東京家族のレビュー・感想・評価
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滋子と紀子が好きじゃない
「シコふんじゃった。」から日本アカデミー賞受賞作品の流れで鑑賞。
・・・超ちんちくりんだった( °д°)
長女の滋子さん、ああいうタイプって超苦手。そればっかり考えてしまった。仕切りたがりで、話が長くて、口うるさくて、常に自分が正しいと信じて疑わなさそうで。あなたの価値観=世の中の価値観、じゃないですよ!って言ってやりたくなる。言っても響かなさそうけど。
一番のもやもやエピソードがこれ。
田舎からわざわざ出てきた年老いた両親は、長男の幸一と滋子が手配した高級ホテルに二泊するはずが、雰囲気と合わず一泊で帰ってきてしまった。その二人に対して、滋子は「今夜はうちにいられたら困る」なんて言い放つわけ。商店街の飲み会がどうとかご飯作ってあげられないとか。さすがに言わないでしょ。近所付き合いにどんだけいっぱいいっぱいなのでしょう。夜中までうるさくてごめんって言って、とりあえず出前でも取ってあげればいいじゃん。
そもそもホテルに泊まらせたのだって、いつまでも田舎に帰る日を言わない両親の相手が少し面倒くさくなってきたとかそういう理由っぽいし。まぁわかるけどさ、彼らにも彼らの生活があるから。とはいえ東京のこと右も左も分からない人たちに対して冷酷すぎて引く。
観光に連れて行こうともしてたけど、両親が何したいかとか、どこ行きたいかとか、一回でいいから本人たちに聞きましたか?って感じ。意見を聞いてから持て成せよ。もやもや。
ラストでも、病院では誰より激しく泣いてたし、「お父さんどうするの?」ってしきりに聞きはするけど、具体的にどうしようとか、嘘でも「うちに来たら?」とかは一切言わないし。結局さ、他人の心配しているふりして結局自分のことしか考えてない人。
あー、滋子が嫌い。どこまでも。笑
あと蒼井優が義両親(まだ結婚してないけど)にちょいちょいタメ語なのも超違和感だった。そもそも義両親じゃなくたって、初対面でめっちゃ年上の人に「大丈夫よ」とか言わないと思う。蒼井優は好きだけど、今回の役は全然魅力的じゃなかったから残念。
こういう古き良き日本の家族、って感じの映画、好きだったはずなんだけどなぁ。
ついこないだ観た「ALWAYS三丁目の夕日」シリーズは全部大感動だったから、時代云々じゃないんだろうな。この家族はなんとなく苦手だった。
東京物語のリメイクということで。 昭和のよき日本、人間模様を描いて...
確かに現代っぽい
上京してきた両親を東京に住む子供たちが迎えるっていうよくある光景を現代版でアレンジした作品。
普通、せっかく田舎から両親が来てくれたから家族皆で集まってもてなすっていうイメージだけど、映画では仕事で忙しい子供たちが東京に来て何もする事が無い両親を持て余すって言うような内容になってる。
もうちょっとちゃんと両親もてなすだろって思うところもあるが、登場人物の心情等結構リアルに描かれてて多分実際両親が上京してきたらこういう感じになるのかなって言う風に思わせて、今の仕事で忙殺される東京の人だったり家族の絆が希薄になっている現代を上手く描いている作品だなと感じる。
個人的にも今の東京の人は皆忙しすぎるし、常に努力して向上していかないとっていう状況にあってあまり余裕がなく、もっとゆったりした生活も必要なんじゃないかって感じてるので、今の自分に微妙にマッチした作品だった。面白いかって言われるとそこまで面白い作品ではないけど、胸には響く作品。
妻夫木くんの演技がすき
優しさと忙しさ
小津より泣ける感が多かった。
親孝行の基準って!?
邦画の良さが出てます。
名作と震災
この映画の元となっている小津安二郎監督の60年前の作品は世界中の映画人に愛される。なぜだろう。この答えを探しつつ鑑賞した。低いアングルからの画像。何気なくびっしり何か様々な生活道具。家族はいつかチリジリバラバラとなるのを予期させる身勝手な個々の言動。東京と瀬戸内海では明らかに異なる時間の流れ。山田監督やカメラマンたちはその何気ない風景などを音とともに静かにしかもシッカリ撮影し記録している。結果、人間の壊れやすい体質が暴露される。例えば老父、息子、娘や親族たちも全てが不完全な性格を宿したまま平然と生きている。老母のありがとうの言葉は相変わらず響きが美しいが。 ところで、老母の突然の死は東日本大震災の悲劇に直面しなければならない私たちに突きつけられる刃のごとし。家族は死を上手く引き受けることが出来ない。震災以後は絶望でなく「希望」が大切なことも再度痛感しました。
考えさせられる・・・
こうして空でも眺めてるしかなかろうが・・
映画「東京家族」(山田洋次監督)から。
親はいくつになっても親だから、子どものことが気になる。
だから、3人の子どもに会おうと夫婦で上京したにも関わらず、
子どもたちは自分の生活で精一杯、久しぶりに会った両親を、
素直にいたわれない現実が、待っていた。
みんな一所懸命生きている、それは親に伝わるが、
やはり夫婦の感じた淋しさは、隠し切れなかった。
親子の絆って、人間関係の一番基本的なところにあるのに、
なかなかうまくコミュニケーションがとれないもどかしさがある。
どこにでもいる家族、どこにでもある日常生活、
そして突然の母の死という出来事をを通して、
その理想と現実とのギャツプが、映し出されていた。
楽しみにしていた子どもたちとの再会と、のんびりした時間は、
影も形もなく、東京の空の下、老夫婦だけとなりふたりは戸惑う。
妻が「どないする?」と問いかければ、
夫が「こうして空でも眺めてるしかなかろうが・・」と答える。
「ええ天気じゃねぇ」と言いながら、なぜか淋しさが込み上げる。
私が一番、印象に残ったシーンである。
横浜の高級ホテルに泊まれることで喜ぶと勘違いしている子ども、
それを口に出さず、黙って受け入れる親。
忙しいのはわかっている、でも、もう少しゆっくり話したい、
それが3人の子どもを育て上げた親の気持ちだろう。
家族愛、親子愛、夫婦愛・・
山田監督は、どれを一番伝えたかったのだろうか。
小津調と山田洋次調のコラボ
本作は小津安二郎監督の「東京物語」が元になっています。山田洋次監督は小津監督への敬愛の念をこめてカメラを取ったと発言していますから、小津調として有名なあのカメラワークとあの特殊な映像空間をそれなりに継承することが求められていたように思います。となると、小津映画に思い入れのある観客の目は厳しくなってしまうのですが、山田洋次監督は大部分、その問題はクリアできていると私は判断しました。
小津調の最も分かりやすいポイントが、フィックス・ショットです。これはカメラを動かさずに対象物を撮る手法で、誰しもが使っている撮影手法ではありますが、小津の場合はこの撮り方のみに拘泥し、移動ショットが全くありません。そこが彼独特の撮り方なのです。小津調に関してはそれで学問になってしまうぐらい議論されているので、関心のある方は例えば、「監督 小津安二郎 (著 蓮實 重彦 ちくま学芸文庫) 」などを参照されることをお勧め致します。
本編の大筋は原作と変わりません。時代が戦後から現代に置き換えられていること以外に、老夫婦の外泊先が熱海から横浜になっている点など、これらも今風に調整されているだけで私は問題ないと考えています。小津調の継承については、フィックス・ショットのみで構成されているので基本的には問題ありません(例外として3箇所ほど無駄な?移動ショットがありますが)。しかし、小津映画において男の世界とされる住居の1階部分と、女の空間とされる2階を接続している「階段」が滅多に撮られなかったのに、本作では安易に映ってしまっているのが個人的には(小津調を考えると)残念でした。
しかし、小津調を遵守することのみに気を遣って、山田洋次監督らしくない作品になってしまうのは本末転倒です。監督はその辺りの舵取りがしっかりしていて、上手に現代の観客の嗜好に合わせた映画に仕上がっていると思います。
最後になってしまいましたが、この映画は小津映画が分かっていることを前提に作られた映画ではないように思われます。つまり、小津映画を見たことがない人でも十分に楽しめるようになっているのです。そして、小津調を知っている人にとっても、山田洋次監督の小津調へのオマージュが感じ取れるようにもなっています。色々と書いてしまいましたが、個人的には老若男女問わず、構えずに観て欲しい映画です。
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