボクは自分の人生、家族を重ねることができた…
「あ~親孝行しなきゃいけんな~」と
ただ1点、今の時代を直視するならば、
社会的弱者、
ワーキングプア、シングルマザーなどの「家族」がいてもよかった気がします…
60年前の「東京物語」を現代に置き換え、社会的メッセージを込めて表現。
1週間前に小津さんの「東京物語」をじっくりと観た後に、この現代版「東京家族」を劇場で観ました。性格表現・性格表情という点では、「東京物語」の方が深みを感じました。役者の巧さや白黒映画のトーンが関係しているのでしょうか。「東京家族」の方が、末っ子(妻夫木聡)の幸福そうな未来の生活が暗示されているので、「東京物語」のような悲観性は残りませんでした。社会派の山田監督らしく、「東京家族」では「3.11問題」や戦争の悲劇をさりげなく訴えてました。この国の行く末を何回も心配しているのは、政治の貧困さなのか世の中の右傾化なのか、それとも???。 また、中国暮らしの経験のある山田監督は尖閣問題を見て、中国の影響の大きさ、独善的中国批判を画面の中で婉曲に言っているように思えました。「東京物語」にも戦争批判はありましたが、、「東京家族」の方が3.11後の作品ということもあるのでしょう、東京という大都会も含めた社会へのコメントが多いように思えました。いずれにしても、「東京家族」も「東京物語」と同じように家族の数だけある多様な人間ドラマの例として興味深く観ることができた映画でした。
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