劇場公開日 2011年10月22日

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スマグラー おまえの未来を運べ : インタビュー

2011年10月25日更新
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自ら望んだとはいえ、常に高いテンションを維持しなければならないエキセントリックな役柄ならではの苦労もやはりあった。

「面白がって取材はしましたが、PG(作品鑑賞可能な年齢制限)に気を遣っていたので、これを実際に表現できるのか? という気持ちはありました。現場に入った後は、ずっとカメラを回しっぱなしだったので、くらくらしていましたね。撮影の3日間、睡眠時間トータル5時間だったので、精神状態との戦いでした。演じている時は楽しいんですけど、1日終わるともうぐったりでした」

きついパンチパーマに、鋭く常に見開いた瞳、そして、自ら提案した有り余る毛量のまゆ。砧と対じするシーンでは、笑いをこらえるのに一苦労するような、奇抜な衣装で登場する河島。外見をとっても何とも形容しがたい強烈なキャラクターだからこそ、テイクを重ねるごとに愛着がわいた。

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「ワンカット終わるたびになぜか笑いが起きて……だからやめたくなかったんです。終わった時に花束を受け取りたくなかったんですよ。花束をもらったら『終わっちゃうな』って、なんかそれくらい楽しかったですね」

友人はおろか、家族にも河島役を演じることは黙っていたという。「実は、妻にも一切内容を言わなかったんです。『どんな映画なの?』って聞かれるんですけど、資料も何も見せずに、家族にも、友達にも一切話しませんでした。とにかく映画館で見て、笑ってくれとしか言っていないんです(笑)」と策略的な笑みを受かべながら明かす。

高嶋自身が完成作を見た感想を問うと「うれしかった!」と一言。「よくある日本映画でもなければ、香港映画でもない、ヨーロッパの映画でもない、アメリカのハリウッドっぽい作品でもない、まさしく石井ワールド。この映画に出られてよかったと思いました」。そして、「映画もドラマも(役者と)相思相愛でないと実現しない世界。これは、僕の中では、もう2度とめぐり合えるかわからない1本ですね」と、晴れやかな表情で言いきった。

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