劇場公開日 2013年1月19日

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「60年前の「東京物語」を現代に置き換え、社会的メッセージを込めて表現。」東京家族 chakurobeeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.060年前の「東京物語」を現代に置き換え、社会的メッセージを込めて表現。

2013年1月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

1週間前に小津さんの「東京物語」をじっくりと観た後に、この現代版「東京家族」を劇場で観ました。性格表現・性格表情という点では、「東京物語」の方が深みを感じました。役者の巧さや白黒映画のトーンが関係しているのでしょうか。「東京家族」の方が、末っ子(妻夫木聡)の幸福そうな未来の生活が暗示されているので、「東京物語」のような悲観性は残りませんでした。社会派の山田監督らしく、「東京家族」では「3.11問題」や戦争の悲劇をさりげなく訴えてました。この国の行く末を何回も心配しているのは、政治の貧困さなのか世の中の右傾化なのか、それとも???。 また、中国暮らしの経験のある山田監督は尖閣問題を見て、中国の影響の大きさ、独善的中国批判を画面の中で婉曲に言っているように思えました。「東京物語」にも戦争批判はありましたが、、「東京家族」の方が3.11後の作品ということもあるのでしょう、東京という大都会も含めた社会へのコメントが多いように思えました。いずれにしても、「東京家族」も「東京物語」と同じように家族の数だけある多様な人間ドラマの例として興味深く観ることができた映画でした。

chakurobee